▶︎ 森田 田村
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陽の光で目が覚める。
隣に保乃ちゃんは居なくて、昨日のことは夢じゃなかったんだ、なんて感傷に浸ってからもう一度布団を被った。
最近増えてた朝帰りも、ソファーで見返してる写真も、変わった香水も、見て見ぬふりをしていれば良かったのかな。
そうしたらまだ、保乃ちゃんは隣に居てくれたのかな。
ーー浮気、しとるん?
言うつもり無かったのに、ついポロッと出てしまった言葉。その瞬間保乃ちゃんは顔色を変えた。
上手く隠せてるつもりだったんやろうけど、
好きな人だからこそ、分かってしまう。
好きだから、ずっと言えていなかったんだ。
謝られて、罪悪感を押し付けられて、挙句の果てには別れを告げて出てかれた。
2年半の恋は、そんな終わり方をした。
布団から出る気にもなれないし、食欲もない。
かと言ってスマホを開こうとすればロック画面の保乃ちゃんに心がやられて、触れずにいる。
私はこんなに弱い人間だったのか。
保乃ちゃんが居らんとなんにも出来ない人間やったんや。
ブブッ ブブッ ブーーッ ブーーッ
「…もしもし、」
松田「あ、もしもし、ひかる?」
「いやー、今さっき保乃とたまたま会ったんだけど、保乃超落ち込んでたよ。なんかあった?」
「…さぁ、」
松田「さぁって、あんた保乃の彼女でしょーー?」
「違うよ。」
松田「…は?」
「もう、彼女じゃない。」
「昨日、振られたんよ、私。」
松田「は?ちょ、ちょっと待ってよ、何それ、今からひかるん家行く。いい?」
「……ごめん、今は会いたくない。」
松田「…、ひかるを1人にしたくないよ。」
「明日、会いに来て欲しい。」
「今日は、一人でいたい。」
松田「……、分かった。」
「その代わりなんかあったら、絶対に、すぐ連絡して。分かった??」
「ん、分かった。ありがとう、まりな。」
松田「ん、またね。」
「うん、」
電話が切れ、パッとロック画面に戻る。
画面の先では夢の国で、お揃いのカチューシャをつけて笑いあってる私たちが居て、それが羨ましくて、狂おしいほどに愛しくて、指で触れてみても届かない、寂しいものやった。
浮気したのは保乃ちゃんなのに、なんで、なんで保乃ちゃんが落ち込むん?
「もう、分からんよ、保乃ちゃん、」
目頭が熱くなって、涙が流れていく。
ただただ寂しくて、辛くて、保乃ちゃんに会いたくて、苦しかった。
これはきっと人生最大の恋やった。
これ以上なんて、きっとないと思う。
本命じゃなくてもいいから、側にいて欲しい。
それは我儘なんかな。
「保乃、ちゃんっ、」
ーーひぃちゃん、
私の大好きな声で名前を呼んで。
大好きな温もりで包み込んで。
嘘でもいいから好きって言って、私を愛してよ。
ブブッ
田村保乃:ひぃちゃんのこと悲しませてほんまにごめん。やり直したいなんて言わへん、ただ保乃はまだひぃちゃんのことが好き。やから、好きで居続けてもええかな?
「っ…、」
田村保乃が送信を取り消しました。
ブブッ
田村保乃:悲しませてごめん。幸せになってな。
なんなん、保乃ちゃんは狡い人だ。
浮気したくせに、私を捨てたくせに。
私の事が好きなら、なんで浮気したんよ。
森田ひかる:最低。
森田ひかる:保乃ちゃんのこと、大っ嫌い。
余所見しないっち言いよったのに。
私だけの保乃ちゃんやってずっと思っとったのに。
騙すなら、最後まで騙し通してよ。
余所見するなら、その人を本気で愛して。
中途半端に浮気なんかせんでよ。
苦しいのは、辛いのは、保乃ちゃんやない。
私なんだよ。
保乃ちゃんは私からの信用を失っただけ。
でも私は、これから出会う人全員への信用を失ったんよ。
大好きやから、愛しているから。
さようなら。
-fin-
隣に保乃ちゃんは居なくて、昨日のことは夢じゃなかったんだ、なんて感傷に浸ってからもう一度布団を被った。
最近増えてた朝帰りも、ソファーで見返してる写真も、変わった香水も、見て見ぬふりをしていれば良かったのかな。
そうしたらまだ、保乃ちゃんは隣に居てくれたのかな。
ーー浮気、しとるん?
言うつもり無かったのに、ついポロッと出てしまった言葉。その瞬間保乃ちゃんは顔色を変えた。
上手く隠せてるつもりだったんやろうけど、
好きな人だからこそ、分かってしまう。
好きだから、ずっと言えていなかったんだ。
謝られて、罪悪感を押し付けられて、挙句の果てには別れを告げて出てかれた。
2年半の恋は、そんな終わり方をした。
布団から出る気にもなれないし、食欲もない。
かと言ってスマホを開こうとすればロック画面の保乃ちゃんに心がやられて、触れずにいる。
私はこんなに弱い人間だったのか。
保乃ちゃんが居らんとなんにも出来ない人間やったんや。
ブブッ ブブッ ブーーッ ブーーッ
「…もしもし、」
松田「あ、もしもし、ひかる?」
「いやー、今さっき保乃とたまたま会ったんだけど、保乃超落ち込んでたよ。なんかあった?」
「…さぁ、」
松田「さぁって、あんた保乃の彼女でしょーー?」
「違うよ。」
松田「…は?」
「もう、彼女じゃない。」
「昨日、振られたんよ、私。」
松田「は?ちょ、ちょっと待ってよ、何それ、今からひかるん家行く。いい?」
「……ごめん、今は会いたくない。」
松田「…、ひかるを1人にしたくないよ。」
「明日、会いに来て欲しい。」
「今日は、一人でいたい。」
松田「……、分かった。」
「その代わりなんかあったら、絶対に、すぐ連絡して。分かった??」
「ん、分かった。ありがとう、まりな。」
松田「ん、またね。」
「うん、」
電話が切れ、パッとロック画面に戻る。
画面の先では夢の国で、お揃いのカチューシャをつけて笑いあってる私たちが居て、それが羨ましくて、狂おしいほどに愛しくて、指で触れてみても届かない、寂しいものやった。
浮気したのは保乃ちゃんなのに、なんで、なんで保乃ちゃんが落ち込むん?
「もう、分からんよ、保乃ちゃん、」
目頭が熱くなって、涙が流れていく。
ただただ寂しくて、辛くて、保乃ちゃんに会いたくて、苦しかった。
これはきっと人生最大の恋やった。
これ以上なんて、きっとないと思う。
本命じゃなくてもいいから、側にいて欲しい。
それは我儘なんかな。
「保乃、ちゃんっ、」
ーーひぃちゃん、
私の大好きな声で名前を呼んで。
大好きな温もりで包み込んで。
嘘でもいいから好きって言って、私を愛してよ。
ブブッ
田村保乃:ひぃちゃんのこと悲しませてほんまにごめん。やり直したいなんて言わへん、ただ保乃はまだひぃちゃんのことが好き。やから、好きで居続けてもええかな?
「っ…、」
田村保乃が送信を取り消しました。
ブブッ
田村保乃:悲しませてごめん。幸せになってな。
なんなん、保乃ちゃんは狡い人だ。
浮気したくせに、私を捨てたくせに。
私の事が好きなら、なんで浮気したんよ。
森田ひかる:最低。
森田ひかる:保乃ちゃんのこと、大っ嫌い。
余所見しないっち言いよったのに。
私だけの保乃ちゃんやってずっと思っとったのに。
騙すなら、最後まで騙し通してよ。
余所見するなら、その人を本気で愛して。
中途半端に浮気なんかせんでよ。
苦しいのは、辛いのは、保乃ちゃんやない。
私なんだよ。
保乃ちゃんは私からの信用を失っただけ。
でも私は、これから出会う人全員への信用を失ったんよ。
大好きやから、愛しているから。
さようなら。
-fin-