▶︎ 小林 藤吉
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小林「君はさ、私の事好きにならないよね?」
桜を乗せた春の風が吹く屋上で、夏鈴の想い人はこう言った。
「…どうでしょうね。」
小林「…好きにならないでね。君を好きでいたいから。」
「…、」
空を見上げたまま、言葉を続けた由依先輩は、視線の先に恋を浮かべた。
由依先輩と出会ったのは、1年前の春だった。
入学早々授業をサボった夏鈴と、屋上常連客の由依先輩。
綺麗な髪が風に靡かれて、何処か寂しそうな横顔を目にした瞬間、静かに恋に落ちた。
小林「…1年生?」
耳に届く声は優しくて、冷たい。
1度だけ頷いて、近くのベンチに腰かけた。
小林「入学早々サボるなんて、君も中々だね〜。」
「先輩はサボり慣れてるようですね。」
小林「まぁ、2年目だからね。」
「私小林由依、君は?」
「藤吉夏鈴。」
小林「夏に聞きたくなる名前だね。」
「そうですかね。」
セーターで半分ほど隠れている指で、長い髪の毛を耳にかけた由依先輩は悪戯げな顔をこちらに向けて、そして、キスをした。
「っ…、」
小林「…、ふふ、もしかして初めて?」
「だったら、なんですか。」
小林「んーん、可愛いなぁって、」
「君、恋したことないでしょ。」
「…、」
今さっきしたばかりだ。
恋と呼ぶにはまだ早いかも、しれないけれど。
小林「まあいいや!また会おうね。」
「…、」
スカートを靡かせてから、屋上を出ていった由依先輩。この日から1年夏鈴の心の中には由依先輩だけやった。
「…由依先輩。」
小林「ん?」
「……っ、」
「夏鈴は、由依先輩を好きになりませんよ。」
小林「ふふ、キスして言うセリフ?」
「これが一番伝わるかと思って。」
小林「…私は好きだよ。君のこと。」
「っ…、」
1年前よりも明るくなった髪色。
あの日よりも慣れた感触。
夏鈴は、貴女のことが好きです。
だから、今日も嘘をついて、貴女の傍に居続ける。
小林「…、君は、恋したことある?」
「…、」
小林「まあいいや、また、会おうね。」
「いつか、」
小林「ん?」
「恋と呼びたいものなら、してますよ。」
小林「ふふ、そっか。」
「叶うといいね、君の恋。」
「…そうですね。」
小林「じゃ、また。」
「…。」
貴女が夏鈴の名前を呼んだ時、
夏鈴の恋は完成する。
片想いか、両想いか。
今はまだーーー。
-fin-
桜を乗せた春の風が吹く屋上で、夏鈴の想い人はこう言った。
「…どうでしょうね。」
小林「…好きにならないでね。君を好きでいたいから。」
「…、」
空を見上げたまま、言葉を続けた由依先輩は、視線の先に恋を浮かべた。
由依先輩と出会ったのは、1年前の春だった。
入学早々授業をサボった夏鈴と、屋上常連客の由依先輩。
綺麗な髪が風に靡かれて、何処か寂しそうな横顔を目にした瞬間、静かに恋に落ちた。
小林「…1年生?」
耳に届く声は優しくて、冷たい。
1度だけ頷いて、近くのベンチに腰かけた。
小林「入学早々サボるなんて、君も中々だね〜。」
「先輩はサボり慣れてるようですね。」
小林「まぁ、2年目だからね。」
「私小林由依、君は?」
「藤吉夏鈴。」
小林「夏に聞きたくなる名前だね。」
「そうですかね。」
セーターで半分ほど隠れている指で、長い髪の毛を耳にかけた由依先輩は悪戯げな顔をこちらに向けて、そして、キスをした。
「っ…、」
小林「…、ふふ、もしかして初めて?」
「だったら、なんですか。」
小林「んーん、可愛いなぁって、」
「君、恋したことないでしょ。」
「…、」
今さっきしたばかりだ。
恋と呼ぶにはまだ早いかも、しれないけれど。
小林「まあいいや!また会おうね。」
「…、」
スカートを靡かせてから、屋上を出ていった由依先輩。この日から1年夏鈴の心の中には由依先輩だけやった。
「…由依先輩。」
小林「ん?」
「……っ、」
「夏鈴は、由依先輩を好きになりませんよ。」
小林「ふふ、キスして言うセリフ?」
「これが一番伝わるかと思って。」
小林「…私は好きだよ。君のこと。」
「っ…、」
1年前よりも明るくなった髪色。
あの日よりも慣れた感触。
夏鈴は、貴女のことが好きです。
だから、今日も嘘をついて、貴女の傍に居続ける。
小林「…、君は、恋したことある?」
「…、」
小林「まあいいや、また、会おうね。」
「いつか、」
小林「ん?」
「恋と呼びたいものなら、してますよ。」
小林「ふふ、そっか。」
「叶うといいね、君の恋。」
「…そうですね。」
小林「じゃ、また。」
「…。」
貴女が夏鈴の名前を呼んだ時、
夏鈴の恋は完成する。
片想いか、両想いか。
今はまだーーー。
-fin-