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生意気な年下にうっかり惚れられまして。

おとなしく部屋を出て行く澤村。
いつもと違って若干しおらしい態度に少し気分がスッキリする。

「水と薬。これでよかったか?」
「うん、おっけー。さんきゅ」

鎮痛剤を2錠取り出すと水で一気に飲み干した。

「俺も水くれ」
「なんだよ、2個グラスもってくればよかったのに。おいてあっただろ?」
「……それがいい」
「っ……」

一つのグラスから飲むのがいい、と暗に匂わされて顔が熱くなる。

(あー、俺女の子かよ……そういうの意図的にやってたのに……恥ずかしい)

澤村とあれこれしてから恥ずかしい事だらけだと椋太は苦笑した。

「マジ身動き取れないんだけど」
「……ごめん」
「急にしおらしくなるなよ」

まるで飼い犬が主人に怒られて耳と尻尾をたれるような雰囲気に笑ってしまう。

「お腹すいたからさー、キッチンに置いてあるパンも持ってきて」
「ああ」
「冷蔵庫の牛乳もね、朝ごはんしよう。あと聞きたいことあるからさ、どうせ身体うごかないしお昼までだらだらするかって」

なんか今日このあと用事ある?問うと、澤村は無言で首を横にふったので満足する。

(せっかくしおらしいうちに、色々聞いておくか)

澤村は空になったコップを持ち、再びキッチンへと戻っていった。

(あーーーまじであちこち痛え。女の子って大変なんだな……。にしても好き勝手やりやがって)

明るい窓を見ながらぼんやりと悪態をつく。
しかしそれと同時に昨晩の痴態を思い出して勢い良く枕に顔を伏せる。

(クソッ、マジ恥ずかしい……)

デスクワークのわりに嫌味ではない程度にきれいな筋肉質の裸を思い出す。
そこそこ地黒の艷やかな肌に浮かぶ汗は嫌ではなく、正直そそられたのだった。

(ってやめやめ)

振り切るように顔をブンブンと振っていると、どうした?と声をかけながら澤村が戻ってきた。
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