Vol.6 木田さっつ先生
―先生の原稿はどのようにして出来上がっていくのでしょうか。
木田先生:極々一般的だと思いますが、
ネタ出し
アナログ作業。ネタ帳やコピー用紙に思いついた事を全部書き出す(ある程度描きたい事がまとまったら起承転結を決める)。
プロット
パソコン作業。担当さんに提出するのでWordでやっています。
主要登場人物のキャラ設定と起承転結をハッキリさせます。
ネーム
クリップスタジオで作業します。プロットを元にストーリーエディタを使ってセリフを全て打ち込みつつ、どこが見せ場かを念頭に置きながらコマ割を決めていきます。
何度も消しては描き…消しては描き…試行錯誤します。
下描き
ネームをアタリにしつつ人物を描いていきます。この時点でフキダシと効果音は清書してしまいます。
この後はひたすらペン入れ→ベタ→背景→トーンをやっていきます。申し訳ないくらい普通です…!
ただ、このやり方を確立したのは『オレを守ると誓ってよ』からです。
それ以前は線画やベタまではアナログでしたし、デジタルに移行してからもプロットとネームの間にもう一段階アナログ作業で「ネームの下描き」のようなものが有りました。
(C)木田さっつ /KADOKAWAフルールコミックス
-漫画を描く上での先生なりのこだわりを教えてください。
木田先生:読みやすく、分かり易い画面作りをしたいなと思っています。
そのために気を付けていることは何ですか?
木田先生:基本かも知れませんが、コマ割とフキダシの位置には気を付けてます。
コマ割は単調にならず、かといって複雑すぎず、リズムよく読めるように大きさや配置を考えています。
フキダシの位置も自然に目で追えるように自分で読み返しながら調整しています。
あとはセリフが多くならないように絵だけで説明出来るならそうしています。
フキダシが少ない方が本を開いた時に読みやすいと思うので…。とは言え、これもまだまだ日々勉強中です。
―参考にすることの多い資料はありますか?
木田先生:人物を描く時に迷ったらArtPoseというアプリを重宝しています。
あとは自分の技術が全然追いつかないので上手く活用出来ていませんが、『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座 (漫画の教科書シリーズ) 』は迷った時に眺めます。
人物だけじゃなく画面作りの方法まで載っていて面白いです。
―今後挑戦してみたいBLはありますか?
木田先生:バリエーションを増やす為に「一旦体格差から離れてみようか!」という気持ちは有ります…気持ちは…(笑)
あと私の話は上記の通り転と結のメリハリを付けようとする為にドッタンバッタン大騒ぎ!って感じになるので、もっと生活感を見せつつじんわりゆったり二人の仲を深めていくようなしっとりとした話も描けるようになれたらなぁと思っています。
挑戦というか願望になってしまいました(笑)
―最後に、読者の方やBL創作者さんへのメッセージをお願いします。
木田先生:読者の皆さん、いつも応援、ありがとうございます!
作品を描き終わるたびに(いくら全力を出しても)ちゃんと読んで貰えるのか、楽しんでもらえるのか不安になります。そんな時支えて下さるのが読者さんの存在です。
マンガを描くのは楽しいですが、それを更に楽しくして下さるのも読者さんがいて下さるからこそです。
創作は、やっぱり楽しんで描く(書く)のが大切だなと思っています!私も、楽しみながら長く続けていきたいです!
―木田さっつ先生、インタビューありがとうございました!
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