生意気な年下にうっかり惚れられまして。
「ずっと聞きたかったんだけど、澤村はなんで俺のこと好きになったの」
「……単刀直入だな」
椋太の率直な物言いに澤村は目を開き瞬かせる。
「うん。澤村ってあんま喋ンないし、正直良くわからなくて。俺としてもなんでなのかわからないとあんま納得できないっつーか」
「まあ、あんたは破天荒に見えて、きちんと裏取りして備えるタイプだよな」
「あー……まあな……ってか、読まれてるの恥ずかしいし」
どちらかというと破天荒な行動を取ると思われることが多いのは自他共に認めている。
「白井さんがそういう性格なのを知ってるのにも通じてるんだが」
「ふん?」
澤村はあー……、と言葉を濁すように頭を掻いた。
「それこそ俺が恥ずかしいんだが」
そう前置いた上で話し始めた。
「社内企画コンペのなんだが」
「あ、お前に嫌味言われたやつ……」
「それは忘れてくれ、言い方が……まずった」
少しだけ申し訳なさそうな顔でしょぼくれる。そうしているとやっぱり犬っぽいな、と椋太は思った。
「あれで白井さんのことを知ったんだよ。それで……前にはああいう言い方してしまったが、俺はあの企画に感銘を受けて……」
「え」
「工数的には即プロジェクトが立つようなのではなが、アイディアと着眼点が俺には到底思いつかないもので、正直びっくりしたんだ。そういう視点もあるんだなって」
やや恥ずかしそうに話し始めたものの、そのうち目が真剣さを帯びていく。
「個人的にもぜひ欲しいサービスだなと。上から金をどう引き出すかとかの問題と、システム面をどうするか以外はかなり実現可能性の高い計画だったしな」
(そこまで評価してくれてんのか……)
自分でもかなり力を入れた企画書だった。優秀賞として選ばれたことは嬉しかったが、最優秀賞が取れなかったことがどこか心に引っかかっていただけに、とても嬉しかった。
だからこそ、前に澤村から指摘されたときには苛立ちを隠せなかったのだった。
「そこまで見ていてくれて……正直、嬉しいよ。俺としても……自分が欲しいサービスだったし、最優秀賞とって実際のプロジェクトにしたかったし」
「俺も、その場合は手伝わせてくれと言いたかった。俺ならそのシステムを実現できる」
澤村の自信有りげな不遜な態度に、思わず微笑みが溢れる。
「ありがと」
「こっちは本気だからな」
「うん」
心が暖かくなる。
「まあそれ以来、俺は白井さんのことを注目しはじめたんだ」
「ストーカーじゃん」
「……違う」
ふふ、と笑う。案外見ている人っているもんだなと椋太はおぼろげな誇りを感じた。
「……単刀直入だな」
椋太の率直な物言いに澤村は目を開き瞬かせる。
「うん。澤村ってあんま喋ンないし、正直良くわからなくて。俺としてもなんでなのかわからないとあんま納得できないっつーか」
「まあ、あんたは破天荒に見えて、きちんと裏取りして備えるタイプだよな」
「あー……まあな……ってか、読まれてるの恥ずかしいし」
どちらかというと破天荒な行動を取ると思われることが多いのは自他共に認めている。
「白井さんがそういう性格なのを知ってるのにも通じてるんだが」
「ふん?」
澤村はあー……、と言葉を濁すように頭を掻いた。
「それこそ俺が恥ずかしいんだが」
そう前置いた上で話し始めた。
「社内企画コンペのなんだが」
「あ、お前に嫌味言われたやつ……」
「それは忘れてくれ、言い方が……まずった」
少しだけ申し訳なさそうな顔でしょぼくれる。そうしているとやっぱり犬っぽいな、と椋太は思った。
「あれで白井さんのことを知ったんだよ。それで……前にはああいう言い方してしまったが、俺はあの企画に感銘を受けて……」
「え」
「工数的には即プロジェクトが立つようなのではなが、アイディアと着眼点が俺には到底思いつかないもので、正直びっくりしたんだ。そういう視点もあるんだなって」
やや恥ずかしそうに話し始めたものの、そのうち目が真剣さを帯びていく。
「個人的にもぜひ欲しいサービスだなと。上から金をどう引き出すかとかの問題と、システム面をどうするか以外はかなり実現可能性の高い計画だったしな」
(そこまで評価してくれてんのか……)
自分でもかなり力を入れた企画書だった。優秀賞として選ばれたことは嬉しかったが、最優秀賞が取れなかったことがどこか心に引っかかっていただけに、とても嬉しかった。
だからこそ、前に澤村から指摘されたときには苛立ちを隠せなかったのだった。
「そこまで見ていてくれて……正直、嬉しいよ。俺としても……自分が欲しいサービスだったし、最優秀賞とって実際のプロジェクトにしたかったし」
「俺も、その場合は手伝わせてくれと言いたかった。俺ならそのシステムを実現できる」
澤村の自信有りげな不遜な態度に、思わず微笑みが溢れる。
「ありがと」
「こっちは本気だからな」
「うん」
心が暖かくなる。
「まあそれ以来、俺は白井さんのことを注目しはじめたんだ」
「ストーカーじゃん」
「……違う」
ふふ、と笑う。案外見ている人っているもんだなと椋太はおぼろげな誇りを感じた。