▶︎ 森田 田村
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保乃ちゃんを初めて見た時、
私がこの世界に生まれてきた意味が分かった。
田村「ん、おはよ、ひぃちゃん、」
「おはよう、保乃ちゃん。」
田村「ひぃちゃんが先に起きてるの珍しいな?」
「たまには保乃ちゃんの寝顔みたいなって思って。」
田村「ふふ、恥ずかしいやん、やめてや。」
寝起きの、何も施されていない、素の保乃ちゃん。真っ白で、儚くて、けど笑顔はいつも通り可愛くて、あぁ、この人と付き合えてる私は本当に世界で1番の幸せものなんやろうな。
「今日は何しよっか」
田村「ん〜、映画見いひん?」
「良かよ、なんの映画?」
田村「なんやっけな〜、海外のやつ!」
「ふふ、覚えとらんの?笑」
田村「寝起きやから思い出せへんねん、」
「老化が始まる合図だったりして、」
田村「あーー、そんなこと言ってーー、怒んでー?」
「ふふ、嘘やけ、怒らんで。」
このなんでもない時間がどうしようもないくらい大切で、幸せで、優しさで溢れていた。
田村「ほんなら、今日の朝ごはん担当はひぃちゃんな?」
「仕方ないな〜、いつものでよか?」
田村「ん、ひぃちゃんが作る朝ごはん好き。」
「朝ごはんだけ?」
田村「んーん、ひぃの全部が好き。」
「ふふ、私も。」
甘い、胸焼けするくらいに甘ったるい。
なのにこの時間が続いて欲しいと心の底から願ってしまう。
田村「なぁ、ひぃちゃん。」
「ん?」
田村「もし保乃がひぃちゃんの前から居なくなっても、ちゃんと見つけてくれる?」
「…、見付けるよ。保乃ちゃんがどこに居ようと、必ず保乃ちゃんを迎えに行く。」
田村「約束、な。」
「うん、約束。」
時々保乃ちゃんはこんなことを言う。
実際に居なくなったことはないけれど、この言葉はいつか本当になる、そんな気がしていた。
保乃ちゃんが居なくなってしまったら、私は本当に見つけることが出来るのだろうか。何処にいて、何をしてるか、なんて分からないのに。
「居なくならんでね。」
田村「離さんといてな。」
「離すわけなか。」
だからこうしていつも同じように、いつ解けてしまうかも分からない魔法を保乃ちゃんにかけて、ちょっとの不安と共にベッドを降りる。
「ご飯出来たら呼ぶけ、ゆっくりしとって。」
田村「んー、保乃も行く。」
「ふふ、なら一緒に行こっか。」
暖かい手を取り足並みを揃えてキッチンへ行く。
私が作って、そんな私を保乃ちゃんは眺めてるだけ。
田村「今を大事にせな、あかんね。」
「…そうやね。」
「お皿取って、いつものやつ。」
田村「はーい!」
いつか私の前から保乃ちゃんが居なくなってしまって、見つけることすら出来なくて、そんな時私は今みたいに朝起きて、ご飯作って、お仕事をして、なんて当たり前の生活が送れるのだろうか。
きっと送れやしない。
呼吸すらも出来なくなってしまう。
田村「ん…、ひぃ?どうしたん?」
そんな不安から逃げるように保乃ちゃんの背中に抱きついて、強く強く腕に力を込めた。
「ずっとそばにおって。離れんでよ。」
田村「離れへん。離れたりせえへんよ。」
嘘をつかない保乃ちゃんの言葉はほんの少しだけ重く、深かった。
幸せと、痛みはきっとイコール関係なんだ。
幸せだから、痛い。痛いから、幸せである。
何が痛いとか、これが幸せとか、そんな主語は必要なくて、上手く言えないけど、そんなものを含めて愛なんだと思う。
そんなことを思いながら、保乃ちゃんと唇を重ねて、笑いあった。
ほら、痛くて、苦しくて、幸せだ。
-Fin-
私がこの世界に生まれてきた意味が分かった。
田村「ん、おはよ、ひぃちゃん、」
「おはよう、保乃ちゃん。」
田村「ひぃちゃんが先に起きてるの珍しいな?」
「たまには保乃ちゃんの寝顔みたいなって思って。」
田村「ふふ、恥ずかしいやん、やめてや。」
寝起きの、何も施されていない、素の保乃ちゃん。真っ白で、儚くて、けど笑顔はいつも通り可愛くて、あぁ、この人と付き合えてる私は本当に世界で1番の幸せものなんやろうな。
「今日は何しよっか」
田村「ん〜、映画見いひん?」
「良かよ、なんの映画?」
田村「なんやっけな〜、海外のやつ!」
「ふふ、覚えとらんの?笑」
田村「寝起きやから思い出せへんねん、」
「老化が始まる合図だったりして、」
田村「あーー、そんなこと言ってーー、怒んでー?」
「ふふ、嘘やけ、怒らんで。」
このなんでもない時間がどうしようもないくらい大切で、幸せで、優しさで溢れていた。
田村「ほんなら、今日の朝ごはん担当はひぃちゃんな?」
「仕方ないな〜、いつものでよか?」
田村「ん、ひぃちゃんが作る朝ごはん好き。」
「朝ごはんだけ?」
田村「んーん、ひぃの全部が好き。」
「ふふ、私も。」
甘い、胸焼けするくらいに甘ったるい。
なのにこの時間が続いて欲しいと心の底から願ってしまう。
田村「なぁ、ひぃちゃん。」
「ん?」
田村「もし保乃がひぃちゃんの前から居なくなっても、ちゃんと見つけてくれる?」
「…、見付けるよ。保乃ちゃんがどこに居ようと、必ず保乃ちゃんを迎えに行く。」
田村「約束、な。」
「うん、約束。」
時々保乃ちゃんはこんなことを言う。
実際に居なくなったことはないけれど、この言葉はいつか本当になる、そんな気がしていた。
保乃ちゃんが居なくなってしまったら、私は本当に見つけることが出来るのだろうか。何処にいて、何をしてるか、なんて分からないのに。
「居なくならんでね。」
田村「離さんといてな。」
「離すわけなか。」
だからこうしていつも同じように、いつ解けてしまうかも分からない魔法を保乃ちゃんにかけて、ちょっとの不安と共にベッドを降りる。
「ご飯出来たら呼ぶけ、ゆっくりしとって。」
田村「んー、保乃も行く。」
「ふふ、なら一緒に行こっか。」
暖かい手を取り足並みを揃えてキッチンへ行く。
私が作って、そんな私を保乃ちゃんは眺めてるだけ。
田村「今を大事にせな、あかんね。」
「…そうやね。」
「お皿取って、いつものやつ。」
田村「はーい!」
いつか私の前から保乃ちゃんが居なくなってしまって、見つけることすら出来なくて、そんな時私は今みたいに朝起きて、ご飯作って、お仕事をして、なんて当たり前の生活が送れるのだろうか。
きっと送れやしない。
呼吸すらも出来なくなってしまう。
田村「ん…、ひぃ?どうしたん?」
そんな不安から逃げるように保乃ちゃんの背中に抱きついて、強く強く腕に力を込めた。
「ずっとそばにおって。離れんでよ。」
田村「離れへん。離れたりせえへんよ。」
嘘をつかない保乃ちゃんの言葉はほんの少しだけ重く、深かった。
幸せと、痛みはきっとイコール関係なんだ。
幸せだから、痛い。痛いから、幸せである。
何が痛いとか、これが幸せとか、そんな主語は必要なくて、上手く言えないけど、そんなものを含めて愛なんだと思う。
そんなことを思いながら、保乃ちゃんと唇を重ねて、笑いあった。
ほら、痛くて、苦しくて、幸せだ。
-Fin-