毎日会えるBLノベルができるまで。「なまほれ」編
#7 オフィスラブ、リーマンというジャンル
こんにちは、“なまほれ”こと『生意気な年下にうっかり惚れられまして。』の柚木ちとせです。
前回のメイキングでは、「<#6 表紙イラストの発注から制作まで」についてお話しました。
今回は「<strong style="color: #00ccff;">オフィスラブ、リーマンというジャンル</strong>」についてお話したいと思います。
BL作品には、王道と言われる様々なジャンルがあり、「学園」「リーマン」「ほのぼの」「幼なじみ」「芸能人」「裏社会」「幼馴染」など、シチュエーションや関係性などを表したジャンル名が多いかと思います。
「なまほれ」で扱っているジャンルとしては「オフィスラブ」「リーマン」+「年下攻め」「下克上」といったところでしょうか。
今回は、「オフィスラブ」「リーマン」と呼ばれるジャンルを書くにあたって、私が気をつけているポイントなどをご紹介できればと思います。
「オフィスラブ」「リーマン」は、文字通り、一般的なサラリーマンの社会を背景にしたジャンルになります。
今までも、リーマンものを得意としている私は、何作品かそのジャンルをモチーフとしたものを書いてきました。その中で個人的に注意している点は以下になります。
- 円滑に“ラブ”を受け取れるよう、舞台背景をわかりやすく簡潔に表す
- 仕事上ならではのぶつかり合い・葛藤を含める
- スーツやネームタグなどのリーマンならではの萌え描写を入れる
スーツやネームタグなどのリーマンならではの萌え描写を入れる
いきなり最後の項目から話しますが、リーマンものの萌えポイントといえば「スーツ」。ということで、萌えをわかりやすく表現することは大切です。
「なまほれ」では、2話目の最初にすこしスーツというか、ワイシャツに腕を通す描写を入れています。
パリッとしたワイシャツに腕を通す姿を想像すると滾るものはありませんか。
おそらくリーマン系が好きな方はぐっとくるはず。可能な限り入れていきたいと思います。
円滑に“ラブ”を受け取れるよう、舞台背景をわかりやすく簡潔に表す
多くの人が実体験として経験してきた学校と違い、サラリーマンと一言で言えど、商社なのか、メディア、保険、証券、貿易、IT、銀行、建設なのか等、様々な業種があり、それぞれ働き方が異なります。
その世界観を説明するのにある程度の説明は必須になっていて、それをいかに「簡潔に」「わかりやすく」表現するかを意識して書いています。
物語を読むにあたって、世界観がまったくわからないのも困りますし、かといってその話ばかりでは冷めてしまう。
いかに“ボーイズラブらしさ”を失わないようにバランスを取りながら説明するかがキモになってきます。
このあたりは、自分ではなかなかわかりづらいので、他の方に読んでみてもらって忌憚のない意見を聞くなどするのもよいかもしれませんね。
「なまほれ」ではIT系のBtoBのビジネスをイメージして書いています。
オフィスも少し前のIT系では全盛期だった有名オフィスビルを舞台にしていたり、わかりづらくない範囲でちょこちょこ世界を表すような言葉もいれていっています。
雰囲気を盛り上げつつも、わかりやすい説明は難しいので、私も毎回苦労をしています。
仕事上ならではのぶつかり合い・葛藤を含める
「BL」といえば「葛藤」といっていいほど、なにか問題にぶち当たるほど「恋」は盛り上がります。
ということで、「リーマン」ならではの仕事上おこりうるネタで、盛り上がるような葛藤シーンをいれるとぐっと萌えるのではないかと考えています。
クライアントから無茶言われたとか(今回ですね)、どうしても残業しなくてはいけなくなって何かうっかりハプニングが起こるなどの物理的な問題から、相手の仕事に対する考え方や、進め方、成績などの働くもの同士としての嫉妬や葛藤など。
椋太は営業畑なので、どうしてもどんな相手であっても愛想よくする癖がついていますが、逆に自由に言いたいことの言える澤村のことを羨ましく思う部分があったりします。
そこでいろいろ思いが変化していったりとかになるわけですが……
そういったラブの基になるものを「リーマン」らしさを出していくと良いのかなと思っております。
今回取り上げた3つのポイントは、必ずしもそうでなくてはいけないものではないので、リーマンものを作る時の参考程度にこういうのもありだな、と好きな部分を取り入れてもらえると良いかなと思います。
次回は「物語を振り返る・パート2」について話したいと思います。