Vol.5 ビリー・バリバリー先生
ビリー・バリバリー先生インタビュー
―お話をつくるにあたり、ストーリーの設定などはどのように思い浮かぶことが多いでしょうか?
ビリー先生:お話それぞれでやり方が全く異なっています。日常的な出来事がネタに繋がったり、ある日浮かんだ疑問を掘り下げたり、モデルがいたりします。
『真夜中のオルフェ』なんかは少し特徴的で、私自身が執筆前から悪夢による不眠に悩まされたことから産まれました。
『朝とミーチャ』は投稿デビュー作品なのですが、当時のバイト先のお客さんが朝彦のモデルになっています。
―それでは、キャラクターが肉付けされていく過程も、作品それぞれで異なっていたりするのでしょうか。
ビリー先生:そうですね。「この人の隣にはこの人がいるだろう」という連鎖で登場人物が増えていきます。今のところはなるべくハッピーなコメディーを描こうとしているので、「この人の隣にはこの人がいれば幸せになるだろう」というベストカップルの制作を目指すことが多いです。
キャラの掘り下げた設定に関しては、その人物になりきる位に共感性を高めるところから始まります。自分と違う哲学で生きるキャラクター達ばかりなので、「彼ならばどうするか」「ならば何故そうした」…という具合に共感と理解を示しつつ肉付けていきます。
―そうしてキャラを掘り下げていく中で、BLというジャンルだからこそこだわっている部分などはありますか?
ビリー先生:今のところはジャンル問わずにラブコメとして描いています。性別関係なく相関図の入り乱れる漫画作品が幼い頃から身近にあったので、自分の中で特別感はあまり強くありません。今でもその漫画がバイブルです。
―ちなみに、その漫画とは…?
ビリー先生:CLAMP先生著作の『カードキャプターさくら』です。今でもずっと、とっても大切な漫画です!
物心が付く頃にこの漫画で情操教育を受けられたことを幸せに思います。
―では、作品をつくる際は「BLだから」と意識するというよりも、人間同士の関わりの物語を描くという感覚の方が強いというところでしょうか。
ビリー先生:様々な人間がいて、様々な尊厳ある人生のその一部を切り取ったようなものを作ってお見せ出来たら最高だなとは思います。実際お仕事をさせていただくとセオリーなどもあって、勉強させていただくこともありなかなか難しいのですが、出来るだけ、なるべく…と編集さんに相談して進めていきます。
―続いて、作画環境について教えて頂けますか?
ビリー先生:お見せ出来るもがこれだけで申し訳ないのですが、これだけで描いています。ペンとインクとホワイトはどこででも手に入ってどこででも買い足せるようなものばかりです。
トレース台はつい最近トレビュアーのA3サイズのものに買い替えました。傾きが足りないので下にはIKEAのラップトップサポートを置いています。
ラフやネタを描くノートは何故かずっと無印のダブリングノート・無地A5使っています。薄いと長く使えないのでいつもこれに落ち着いています。