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Vol.3 むろ文子先生

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―続いて、ストーリーやキャラクターはどのように作っていくのかお伺いできますか?

むろ文子先生:「今まで自分が描いていない」というのは設定を作る上では基盤にしています。
でも年下攻めと学生は好きなので何作も描いてしまいがちですね…。幅を広げていきたいです!
去年はじめてテーマアンソロで執筆させていただいたんですが、思いの外描きやすくて、少し自分としてもテーマを絞って描いてみようと思ったりもしました。

―お話を作る上で気に掛けていることは何かありますか?

むろ文子先生:最近は「なにを求められているか」を絶対に担当さんに聞くようにしています。プロットが通りやすい設定や、今の流行りも含めて…。なので、「なんでもいい」と言われるとめっちゃくちゃ困ってしまうタイプです…(汗)

流行のテーマに合わせて「自分だったらどうするか」とアイデアを入れ込んでいく方法は創作しやすいのでよくやっています。あまり難しく考えずテキストを打ち始めることも多いのですが、考えなさすぎて結局流行りモノから入ったのにその流行りモノ要素が皆無になる…ということも結構あります。

―物語を考えるにあたってのこだわりを教えてください。

むろ文子先生:作品を描く上では、キャラクターの心情を忘れないように意識しています。例えば、『小説家先生の長かった恋』では、結果的にHシーンを描くことはしませんでした。

読者さんはきっとそうしたシーンも含めてBLを読んでいる方が大半なのは百も承知だったんですが、どうしてもカップルの2人の場合は段階を描かず済ませてしまうのは違う気がして…。
ずっと読み切りエロあり漫画を書いていたのでかなり悩みましたが、承諾してくれた担当さんには感謝しています。

―最近は恋愛要素以外の部分に焦点を当てたエロなしのBL作品も増えてきていますよね。

むろ文子先生:やっぱり増えてきましたよね…!色々選択肢が増えたのは本当にうれしいです。
ただ、そうした作品の場合は作家性やストーリー性が第一になるので、読者さんはエロメインの作品以上に吟味して選んでいらっしゃると思います。

私はまだ駆け出しの描き手で小心者なこともあり、「初コミックスでエロなしは作品のマイナス要素になってしまうのでは」とすごく勇気が要りました。

―そうした背景も含めた上で、作品づくりの中でBLというジャンルだからこそ気を付けていることはありますか?

むろ文子先生:「好き」と「尊敬」を忘れないことです。ストーリーやキャラクターを作る上で、カップルの2人にお互いにその気持ちがないと、私にはBLのラブな部分が描けなくなってしまう気がして…。
また、漫画家としても、私がBLを描くことが好きだということ、私以上にBLを愛しているであろうBL読者の方々への尊敬の気持ちを忘れずに漫画を描くようにしています。

キャラクターの感情の部分にも「好き」と「尊敬」という二つの要素があって、自分自身についてもBLへの好きという気持ちと読者さんへの尊敬とがあって…という感じですね。

―BLにおけるフェチは何ですか?

むろ文子先生:屈辱感と興奮のせめぎあいがあるBLが大好きですね…!

―そうした要素の入った作品を描くなら、どんなカップリングやシチュエーションで描きたいですか?

むろ文子先生:そう考えるとどうしても年下攻めが大大大好きなんですよね…!
「上司と部下」というシチュエーションはよく見かけるのですが、実はまだ描いたことないんですよね。それに、いつはかなり年齢の離れた男性同士のお話も描いてみたいです。

―最近ますますBLジャンルは広がりをみせていて、おじさん(おじいさん)受けなども増えてきましたよね。

むろ文子先生:これは本当にうれしいです!子持ちのおじさん同士も好きですし、もう引退した気でいるような枯れぎみな感じの紳士とか、たまらんです。

―親子ほど年の離れている攻めにいいようにされてしまうおじさまとかもいいですよね…!

むろ文子先生:いいですね…。ぜひ攻めのことを小さい頃から見ていて第二の父親を気取っていたところを大きくなった攻めにいきなり組み敷かれてほしいです。

―多様化するBLというジャンルの中で、今後先生が挑戦してみたい設定などはありますか?

むろ文子先生:挑戦、となると実はオメガバースのような特殊設定のものですね。いつかは描いてみたい、というか自信を持って描けるようになりたいです。

―特殊設定というと、少々ファンタジー要素が入っているようなものだったり。

むろ文子先生:なんだかんだ地に足がついている話を作りがちなので、ファンタジー要素が強いものは憧れます。「 ありえない!けど面白い!」という言葉が漫画家としての憧れですね。

―そうした特殊設定BLも、今後もっと増えていくといいですよね。

むろ文子先生:少し前からオメガバースはかなり商業的に目立ってきていますが、それ以外のものもどんどん出てきれくれたら読者としても嬉しいです!

―最後に、読者の方やBL創作者さんへのメッセージをお願いできますか?

むろ文子先生:とにかく置いてきぼりにされないようがんばるので、みなさん温かく見守っていてほしいです…!少しでも気になった方はぜひコミックスを読んでみてください…!
創作者さんには、私なんかが言うことないとは思うのですがみなさん楽しんで描いていきましょう…!!

―むろ文子先生、ありがとうございました!
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