毎日会えるBLノベルができるまで。「なまほれ」編
#1 テーマ決め
こんにちは、“なまほれ”こと『生意気な年下にうっかり惚れられまして。』の柚木ちとせです。
BL小説の連載と共に、作品のメイキングといいますか裏側的なものをお届けします。
略歴として現在までにBLカードゲームシナリオをメインで執筆しており、個人制作以外ではこうして連載小説という形ははじめてとなるため、こういうやり方もあるんだなという参考までとして読んでいただけると幸いです。
今回は「テーマ決め」について。
前提条件として、毎日読めるBL小説連載を2人のライターにて交代で書いていくという方針がありました。
私はどちらかというといわゆる「リーマン」モノや「特殊職業」モノなど、社会人以上かつリアルな背景描写が得意分野だったため、BL小説界隈ではメジャージャンルながらも王道な「学園」モノに比べるとパイが少ないということもあり、もう少し想定される読者さんが好むジャンルにしたほうが良いのかな、とまず悩みました。
(学校はすべての人が通り経験したという共鳴のしやすさ、青春のきらめきや若さゆえの葛藤などボーイズラブらしい心の揺れが表現しやすいのだと思っています)
しかし、今回一緒に執筆することとなった星野しの先生が王道の「学園」モノが得意かつ、繊細な美しい空気感をさわやかに表現される文体を書かれていたため、見事に得意分野が異なるとわかり、王道な「学園」モノは星野先生におまかせし、私は得意の「リーマン」モノで攻めることにしました。
実はテーマ決めの段階から、星野先生とは打ち合わせをさせて頂いており、お互いの過去の執筆作品を読んだ上で「じゃあ私はリーマンで、星野先生は学園で」「OKです」といった形で話をしておりました。
その中で、さらにどういうテーマで書いていくか、というところをまず落とし込みをしました。
私の方で決めていた方針として、
- ある程度は読み手が多いと想定される「王道」的なテーマにする
※ニッチなテーマだと読み手を限定していってしまうため - その上で、自分が得意な分野を活かせるものにする
- 一言でわかりやすい属性やテーマを作る
といったことを決めていました。
その上で、大まかに2つのざっくりとした2案を提案しました。
- 同期の同僚営業マン同士でケンカップル系
- 後輩エンジニアと年上営業マンの下克上系
まだアイディア段階なのでテキストエディターでざっくり思いついた言葉をメモっていきます。
この段階ではまだキャラクターにブレがありますが、思いついたことをぽんぽん書いていく形になります。
その後、星野先生とも話した中で、やはり「下克上」というテーマがわかりやすくかつ個人的にも好きだよね、と盛り上がり(笑)、「後輩エンジニアと年上営業マンの下克上リーマンモノ」と決まったのでした。
次回は「キャラクター設定を作る」について話して行きたいと思います。
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