田村｢ん〜、天ちゃ〜ん。｣


｢ん〜？？そんなにくっついてきて、なに、もっかいしたいの？｣


田村｢ふふ、ばか、もうせえへん、｣


｢しないかぁ、｣


田村｢今日一日ずーっと天ちゃんのこと考えとってん。｣


｢え？｣


田村｢もうすっかり沼にハマってもうたなぁ。｣


そう言うなら、そうやって言ってくれるなら、


田村｢まぁ、保乃の1番はひぃちゃんやけどな？｣


｢…そっか。ほら、シャワー入ってきな、もうすぐ帰るでしょ？｣


田村｢ん、せやなぁ、シャワー借りるなぁ〜｣


｢はーい。｣


あの日から半年、保乃からの連絡によって結局ダラダラと続いてしまっている私たち。
何度も告白を試みたけど、その度に上手くかわされて、期待する度に、打ち砕かれる。


それでもやっぱり好きで、離したくなくて、終わりにしようの一言も言えないまま。


｢はぁ…、いつまで続くんやろ。｣


ひかるのことを何度も羨ましいと思ったし、何度も妬んでしまった。それでも、一緒にいると楽しくて、メンバーとして1番、好きなのもひかるやった。


こんなの、メンバーとして、友達として最低だよね。














｢おはよーー。｣


森田｢あ！！おはよ、天ちゃん！｣


｢おはよ、ひかる。｣


森田｢昨日保乃ちゃんがお家行ったんやって？｣


｢え？あぁ、うん、保乃から聞いたの？｣


森田｢うん、連絡入ってたから。｣


｢そっか、｣


隠すことすらも、してもらえない、のか。


森田｢…なぁ、天ちゃん。｣


｢ん？？｣


森田｢これは、あくまでも、私の独り言、やけど｣


｢…ん、｣


森田｢私保乃ちゃんが浮気しとっても良いんよ。｣


｢え？｣


森田｢保乃ちゃんの1番は、ずっーと私やから。｣


｢っ…、｣


森田｢ふふ、まぁ独り言やけ、｣


｢そ、っか、保乃の1番は、ひかる、だもんね。｣


森田｢うん。勿論私の一番も、保乃ちゃんだよ。｣


田村｢あーー！ひぃちゃん居った！！おはよー！｣


森田｢おはよ、保乃ちゃん。朝から元気やね。｣


田村｢へへ、ひぃちゃんに会えたからな〜。｣
｢天ちゃんもおはよう〜。｣


｢おはよ。｣


田村｢２人して何の話してたん？｣


森田｢ん〜？ふふ、浮気の話、かなぁ。｣


田村｢っ…ふふ、なに、浮気の話って。｣


｢…高校生には重いわ〜。｣


森田｢あっはは、ごめん、ごめん。笑笑｣
｢私麗奈ちゃん所行ってくるけど、保乃ちゃんどうする？｣


田村｢んーー、じゃあ保乃は天ちゃん所いる！｣


森田｢ん、じゃあまた後でね。｣


田村｢うん、また後でな〜！｣


ひかるがれなぁの所へ行って、ソファーに二人きり。


田村｢天ちゃん、何言われたん。｣


｢…保乃が浮気してても、良いんだって。｣
｢保乃の1番は、ずっと、ひかるだから。｣


田村｢…ひぃちゃん、気づいてたんや。｣


｢もう、終わりにしよう、私たち、｣


田村｢…ひぃちゃんに怖くなったんや。｣


｢え、？｣


田村｢どうせ、ひぃちゃんに怖くなったんやろ？｣
｢ひぃちゃんが、行動に移したってことは、そろそろ限界やったんやもんなぁ、こっわーい顔されたやろ？｣


｢…怖いとか、そんなんやなくて、｣
｢これ以上関わっちゃダメな気がした、｣


田村｢…分かった。今まで付き合わせてごめんな、天ちゃん。｣


｢っ…、｣


田村｢今日からはメンバーに戻ろう。今までありがとう。｣


なんで、なんで保乃はそんなにあっさりしてるん。私の沼はそんなに浅かった？すぐ抜けれるほどだった？


…違う。最初からハマってなんかなかったんだ。
保乃は、ひかるのことしか見てない。
どんな形であれひかるの頭を、心を保乃でいっぱいにしたかっただけなんや。


｢…ふふ、なんや、それ、｣


田村｢…？｣


｢遊びやったんや、私で遊んでたんやろ？｣


田村｢…高校生に本気になるわけないやん。｣


｢っ…、こんなのでひかるのこと保乃で一杯にして満足なの？満たされるん？｣


田村｢…そうやなぁ、満たされへんけど、でも、何も無いよりはましやなぁ。｣


｢…最低。｣


田村｢保乃はこーゆう人間やから。ごめんな？天ちゃんの好きな保乃やなくて。｣


｢っ…、｣
｢…んーん、どんな保乃でも、好き、だったよ。｣


田村｢っ…、｣


｢あ、由依さーーんっ！！！｣


これでいい。
これでいいんだ。


例え、保乃の遊び道具だったとしても。
この半年は幸せやったから。
保乃を愛せたから。


小林｢…なーんかあった？｣


｢ん？｣


小林｢妙に大人っぽい表情してたから。｣


｢え〜、ふふ、私が大人になったってことですか〜？｣


小林｢すぐ調子乗んないの。ふふ、ケータリング行く？｣


｢行くー！！！｣
｢あ、ひかる、｣


森田｢ん？｣


｢例え、保乃の1番がずっとひかるであろうと、浮気は許しちゃ駄目、やと思うで。｣


森田｢…、｣


小林｢ふふ、何言ってんの笑笑｣


森田｢そうやね、笑｣
｢うん、許さないことにする。｣


｢ん、｣


小林｢なになに、保乃浮気してんの？｣


｢してないですよ笑笑笑｣


小林｢なーんだ、びっくりした。笑｣
｢ほら、行くよ。｣


｢はーい。｣


私を一生許さないで、ひかる。
そしたら、ひかるの頭に、心に、ほんの少しだけ残って居られるでしょう？
保乃で一杯に、ならないで。


-fin-


リクエスト 超えてはいけない一線の続き読みたいです。