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生意気な年下にうっかり惚れられまして。

今澤村のことで知ってることといえば、毎週システムメンバーで食べるとんかつを楽しみにしていること、お酒を飲んだ時はそんなに顔色が変わらないが積極的にお酒を飲む方ではなさそうというくらいだ。
酒に関してはそれこそさっき知ったレベルで――

(あ。俺が楽しみにしていたサンドウィッチ食べられたな。たまご)

仕事以外は食べることくらいしか触れ合う機会もなかったのだと分かる。

(それなのに……なーんで好きになっちゃったのかなあ)

ビールを飲みながら生ハムをつまんでいる澤村の横顔を見る。
こうしてソファで隣同士で座る事も不思議な感じがしていた。

「澤村ってさあ、普段飲んだりするの」
「家ではあまり。白井さんは家飲みなれてそうだ」
「まーな、ちょっとくらいお酒飲んだほうがすぐ眠れるしな」

ソファでだらけながらちょっと美味しいものを摘んでテレビを見たり、なんとなく趣味のアクアリウムを眺めたりするのが好きだ。
社交的なわりにはインドアな趣味も多い椋太は、外に出る予定がなければ家でゴロゴロしていることが多い。
そんな話を澤村にとりとめもなく話す。

澤村はたまに小さく笑ったり、頷いたりと表現は小さいものの、なんとなく楽しそうな雰囲気を醸し出している。

「だいじょぶ?俺の話つまんなくない?」

こうしてとりとめもなく話すことは椋太にとっても珍しく、それだけ澤村にはなんでもないことでも話したいと思えるんだなとふわりと思う。

「いや、白井さんの事もっと知りたいから」
「あーそ、お前言葉少ないけどストレートだな」

ふふ、と笑う。

「好きな人のことはなんでも知りたいですよ」
「あー認めたな」
「別に認めてないわけじゃない」
「告っときながらつれないくせに」

(からみ酒かよ、俺)

ふわふわと軽くなった頭で自己ツッコミを入れる。
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