忍び寄る影
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ー遥希sideー
亜「なぁ、ちょっといいか?」
朝の支度をしているとき、亜嵐が皆を集めた
ハナは家から連絡があったみたいでジョーイさんに呼ばれていって今はいない
遥「んー?」
伊「何だ?」
亜「ハナがいないうちに話したいんだ
……ヒヨクの土砂崩れについて」
遥「?あれって亜嵐の不注意じゃなかったの?」
あの日、一通り整理がついて帰ったときそう説明を受けた
亜「お前なぁ、んなの嘘に決まってんじゃねぇか」
蒼「それは気づきませんでした
貴方だったらやりかねませんし」
亜「あのなぁ、俺は雨降ってきたら直ぐ帰るぞ?」
瑠「亜嵐だし……雨に気づかなかったのかなって」
伊「亜嵐だしな」
遥「まあ、最終的には亜嵐だしで納得するよね」
亜「シンプルに酷くね?」
遥「はいはい、それで?」
亜「…単刀直入に言う、アサガオに嵌められた」
全員「!」
亜嵐の一言でピンと緊張が走る
伊「亜嵐、どういうことだ」
亜「12番道路で鍛練してたらあいつが来たんだよ
で、ハナを返せだとかぼやくから拒否したらどーんだよ」
いや、大雑把すぎない?
蒼「まあ、だいたい分かりましたが、何故嵌められたと?」
遥「うん、なんか偶々感半端なくない?それ」
亜「はぁ、分かってねぇな
俺が土砂崩れに巻き込まれたあと、あいつはこう言った
“ハナちゃん、一人目潰せたよ、もうちょっとだから待っててね”」
遥「何それ、気持ち悪っ」
てか、亜嵐が言うと余計気持ち悪くなるわ
伊「………」
亜「それにあいつは草タイプのポケモンを持ってる」
蒼「成る程、それなら説明がつきます」
瑠「…?」
遥「あの辺りは河口近くだから大きな岩が沢山あるはずがない
けれど、誰かが予め運び込んでおいたってゆーなら説明がつく
そんなことも分かんないの?」
瑠「……」シュン
分かりやすく落ち込む瑠加に苛立ちが募る
亜「遥希よぉ、言い方って物があるだろ
…って、そんなんはどーでもいいんだよ」
亜「問題はあいつが“一人目潰した”って言ったことだ
一人目ってこったぁ、まだ二人目も三人目もやる気ってことだろ?」
蒼「まあ、そうですね」
遥「別に俺負けないし」
亜「別にお前らがやられるとは思ってねぇよ
だけどよ、万が一があったらハナが悲しむだろ?」
遥「………」
それはそうだ
ハナは、雨が降ってきても夕食の時間になっても帰ってこなかった亜嵐を心配して傘も持たずに飛び出していった
ジョーイさんや俺達に止められても
あんな大雨で外に出たらまた倒れるのなんて目に見えていた
亜嵐を見つけたら一目散に駆け寄っていった
危なさとか何も考えずに
今回は手を切っただけですんだから良いものの、ハナが怪我をするなんてあってはならない
亜「だから、今後は必要以上に単独行動するのを避けてぇ
協力してくれるか?」
瑠「………コクン」
蒼「勿論です、ハナは笑ってるのが一番ですからね」
遥「ま、亜嵐にしてはよく考えたんじゃない?」
亜「はぁ、……伊吹?」
伊「………すまない、少し考え事をしていた」
亜「……別にお前のせいでもねぇからな、俺のせいでもお前のせいでも」
蒼「亜嵐は今回身に染みて学びましたからね」
亜「おう、この問題は誰のせいでもねぇ
俺らが倒すべきはアサガオ、及びフレア団だ、
過去をうじうじ後悔しても仕方ねぇ、今の俺らに出来んのは未来を作ることだ」
伊「……ここ2,3日ずっと考えていた
あのとき俺がすぐに解決していれば、俺がもっと早く気づいてればこんなにハナを苦しめなかっただろうって
でも、やっぱり俺が俺を責めることは何にもならないな」
亜「俺らでやるんだ」
蒼「私達は一人じゃありませんからね」
瑠「……コクン」
しばらくの間、沈黙が続く
けれど、それは心地のよい沈黙だった