生意気な年下にうっかり惚れられまして。2年目!
「同性愛、苦手ですか?まあ異性愛が“普通”という感じかもしれませんが」
ごく真面目にこちらを見ながら問う。その様子は酔っているようには見えない。かといって責め立てるような口調ではなく、淡々と疑問を口にしているという雰囲気だった。
「いえ、いや。前は偏見があったかもしれません」
「何かをきっかけに変わった?」
小原は優しく問いかける。
「うーん……そう、ですね。身近な人が同性愛者だったので」
澤村に告白されたとき、色々悩んで考えて。そのことをふと思い出して懐かしい気持ちになる。
(もうあれから、半年は経つのか――)
「あ、澤村さんですか?」
「は?!」
唐突に口に出されて椋太は驚く。
「澤村さんとお付き合いされているでしょう?」
「な、なんで……」
動揺を隠せず、言葉に詰まる。
(会社でバレるようなことは……澤村も大して喋る方ではないし、オレ、なんか顔に出てたか……?)
「あっ」
「大丈夫ですか?」
焦りからかさらに手に持ったグラスを取りこぼしそうになるが、小原に支えるようにグラスごと手を握られ、身体が大きく跳ねる。
「すみません、驚かせて。私は白井さんを好ましいとおもっているので、観察していてなんとなくわかったんですよ」
安心させるように安全かどうか確認した上で手をそっと離す。
「私が白井さんと話していると、ちらっと私の方を見るんですよ。たぶん気にされているのかと」
「す、すみません、澤村が……」
「ふふ、そういう言い方は妬けますね。身内のようだ」
優しくも意地悪な言い方に妙に罪悪感を覚える。
「それで、白井さんが澤村さんを見る目が優しいんですよ。たぶん、私がゲイなのと、白井さんに恋しているからこそ気づくんだと思います」
「そう、ですか……その、俺は……」
「困らせてすみません。何か求めているわけではなく、嫌われていないと気づいたので嬉しくてつい言ってしまって」
眉をやや淋しげに顰めながら、目を伏せる。
「お二人が付き合っている間に入ろうとはおもっていませんよ、ただ好きでいてもいいですか?」
「……俺は答えられませんよ?」
「それでもいいです。はっきり言ってくれる白井さんが好きです」
(好きって言われるのも、どうしたら良いかこまるんだけど)
好意に対して、自分含めそこまで真剣に向き合っていなかった前であれば、ありがとうと軽く言えた。
澤村とのことで本当に好きな気持というのに向き合い、適当なことはできないと今は知っているからこそ、小原の言葉を適当に流すことはできなかった。
ごく真面目にこちらを見ながら問う。その様子は酔っているようには見えない。かといって責め立てるような口調ではなく、淡々と疑問を口にしているという雰囲気だった。
「いえ、いや。前は偏見があったかもしれません」
「何かをきっかけに変わった?」
小原は優しく問いかける。
「うーん……そう、ですね。身近な人が同性愛者だったので」
澤村に告白されたとき、色々悩んで考えて。そのことをふと思い出して懐かしい気持ちになる。
(もうあれから、半年は経つのか――)
「あ、澤村さんですか?」
「は?!」
唐突に口に出されて椋太は驚く。
「澤村さんとお付き合いされているでしょう?」
「な、なんで……」
動揺を隠せず、言葉に詰まる。
(会社でバレるようなことは……澤村も大して喋る方ではないし、オレ、なんか顔に出てたか……?)
「あっ」
「大丈夫ですか?」
焦りからかさらに手に持ったグラスを取りこぼしそうになるが、小原に支えるようにグラスごと手を握られ、身体が大きく跳ねる。
「すみません、驚かせて。私は白井さんを好ましいとおもっているので、観察していてなんとなくわかったんですよ」
安心させるように安全かどうか確認した上で手をそっと離す。
「私が白井さんと話していると、ちらっと私の方を見るんですよ。たぶん気にされているのかと」
「す、すみません、澤村が……」
「ふふ、そういう言い方は妬けますね。身内のようだ」
優しくも意地悪な言い方に妙に罪悪感を覚える。
「それで、白井さんが澤村さんを見る目が優しいんですよ。たぶん、私がゲイなのと、白井さんに恋しているからこそ気づくんだと思います」
「そう、ですか……その、俺は……」
「困らせてすみません。何か求めているわけではなく、嫌われていないと気づいたので嬉しくてつい言ってしまって」
眉をやや淋しげに顰めながら、目を伏せる。
「お二人が付き合っている間に入ろうとはおもっていませんよ、ただ好きでいてもいいですか?」
「……俺は答えられませんよ?」
「それでもいいです。はっきり言ってくれる白井さんが好きです」
(好きって言われるのも、どうしたら良いかこまるんだけど)
好意に対して、自分含めそこまで真剣に向き合っていなかった前であれば、ありがとうと軽く言えた。
澤村とのことで本当に好きな気持というのに向き合い、適当なことはできないと今は知っているからこそ、小原の言葉を適当に流すことはできなかった。