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Vol.6 木田さっつ先生

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―続いて、ストーリーやキャラクターのアイデアの源泉について教えてください。

木田先生:実生活で印象に残った物事や単語、フレーズから話を発展させることが多いです。

例えば新刊の『オレを守ると誓ってよ』は、ツイッターで「モーゼの十戒」モチーフのポーチを見かけたことがきっかけです。

それが可愛い上にチャックを開けると海が割れるように見える仕様になっていて、そのアイデアがとても面白くて強く印象に残ったんです。

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フェリシモの「モーゼの奇跡」ポーチ


木田先生:そこからモーゼが海を割ったように人垣を割る男の姿がパッと浮かんで、「何で人垣が割れたのか?何で人垣が出来ていたのか?」と考えていき、「人垣を割る程のただならぬ雰囲気の男(ホームレス元ヤクザ)」と「人垣が出来る程人気のトップアイドル」というキャラが生まれました。

そしてこの2人に何をさせようかと考えた時に、「人垣を割って人払い能力実証済みの男をボディガードとして雇う話にしよう!」となりました。

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(C)木田さっつ /KADOKAWAフルールコミックス


―そんな裏話があったんですね!

木田先生:実はこの話、誰かにお話するの多分初めてで…(笑)
今思うと自分でも、「何でそこから!?」って思うんですけど、とにかくそのポーチのアイデアが私に刺さって、印象に残ってたんだと思います(笑)

―普段の生活の中でも、作品づくりを意識してアンテナを張ってらっしゃるのですか?

木田先生:アンテナは張っているつもりです。何かネタになるものは無いかなと…(笑)
例えば、素敵な響きの単語が有ったら調べて、何かに使えないかメモしてストックしておきます。

-物語を考えるにあたってのこだわりはありますか?

木田先生:起承転結の「転」と「結」を特にハッキリさせるよう心掛けています。

―作品のメリハリを意識するというような。

木田先生:そうですね。例えば「転」でガッと落として「結」で思いっきり持ち上げてハッピーにすると、その起伏の分カタルシスが得られると個人的に思っているので…。

あと結をハッキリさせるのは「この話何を伝えたかったのかな」を明確にしたいからです。まだまだ未熟で修行中ですが…!

―「BL」というジャンルだからこそ気を付けていることは何かありますか?

木田先生:ちゃんと男同士として描く事です。どんなに可愛い容姿だったとしても発言や行動で男を感じられる様にしたいと思っています。

-そのための先生なりのポイントなどはありますか?

木田先生:私は小さくてかわいい受けが好きなのですが(体格差が大好物なので…)、「じゃあ女の子でも良いのでは?」と言われたら、やっぱり違うなと…。

これは自分でもなかなか上手く明文化できないのですが、可愛くても男性で、考え方も行動も女の子とは違う。それが表現できたらいいなと思ってます。

この辺りは「男らしさ、女らしさって何だ?」と言うジェンダー論にも関わってくるので、なかなかはっきりと言葉にするのは難しいところですね。
リアル寄りのBLを描きたいなぁとは思うのですが…!
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