▶︎ 森田 田村
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四つ葉のクローバーを探し始めて約1時間。
一向に見つかる気配はない。
田村「ひぃちゃん?あった?」
「んーん、」
田村「もうないんちゃう??1万分の1やで?」
「…見つける。もうちょっとだけ待っとって。」
高校生にもなって四つ葉のクローバーを探すなんて小学生の時の私は思っていただろうか?
探さなきゃ、見つけなきゃいけないんよ。
"四つ葉のクローバーとか、なんやろ、ちっちゃな幸せを見つけられる人が好きやなぁ"なんて、保乃ちゃんが言うから。
田村「ほんま負けず嫌いやな?」
「…、やね、笑」
これを見つけられたら、言える気がするから。
ずっと保乃ちゃんが好きやったって、言えるような気がするから、見つけたいんだ。
田村「あ!!!」
「!?」
田村「これ、四葉ちゃうん?」
「うわ、ほんとや、」
田村「ふふ、保乃の方が先に見つけちゃったな?」
「あーあ、」
この恋は敵わないから、無謀だから、神様は答えを出してくれたん?
田村「そんな落ち込まんといてや〜、」
「な、ひぃちゃん?」
「…んー、?」
田村「保乃な、実は好きな人がいんねん。」
「っ…、そうなん?」
田村「うん、1年生にいるんやけど、」
「後輩、か、」
田村「ずっと、告白する勇気持てなかったんやけど、今なら、言える気がする。」
「っ…、」
田村「最後にひぃちゃん、背中押してくれへん?」
四つ葉のクローバーを見つけたのが私だったのなら、保乃ちゃんの心を掴めるのが私だったのなら、こんなに苦しく笑う必要、なかったかな。
「ん、保乃ちゃんなら大丈夫だよ。」
「その子のとこ、行ってきな。」
そう言って、優しく背中を押した。
クローバーを手に駆け出した保乃ちゃんは、漫画に出てくるヒロインのようで、綺麗やった。
1万分の1を見つけられた保乃ちゃんならきっと、告白だって成功してしまうんだろうな。
入学式の日に一目惚れしてから約2年半、高校生活のほぼ全てを捧げた恋は、こんな呆気なく終わってしまうものなんだ。
「好きやった、」
そんな一言すら、伝える事も無く終わってしまった私の片思い。
私の保乃ちゃんになって欲しかったな。
ぐしゃりと踏み出した1歩、なんだか違和感を感じて足を浮かせてみれば、折れてしまった四つ葉のクローバーが目に入った。
「っ…もう、遅いんよ、」
ぽたっと垂れた涙は地面に染み込んで、消えていく。
保乃ちゃんの事が、好きでした。
そう伝えられぬまま私の恋は終わりを告げた。
-Fin-
一向に見つかる気配はない。
田村「ひぃちゃん?あった?」
「んーん、」
田村「もうないんちゃう??1万分の1やで?」
「…見つける。もうちょっとだけ待っとって。」
高校生にもなって四つ葉のクローバーを探すなんて小学生の時の私は思っていただろうか?
探さなきゃ、見つけなきゃいけないんよ。
"四つ葉のクローバーとか、なんやろ、ちっちゃな幸せを見つけられる人が好きやなぁ"なんて、保乃ちゃんが言うから。
田村「ほんま負けず嫌いやな?」
「…、やね、笑」
これを見つけられたら、言える気がするから。
ずっと保乃ちゃんが好きやったって、言えるような気がするから、見つけたいんだ。
田村「あ!!!」
「!?」
田村「これ、四葉ちゃうん?」
「うわ、ほんとや、」
田村「ふふ、保乃の方が先に見つけちゃったな?」
「あーあ、」
この恋は敵わないから、無謀だから、神様は答えを出してくれたん?
田村「そんな落ち込まんといてや〜、」
「な、ひぃちゃん?」
「…んー、?」
田村「保乃な、実は好きな人がいんねん。」
「っ…、そうなん?」
田村「うん、1年生にいるんやけど、」
「後輩、か、」
田村「ずっと、告白する勇気持てなかったんやけど、今なら、言える気がする。」
「っ…、」
田村「最後にひぃちゃん、背中押してくれへん?」
四つ葉のクローバーを見つけたのが私だったのなら、保乃ちゃんの心を掴めるのが私だったのなら、こんなに苦しく笑う必要、なかったかな。
「ん、保乃ちゃんなら大丈夫だよ。」
「その子のとこ、行ってきな。」
そう言って、優しく背中を押した。
クローバーを手に駆け出した保乃ちゃんは、漫画に出てくるヒロインのようで、綺麗やった。
1万分の1を見つけられた保乃ちゃんならきっと、告白だって成功してしまうんだろうな。
入学式の日に一目惚れしてから約2年半、高校生活のほぼ全てを捧げた恋は、こんな呆気なく終わってしまうものなんだ。
「好きやった、」
そんな一言すら、伝える事も無く終わってしまった私の片思い。
私の保乃ちゃんになって欲しかったな。
ぐしゃりと踏み出した1歩、なんだか違和感を感じて足を浮かせてみれば、折れてしまった四つ葉のクローバーが目に入った。
「っ…もう、遅いんよ、」
ぽたっと垂れた涙は地面に染み込んで、消えていく。
保乃ちゃんの事が、好きでした。
そう伝えられぬまま私の恋は終わりを告げた。
-Fin-