毎日会えるBLノベルができるまで。「なまほれ」編
#3 引きとなる一話目を作る
こんにちは、“なまほれ”こと『生意気な年下にうっかり惚れられまして。』の柚木ちとせです。
前回のメイキングでは、「#2 キャラクター設定を作る」についてお話しました。
今回は「引きとなる一話目を作る」についてお話したいと思います。
割といきなりサブタイトルからネタバレをしているのですが、「一話目」というのは引きを作る上でとても重要な役割をしています。
私がBL作品を買う時、コミックスや文庫(電子書籍も含む)で販売しているものであれば、あらすじ等が大体裏表紙や帯に書かれていて、そこを見て今後も読み続けるかどうか(買うかどうか)を決めるかと思います。
みなさんもそういった方が多いのではないかと思います。
その中で、私が「BL作品」として注目している点としては、以下になります。
- どんな世界観(背景、環境)なのか
※学園モノなのか、リーマンものか、ファンタジーかなど - 受けと攻めはどういう性格なのか
※ツンデレなのか、下克上、天然攻めかなど - どういう方向性のストーリーなのか
※コメディなのか、シリアスなのか、ハピエン方向なのかなど - どんなBLらしさがあるのか
これらを総合的に見て、あ、好みそう。おもしろそう。と継続して読むかを決めます。
そのため、なまほれ一話目では、下記を入れ込むように心がけました。
- オフィスなど環境の雰囲気と、環境とキャラの関係性
- 主人公である白井椋太(受)の性格(チャラ男、でも仕事はできる)を会話から伝える
- 相手になる澤村朔(攻)の外見や空気感
- 澤村との関係性として、お互い信頼関係は築きつつも、他の人と違って素直になれない特別性(BLらしさ)
短め(といっても1500文字強)なテキストの中で、より自然にそれらが伝わるように意識しています。
※不自然だったり伝わっていなかったらすみません……
一話目を見ただけで、ああ、こういう方向性の話なのね、こううキャラのお話なのねというのは、他ジャンルの作品であればネタバレになりかねないような書き方ですが、BLとしてカップリングが必ず発生するBL作品としては大事なところではないかと考えています。
小説投稿サイト系での作品であれば、読み切りであっても、割合早めにある程度の方向性は提示してあげたほうが読者は読み進めやすいかもしれません。
そういったWeb投稿作品でも参考にしていただけますと幸いです。
次回は「連載小説としての“一話”の組み立て方」について話したいと思います。