▶︎ 森田 田村
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カランコロン
小林「いらっしゃい。」
「いつもの。」
小林「はいよ。」
通い慣れたバー、いつものように同じアルコールを頼んで何を話すでもなく席に座った。
いつもより人が多いのは今日が金曜日で、羽目を外せるチャンスだからだろう。
小林「お待たせ。」
「ありがとうございます。」
オレンジ色に染まる液体を一口喉に流し込む。
アルコールが喉を通って体全体に広がる、この感覚が好きやった。
カランコロン
小林「いらっしゃい。」
田村「いっちばん強いお酒!ください!!」
失恋をしたのであろうお客さんは真っ赤にした顔で由依さんにそう告げた。
小林「もう随分飲まれてるようですが、」
「お姉さん、これ度数強いけ、飲んだら?」
田村「ありがとうっ、貰うな!」
小林「あぁ、一気しちゃったよ。」
「え、ほんとはそんなに強くないですよね、これ。」
小林「いや、それなりに強いから。」
「はい、これお水、飲ましてあげて。」
「はい、」
他のお客さんの相手をしに反対側へと向かっていった由依さん。一気したお姉さんは潰れるようにカウンターに全体重を預けたようにだらんと体を預けていた。
「お姉さん、これ飲める?」
田村「ぐすっ…、なんでっ、なんで保乃やなくてあっちの子を選んだん!?」
あぁ、これは典型的な面倒くさい酔い方の人だ。
田村「なぁ、なんでやと思う?2年付き合ってたんやで?なぁっ、なんでなんっ、」
「御相手の人にとってお姉さんは勿体なすぎたってこと。こんな美人さんにはもっと似合う人が居るよ。」
田村「んん〜、っ、君名前は?」
「ひかる、お姉さんは?」
田村「保乃、田村保乃、へへ、変な名前やろ?」
「んーん、素敵な名前。保乃ちゃん。」
田村「なんか、ひぃちゃんと話してたら元気出てきたわ!」
「そりゃ良かった、お水飲める?」
田村「んーー、飲めへん、ひぃちゃん、飲まして?」
赤く火照った顔に、うるうるの瞳は私を捕まえて逃がさない。私の理性が羽目を外せと鐘を鳴らしている。
水を口に含んで、そのまま保乃ちゃんと唇を重ねた。
田村「んっ…、!」
口の端からこぼれ落ちる水滴、そんなのを気にすることも無く啄まれる私の唇。
1度離れて、私たちの間に銀の糸が引かれた。
田村「っ…ひぃ、ちゃん、」
「浮気した人なんか忘れて、私と恋しようよ、保乃ちゃん。」
田村「保乃のこと、幸せにしてくれる?」
「私は、保乃ちゃんを幸せにするために生まれてきたんだよ。」
そんなクサい言葉を残してまた唇を重ねた。
何度も、何度も。
勢いのままお店を出て、近くのホテルに入る。
流れのままにベッドに沈んで、お互いを知り合った。
田村「はぁはぁ…、ひぃちゃん、上手やな、」
「こうやって色んな子お持ち帰りしてたんや?」
「…、私まで気持ちよくなっちゃったのは保乃ちゃんが初めてだよ。」
田村「…ほんまに?」
「うん、相性、良いのかもね。」
お互い服を纏うことなく、くっつきあって、そんな会話をする。
田村「これは、一夜だけの付き合いなん?」
「保乃ちゃんはそれでよかと?」
田村「嫌や、保乃のこと幸せにするって言ったやん、」
「ふふ、やろ?」
「保乃ちゃんのこと幸せにしたい。付き合おう、私たち。」
田村「余所見、せんでな?」
「せんよ、保乃ちゃんに釘付けやけ、」
適当に生きてきよった私が初めてした恋は、大人で、順番の間違ったものだった。
それでも、大切にしたいと思える、大事な恋だ。
田村「なぁ、保乃が飲んだお酒、なんて言うん?」
「メリーウィドウ、もう一度素敵な恋をって言葉があるんよ、ピッタリやね?」
田村「…運命やな?」
「ふふ、やね。」
田村「…あ、21日になった、保乃25歳になったで。」
「おめでとう、え?10月21日が誕生日なん?」
田村「そうやけど、」
「メリーウィドウの誕生日、10月21日なんよ。」
田村「え、ほんまに!?」
「ふふ、これはほんとに運命ってやつかもね。」
田村「間違いないで。」
「保乃、運命の人に出会えちゃった。」
「ふふ、迎えに来るの遅くなっちゃってごめんね。」
田村「ほんまやで〜?変な遠回りしちゃったやん。」
「あはは、私と出会ってくれて、ありがとう、保乃ちゃん。」
田村「ひぃちゃんこそ、ありがとう。」
-fin-
小林「いらっしゃい。」
「いつもの。」
小林「はいよ。」
通い慣れたバー、いつものように同じアルコールを頼んで何を話すでもなく席に座った。
いつもより人が多いのは今日が金曜日で、羽目を外せるチャンスだからだろう。
小林「お待たせ。」
「ありがとうございます。」
オレンジ色に染まる液体を一口喉に流し込む。
アルコールが喉を通って体全体に広がる、この感覚が好きやった。
カランコロン
小林「いらっしゃい。」
田村「いっちばん強いお酒!ください!!」
失恋をしたのであろうお客さんは真っ赤にした顔で由依さんにそう告げた。
小林「もう随分飲まれてるようですが、」
「お姉さん、これ度数強いけ、飲んだら?」
田村「ありがとうっ、貰うな!」
小林「あぁ、一気しちゃったよ。」
「え、ほんとはそんなに強くないですよね、これ。」
小林「いや、それなりに強いから。」
「はい、これお水、飲ましてあげて。」
「はい、」
他のお客さんの相手をしに反対側へと向かっていった由依さん。一気したお姉さんは潰れるようにカウンターに全体重を預けたようにだらんと体を預けていた。
「お姉さん、これ飲める?」
田村「ぐすっ…、なんでっ、なんで保乃やなくてあっちの子を選んだん!?」
あぁ、これは典型的な面倒くさい酔い方の人だ。
田村「なぁ、なんでやと思う?2年付き合ってたんやで?なぁっ、なんでなんっ、」
「御相手の人にとってお姉さんは勿体なすぎたってこと。こんな美人さんにはもっと似合う人が居るよ。」
田村「んん〜、っ、君名前は?」
「ひかる、お姉さんは?」
田村「保乃、田村保乃、へへ、変な名前やろ?」
「んーん、素敵な名前。保乃ちゃん。」
田村「なんか、ひぃちゃんと話してたら元気出てきたわ!」
「そりゃ良かった、お水飲める?」
田村「んーー、飲めへん、ひぃちゃん、飲まして?」
赤く火照った顔に、うるうるの瞳は私を捕まえて逃がさない。私の理性が羽目を外せと鐘を鳴らしている。
水を口に含んで、そのまま保乃ちゃんと唇を重ねた。
田村「んっ…、!」
口の端からこぼれ落ちる水滴、そんなのを気にすることも無く啄まれる私の唇。
1度離れて、私たちの間に銀の糸が引かれた。
田村「っ…ひぃ、ちゃん、」
「浮気した人なんか忘れて、私と恋しようよ、保乃ちゃん。」
田村「保乃のこと、幸せにしてくれる?」
「私は、保乃ちゃんを幸せにするために生まれてきたんだよ。」
そんなクサい言葉を残してまた唇を重ねた。
何度も、何度も。
勢いのままお店を出て、近くのホテルに入る。
流れのままにベッドに沈んで、お互いを知り合った。
田村「はぁはぁ…、ひぃちゃん、上手やな、」
「こうやって色んな子お持ち帰りしてたんや?」
「…、私まで気持ちよくなっちゃったのは保乃ちゃんが初めてだよ。」
田村「…ほんまに?」
「うん、相性、良いのかもね。」
お互い服を纏うことなく、くっつきあって、そんな会話をする。
田村「これは、一夜だけの付き合いなん?」
「保乃ちゃんはそれでよかと?」
田村「嫌や、保乃のこと幸せにするって言ったやん、」
「ふふ、やろ?」
「保乃ちゃんのこと幸せにしたい。付き合おう、私たち。」
田村「余所見、せんでな?」
「せんよ、保乃ちゃんに釘付けやけ、」
適当に生きてきよった私が初めてした恋は、大人で、順番の間違ったものだった。
それでも、大切にしたいと思える、大事な恋だ。
田村「なぁ、保乃が飲んだお酒、なんて言うん?」
「メリーウィドウ、もう一度素敵な恋をって言葉があるんよ、ピッタリやね?」
田村「…運命やな?」
「ふふ、やね。」
田村「…あ、21日になった、保乃25歳になったで。」
「おめでとう、え?10月21日が誕生日なん?」
田村「そうやけど、」
「メリーウィドウの誕生日、10月21日なんよ。」
田村「え、ほんまに!?」
「ふふ、これはほんとに運命ってやつかもね。」
田村「間違いないで。」
「保乃、運命の人に出会えちゃった。」
「ふふ、迎えに来るの遅くなっちゃってごめんね。」
田村「ほんまやで〜?変な遠回りしちゃったやん。」
「あはは、私と出会ってくれて、ありがとう、保乃ちゃん。」
田村「ひぃちゃんこそ、ありがとう。」
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