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Vol.5 三七十先生

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三七十先生インタビュー


―商業BL作家としてデビューするまでの経緯やきっかけを教えてください。

三七十先生:元々趣味で長く漫画やBLは描いていたのですが、プロを目指す覚悟も自信もありませんでした。

そんな中でBL以外のイラストなどのお仕事をぽつぽつといただけるようになり、やっぱりBL漫画のお仕事もしたいと改めて強く思ってBL作家募集をされていた電子レーベルさんにご連絡を差し上げ、有難いことにデビューという流れになりました。

―BL作家になって良かったと感じることは何ですか?

三七十先生:大好きな漫画、その中でも特に好きなBLがお仕事だという毎日そのものがハッピーです。

―反対に、商業BL作家として活動する上で難しいなと感じることはありますか?

三七十先生:常に「売り上げ」という現実がついて回ることです…(笑)

―最近では少しずつその傾向も変わってきていますが、「電子書籍BL=エロ重視」という風潮はやはり根強いですよね。そうした中で『ラピスラズリの約束』のようなストーリー重視の作品を電子で発表するというのはある意味では挑戦だったのではないかと思います。

三七十先生:ラピスは私の中で長く「これが描きたい!」と温め続けていた企画でした。

そして『結魂戦隊ソウルスターズ』(BLfranc)の執筆が終わった後に、担当さんとの打ち合わせで次作をどんな作品にするかという話になった際に話題に挙がったのが『ラピスラズリの約束』の原型となる企画です。担当さんにとっても挑戦だったと思います。

でもどこかで、私にも恐らく担当さんにも「この作品はきっと刺さる人には刺さる」という確信があったのだと思います。そうでなかったらGOサインは出なかったはずですので。
なので、ストーリー重視の作風に挑戦したというよりは、ただただ描きたいものを描かせていただけた、という感じです。

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(c)ジーウォーク


―先ほど売り上げのお話しがありましたが、商業作品となると「売れるもの」と「描きたいもの」の乖離に葛藤される作家さんも少なくないというイメージもあったりしますよね。

三七十先生:デビューしたて(まだまだ未熟者ではありますが)の頃はその傾向をすごく意識して描いていたこともありますし、ネタ出しやプロットでボツになることも多くありました。

ですが、とても信頼出来る担当さんとのご縁があってからは「売れる・売れないは担当さんが判断してくれるだろう」と好きなネタを「こんなんどうですか」と持っていっています。
OKをいただけたら、あとは読者さんがどうやったら萌えてくれるかな、ワクワクしてくれるかな、ということを考えて描いています。

創り手が心から楽しんで創ったものに数字がついてくる、というのを信じたいというのもあります。

―ご自身の作品で読者さんに注目してもらいたいポイントはどんなところですか?

三七十先生:今まで描かせていただいたBLは現在連載中のものも含めて8作なのですが、初の長編となった『ラピスラズリの約束』からキャラに対しての向き合い方が大きく変わりました。

「キャラが動く」ということをより鮮明に実感した作品なので、彼らがどう作品の中で生きているかにご注目いただけたら嬉しいです。

とはいえ、読者さんそれぞれの視点で楽しんでいただけるのが一番です!
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