想い
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ー亜嵐sideー
亜「よし、この扉だよな」
瑠「入ってきたのが西扉だったから…合ってるはず…」
此所にいる女性の殆どは遥希と和輝に夢中で俺らには気づいていない
扉をゆっくり開けて会場から出る
亜「ふぅ…この階段だよな」
瑠「………」コクン
俺たちはその大きな階段を登り始めめた
亜「…昔もこういうの有ったのか?」
瑠「………?」
亜「その、お見合いっつーか、」
“お見合い”という言葉に少し気恥ずかしさを感じる
瑠「…ボクがハナと遊んでた頃は無かった…でも、」
瑠「……“あれ”が起きてから頻繁にしてたみたい」
亜「…そうか」
階段を登りきった
お、伊吹の言った通り庭があるな
飛び降りるか
俺と瑠加は顔を見合わせ、窓の縁を掴んだ
「何をしている」
亜 瑠「!」
げ、ハナの親父だ
何でいんだよ
「パーティーは始まったばかりだろう」
亜「えっと…瑠「外の空気吸いに来た……です」
「外の空気、か、ふんっ…ついてこい」
ハナの親父は鼻で笑うと、歩きだした
「……娘のお守りは大変だろう
世間知らずで楽観的で後先のことなんか何にも考えていやしない」
瑠「僕たちが好きでいるから……別に…」
「そうか、ほれ、入れ」
ハナの親父に促され部屋に入る
ガチャン
「………」
亜「………」
瑠「………」
部屋に入ると静寂が訪れる
両者、一向に口を開く気配がない
というか、ピクリとも動かない
え、大丈夫か?目開けて寝てんのか?
まさか……死んでる…?
あ、動いた
「………」
いや、何か言えよ
……もう行っていいか?
「……一つ聞きたいことがある」
絞り出すような声でハナの親父は言った
やっとしゃべったか
亜「…何だよ」
「この先…何があってもあの子を守ると誓えるか?」
亜「んだよそれ、当たり前だろ」
すると、一枚の写真を渡された
「其処に写っているのはあの子の母親だ」
亜 瑠「!」
其処には若い頃のハナの親父であろう男性とハナにそっくりな女性が写っていた
「あの子の母親…ワスレは聡明で優しく、美しい女性だった」
「最初は彼女の住む村に偵察に行った私の一目惚れだった」
「身分こそ違ったが、私とワスレは愛し合っていた」
ーーーーー
「スターチスさん、私は貴方をお慕いしております」
ス「ワスレ、この先何があっても貴女を守ると誓おう」
ーーーーー
ス「互いに愛し合い、共に生きて幸せになろう、そう思っていた
だが、そう現実は甘くなかった
一般庶民の出だったワスレは酷く蔑まれた」