Vol.2 吾妻香夜先生
―作品によって作風の幅が本当に広いのもBLというジャンルの魅力ですよね。1冊の中にモブBLとシリアスなBLとが共存していても、むしろ色々読めてお得!といったような。
吾妻先生:今回、「ふり幅がひどい(笑)」といった感想がとても多かったです。たしかにギャグもシリアスも描くんですが、今回の収録作品に関しては執筆当時テーマ縛り?があって、そのためもあったと思います。言い訳…。
―読者さんから感想を頂けるというのはやはりモチベーションややりがいに繋がりますか?
吾妻先生:めちゃくちゃ繋がります!どの作家さんもそうだと思います。
描くこと自体が楽しいですしお仕事なのでほっといても勝手に描きますが、やっぱりあった方が断然違うと思います。
―続いて、ストーリーやキャラクターのアイデアの源泉について教えてください。
吾妻先生:こういうの描きたいな~から肉付けしていくものや、その時のなんとなくの思いつきです。
基本ストーリーありきでキャラクターは後から出来てきます。今のところキャラが先行してストーリーが後から出来るタイプは現在「麗人uno!」(竹書房)で執筆中の『桜田先輩改造計画』(壬生さん)だけです。
―『桜田先輩改造計画』では「このキャラを描きたい!」という強い思いが先にあったのでしょうか?
吾妻先生:はじめはストーリー先行だったのですが、1話を描き終わったあとにキャラの土台が仕上がって、次からキャラを描きたいという方向にシフトした感じですね。
-物語を考えるにあたってのこだわりはありますか?
吾妻先生:起承転結のメリハリをつくることです。作品の雰囲気にもよると思うのですが、基本的に「何があってどうなってそうなったのか」というところの起伏があるように心がけています。
あと、導入の1~3ページでその後の内容が気になるようなものにしたいです。
―キャラ同士が惹かれていくという過程でも、その辺りの因果関係は気に掛けていらっしゃるのでしょうか。
吾妻先生:そうですね、「そのキャラ同士がくっつくに値する理由になっているかどうか」という部分が弱いと説得力に欠けてしまう気がするので。
軽いギャグ作品だったら、その辺はあまり気にしないですが(笑)、それでも起承転結の流れだけは守りたいです。
―BLというジャンルではその辺りをBL理論ですっ飛ばしてカップルが成立することも多いですよね。
吾妻先生:でもそこもBLの良いところだと思います!(笑) 理由なくいきなりエロに突入してたらそれはそれで感動します。運命だったのだな…と。BLはファンタジーとはよく言ったものだな~と思います…。