▶︎ 森田 田村

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田村「キャラメルマキアートで、」


「かしこまりました〜。」
「少々お待ちください〜。」


柔らかな声、綺麗な髪、笑うと笑窪のできる彼女に私は、恋をしていた。


小林「顔、ニヤニヤしすぎ。」


「え、出てました?」


小林「メニュー持って、ターンしてきた瞬間から顔崩れてたよ。」


「嘘…気をつけんと、」


小林「ふふ、そんなに好きならもっと距離縮めなよ。」


「いやいやいやいや、無理ですよ、そんな、いけるわけないじゃないですか、」


バイトリーダーの由依さんは、新入りカフェ店員の私と、常連客田村さんの恋を応援してくれているそう。
"肩書きがなんかいいじゃん"なんて理由で。


小林「保乃ちゃん、今は恋人いないみたいだけど、もたもたしてると他の子に取られるよ。」


「…分かってます、」


由依さんの言葉にずっしりと重くなった心を隠すようにラテを入れて、ほんの些細なアタックとしてキャラメルでハートを作る。


こんなの、田村さんにしかしたことないや。





「おまたせしました〜。」


田村「ん、ありがとう〜、わ、今日もハートや、可愛ええ〜。」


「ふふ、喜んでもらえてよかったです。」


田村「保乃な、ここに通って結構経つねんけど、ひぃちゃんが作ってくれるこれが1番好きやねん。」


「っ…、ありがとう、ございます、」


田村「ふふ、保乃の方こそありがとう。」


"もたもたしてると他の子に取られるよ"


「…あの、」


田村「ん?」


「いつか、田村さんじゃなくて、保乃ちゃんって呼んでもいいですか、?」


田村「ふふ、全然ええよ〜〜、なんなら今呼んでや。」


「え…、あ、いや、それはー、」


田村「ほーら、はやくっ、」


「っ…、保乃、ちゃん、」


田村「ふふ、はーいっ。」


私の声に合わせて小さく手を挙げた保乃ちゃん。可愛い、可愛すぎる。


田村「敬語もとってええからな。」


「いや、それはさすがに出来ないです、よ、」


田村「え〜、敬語って距離ある感じして寂しいやん。」


くぁぁぁ、なん、この人、ただの店員にこんな可愛いこと言いよると??


「んー、ほんとに良いん?」


田村「うんっ!ふふ、今日はひぃちゃんと仲良くなれた日やな〜。」


「っ…、可愛い、」


田村「っ、へへ、ありがとう、」


照れたように笑う保乃ちゃんに心臓がぎゅぅってなる。


"すみません"


「あ、はーい、今行きます。」
「じゃあ、また、」


田村「ん、また、頑張ってな?」


「ふふ、うんっ、頑張る。」


昨日よりも縮まった距離に嬉しくなりながら、メニュー聞いて、中へ戻れば、由依さんが"よく頑張ったじゃん〜"なんて頭を撫でてくれた。


「由依さんが背中押してくれたので…、」


小林「ふふ、偉い偉い。」


この日から私と保乃ちゃんは、注文を聞く時、ラテを運んだ時、会計時、言葉を沢山交わすようになった。


カランコロン


「あ、保乃ちゃ…、」


田村「ん、ひぃちゃん〜、今日は2人で!」


「かし、こまりました、」


いつもは一人でやってくる保乃ちゃんなのに、今日は隣に猫のような女の子を連れてやってきた。


ただの友達なのか、それとも、恋人なのか、分からない答えに心は黒く染っていく。


「注文、何にしますか。」


田村「ふふ、キャラメルマキアート2つ!」


「かしこまりました。」
「少々お待ちください。」


保乃ちゃんのためだけに作るキャラメルマキアートが好きやった。他のお客さんより多めにキャラメルを使ったり、デザインを凝ったりするのが好きやったのに。


小林「あちゃー、先越されたかもねー。」


「え…、」


小林「ふふ、冗談。」
「何も心配する必要ないよ、あの子はただの友達だから。」


「っ…ほんとですか、」


小林「うん、私が約束する。」


「よかったぁ…、」


由依さんの言葉に心のモヤはどんどん消えてゆく。


保乃ちゃんのお友達、か。




「おまたせしました〜、」


田村「ん、ありがとう〜、あれ、今日はハートやないんや。」


藤吉「桜だ、君上手いなぁ、」


「ふふ、ありがとうございます、」
「じゃあ、また何かあったらお呼びくださいっ。」


今日は、会話をすることもなさそうやったから、ラテを置いてそそくさと中へ戻る。


カランコロン


理佐「やっほ〜〜、」


小林「お、理佐。」


「あ〜、理佐さん〜!」


中で由依さんと注文を待っていれば、由依さんの大学のお友達である理佐さんが来てくれた。


理佐「ふふ、来ちゃった〜。」


「席案内しますね〜。」


理佐「ありがとう〜。」
「ひかるちゃん、髪の毛伸びたね〜。」


「そうなんですよ〜、切ろうか迷ってて。」


理佐「え〜、長いのも可愛いよ。」


「ふふ、ほんとですか?じゃあ伸ばそうかなぁ、」


理佐「あはは、可愛い可愛い。」


「ふふ、あ、どうぞ〜。」


理佐「ありがとう。」


「今日も甘めの珈琲ですか?」


理佐「ん〜、今日はね〜、ブラック珈琲にチャレンジしてみようと思って。」


「んん〜、理佐さんが大人になるんですね。」


理佐「ふふ、もう大人ですけどー?」


「あはは、確かに、じゃあ今作って持ってきますね」


理佐「ん、ありがとう〜。」


癖のように私の頭を撫でてからスマホを弄り出す理佐さん。もし、理佐さんが恋人やったらこんな天然タラシ、心配になりすぎて四六時中一緒に居たくなっちゃうなぁ。


小林「おかえりー、理佐甘めの珈琲?」


「それが!今日はブラックですって。」


小林「えー、ふふ、絶対飲めないじゃん。」


「あはは、取り敢えず作って持ってきますね。笑」


小林「ん、ありがとう。」


藤吉「すみません、」


小林「はーい、」
「ひかる、保乃ちゃんのところ呼んでるけど、」


「あー、理佐さんの作り始めちゃったんで、行ってもらっても大丈夫ですか?」


小林「ん、OK。」


初めて、由依さんにお願いしちゃったな。






「理佐さ〜ん、おまたせしました!」


理佐「お、きたきた。」
「ふふ、いただきます。」


「どうぞ。」


理佐「…ん、にが、あ、にが。」


「あははっ、ふふ、やっぱりまだ理佐さんにブラックは早いんですよ〜。」


理佐「うあ〜、にが〜い。」


「砂糖とミルク持ってきたので、お好きな甘さにして飲んでください。笑」


理佐「ごめんね〜、ありがとう。」


「ふふ、いいえ〜。」


無事甘めの珈琲を飲み始めた理佐さんを見てから、空いた机を拭き始める。


店内を見渡せば、ふと保乃ちゃんと視線があって、こっちこっちと手招きされ、保乃ちゃんの元へ足を進めた。


「あれ、お友達は?」


田村「今、由依さんとお話しに行ったで。」


「え、由依さんと?」


田村「聞いてへんの?由依さんと夏鈴ちゃん、付き合ってんねんで。」


「えぇぇ、そうなん!?」


田村「ふふ、声おっきい、」


「あ、ごめん、」


田村「ま、せやから、保乃一人ぼっちやねん。」


「あら〜、大変ですね〜。」


田村「ふふ、相手してや。」


「ん、良かよ。」


田村「なぁ、」


「んー?」


田村「理佐さんって人と、仲ええなぁ、」


「え?あー、まぁ、話しやすいけ、割とすぐ仲良くなったかも。」


田村「…付き合ってたり、するん?」


「ん?誰と誰が?」


田村「ひぃちゃんと、理佐さん。」


「ないないないないない!!付き合っとらんよ!」


田村「…なんやぁ、良かったぁ。」


「ふふ、ん?良かった?」


田村「だって、保乃ひぃちゃんのこと好きやもん。」


「……え、?え?え?」


今、私の聞き間違いじゃなければ、保乃ちゃん、私の事好きっち、言いよったよね、え?ん?え?


田村「ふふ、だーかーら、」


座ってる保乃ちゃんと、立ってる私、保乃ちゃんの暖かい手が私の両頬包んで、可愛い顔でこう言ったんだ。


田村「好きなの、ひぃちゃんのことが。」


「っ…、私も、好き、ずっと、好きやった。」


田村「ほんまに?」


「うん、初めて保乃ちゃんと会った時からずっーと、好きやった。」


田村「っ…、付き合って、くれる?」


「うん、付き合いたい、です。」


こうして、私は好きな人と結ばれました。








藤吉「やっと、付き合ったみたいですね。」


小林「ね、てか、お店であんなイチャイチャして、後で叱ってやろ。」


藤吉「ふふ、ええやないですか、今日くらい。」


小林「…まぁ、夏鈴ちゃんがそーゆうなら、良いかなぁ。」


理佐「相変わらず、夏鈴ちゃんには弱いね〜〜。」


小林「うわ、びっくりした、どっから出てきたの。」


理佐「ふふ、ご馳走様、お会計お願いします。」


小林「はいはーい。」


理佐「夏鈴ちゃん、由依のこと幸せにしてあげてね。」


藤吉「ふふ、はいっ。」


-fin-


リクエスト 新入りカフェ店員の森田さんと常連田村さん!一目惚れする森田さんのお話。
恋愛とかじゃなくて、普通に仲良い森林みたいです。
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