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生意気な年下にうっかり惚れられまして。2年目!

「ええ。案がなければ流石に言い出したりはしませんよ」

小原は椋太の葛藤には箸にもかけず、涼しい顔で答える。
その様子に椋太の眉間がピクリ動いたが、素知らぬ顔で提案を促した。

「ええ。メディア営業チームのクライアントへアプローチをかけるというのはどうでしょう」
「メディア?!」
「まさかの、そこッスか?!」

予想外の名前に、椋太も水瀬も思わず声を上げる。

「……そういうことか」

椋太はそれだけである程度の事を察する。

「あそこは数多くの店舗顧客を持っています。普段我々とは接点はありませんし、面倒がるかもしれませんが会社が潤うのであれば協力は依頼できないことはないかと」

案の定、椋太が脳内で思い当たるところと小原の詳細に相違はなかった。
とは言え、小原が言うように、案外と社内交渉の方が骨を折ることが多いことがネックではあったが。

(悔しいが……少し、俺も考えが凝り固まってた)

無意識に無理だと思っていた案を当たり前のように容易く提案する。
勿論問題点や折衝に困難が予測はされたが、メリットも多く、やらない手はなかった。

「それであれば新規開拓と、メディアのクライアントと二手で分けてやりましょう。小原さんは言い出しっぺですから、メディアをお願いしますね」

椋太はしたたかに笑顔を浮かべる。

(絶対面倒なのはわかってるし)

社内ネゴの難しさは経験上わかっており、面倒というのもあった。
しかし小原にやる気があるのならば任せたほうがベストだろうという判断だ。

「ええ、いいですよ。幸い同期がメディアにいるので、交渉してみます」

(案外素直だな……いや、ありがたいけど)

「ではメディアへの交渉については小原さんにメインで入ってもらえればと思います」

いいですよね、と黙って聞いていた神崎に目配せすると、構わない、と同意を得られた。

「じゃあ俺と白井センパイは引き続き新規ッスかね~?」
「まあ俺はどちらも見ることになるとはおもうけどな」

流石に任せっきりにはできないので、メイン担当をそれぞれ小原、水瀬に受け持ってもらい、椋太はそれぞれをサポートすることとなった。

「じゃあ具体的な対応とかは明日までにまとめてまた時間を取ろう」
「えー!ミーティングばっか」

冗談まじりに抗議する水瀬に今は仕方ないだろ、とたしなめつつミーティングは終わった。
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