Vol.10 ためこう先生
―漫画原稿を描く上で、先生が気を付けていることは?
ためこう先生:できるだけ丁寧に描く事と、前の原稿の悪かったところを改善しようとしている事です。
(C)ためこう/祥伝社 on BLUE comics
―原稿作成の過程の中で先生が最もこだわっている工程と、その理由を教えてください。
ためこう先生:前まではずっと線を綺麗に描くことにこだわっていましたが、最近はネームやコマ割などの演出の方に力を入れています。
漫画はエンターテイメントにしなくてはいけないなと思い始めたからです。
(C)ためこう/祥伝社 on BLUE comics
―今回は新刊『カッコウの夢』のプロットをご用意頂きましたが、こちらのストーリーについてお伺いできますか?
ためこう先生:ずっと大好きで大切にしていた人と、その人の変わりに抱いていたセフレの身体が入れ替わってしまって苦悩する主人公のお話です。
簡単に言うと入れ替わり物なのですが、入れ替わった当事者ではなく第三者視点でお話は進んでいきます。
(C)ためこう
―入れ替わりもので主人公が入れ替わる訳ではないって、なかなかない設定ですよね。
ためこう先生:このお話は担当編集さんと、次のお話どうしましょうか……と二人で雑談しながら考えたお話です。
入れ替わり物は前から好きな設定だったので、またベタな設定の物を描き始めてしまった……と思っていたのですが、後日編集さんに「第三者視点の入れ替わり物は珍しい」と指摘されて始めて気がつきました。道理でですごく描きづらいなと……。
―そこは特に意図的なものではなかったのですね(笑)。
ためこう先生:全然!(笑) 単純に本命とセフレが入れ替わったら嫌だな……という流れで考えだした記憶があります。
―今作を執筆するにあたり、先生が特に力を入れた部分について教えてください。
ためこう先生:主人公の心情の変化に注意しながら描きました。突飛な設定だったので、心情はせめて普通の流れにしたかったんです。
あとは、主人公の性格が割と強引な感じなので、せめて顔だけはかっこよくしようと頑張ったのですが、ネームに悩む時間がとても長く、作画にあまり時間を割けなくて伝わったかどうか……。(言い訳ですみません)
(C)ためこう/祥伝社 on BLUE comics
―今作で先生が読者さんに注目してもらいたいのはどんなところですか?
ためこう先生:主人公が身体が入れ替わってしまった本命に、暗い道路で自分の気持ちを告白するシーンです。顔が見えない状況でいろいろ語るんですけど、途中に車のヘッドライトで相手の顔が見えて……。ぜひ映像として読んでいただきたいシーンです。
あとエッチ関係でいうと、セックスに慣れたセフレの身体は首筋に触れられただけで感じる……というシーンでしょうか。入れ替わり前と後との主人公のセックスの違いも見ていただけると嬉しいです。
設定が設定だけにややこしい説明になってしましましたが、主人公と同じ視点で読み進めていただけたらなと思います。どうぞよろしくお願い致します!
―最後に、読者の方や創作者の方へのメッセージをお願いします。
ためこう先生:はじめまして。ためこうです。
この漫画は作者さんがとても楽しんで描かれているのだなーと思う漫画に出会うと、読んでいて幸せな気持ちになります。その幸せな気持ちを自分も誰かに与えられるような創作者になりたいです。
このインタビューで読者の皆様や創作活動をされている方に少しでも楽しんでいただけたら、それもまたとても幸せです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
―ためこう先生、インタビューありがとうございました!