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生意気な年下にうっかり惚れられまして。2年目!

「重箱の隅をつつくようなことばっか言われるんだぜ?むしろ嫌味なのか面白がってるかだろう」
「気に入ってるから面白がってつつくんだろ」

淡々と返され、理解できず椋太は眉を顰める。

「面白がられても、苛つくだけなんだが」
「好きな子ほど虐めたくなるもんだろ」

その感覚があまりない椋太にとっては腑に落ちない。

「じゃあ澤村もそうだったのか?」
「虐めるようなことはしていないと思うが?」

それこそ揶揄するように返すが、澤村に即答される。

(あーそうだった。コイツは別に虐めるとかそんな面倒くさそうなこと考えないんだった……アレコレ楯突いたのはたんなるマジレスだったか……)

澤村の過去の発言を思い返しながら大げさに項垂れる。
その様子を見て、澤村は首をかしげた。

「まあ小原さんがどうこうしようが、白井さんは渡さないけど」
「なっ……」

あまり露骨な独占欲を出さない澤村に驚き、思わず顔を見つめると、澤村の口元は笑っているが、目は座っている。

(犬……というより……番犬かな……)

「まあ……コイとかアイとかではないだろうから、あんま気にするなよ」
「……」

今度は一転して少ししょんぼりしているように見え、椋太は澤村の頭をガシガシと撫でた。
少し嬉しそうに目をつぶる澤村に可愛いと椋太は思う。

「澤村は俺にだけ懐く犬だな~……」
「犬ではないが」

澤村の指摘に、思わず口に出してしまってしまったことに気づく。

「悪い悪い。いやーかわいいなって」
「かわいいのは白井さんのほうだろ」

そう言われた瞬間、気がつくと身体は反転し白井に押し倒されていた。

「いてぇっ」
「犬というのなら餌をくれ」

そう言うと、澤村は椋太の唇にちゅ、と小さく押し当てたあと、下唇を吸いあげる。

「あ……」

セクシャルな予感に思わず声が漏れる。
椋太を見つめる目は熱い。

「わん」
「……するのか?」
「だめか?」
「ううん……」

その声は熱い唇に吸い込まれていった。
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