▶︎ 森田 田村
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「「「「お疲れ様ー!!乾杯!!」」」」
大学時代の友人達と久々の再会に胸を躍らせながらグラスを響き渡らせた。
松田「いやー、この4人で集まるのも久々だね。」
「そうやねぇ、1年半ぶりとか?」
藤吉「そんな前かぁ…、どんどん大人になってくなぁ、」
武元「やばくない?うちら今年24だよ?」
「やーば。」
松田「あれ、そう言えばひかるってまだ保乃と付き合ってんの?」
「…いやー、別れちゃった。」
「「「え!」」」
「ごめん、言おう言おうとは思ってたんやけど、中々タイミングがなくて、笑」
松田「あー、いや、私こそごめんね、」
「んーん、もう過去のことやし。」
藤吉「…なんで別れたん。」
「私が気持ち伝えなさすぎたんよ、」
武元「…どーゆうこと?」
「恥ずかしくてさ、好きとか、愛してるとか、保乃ちゃんが言ってくれるのに私もって返すだけで終わっちゃってて、そしたらひぃちゃんの気持ちが分からへん、保乃もうやってけない、って言われちゃいました。」
松田「…まじかぁ、」
「その時引き止めればよかったんに、引き止められんくて、」
松田「…なーんで引き止めんかったの。」
藤吉「方言移ってるやん、」
「自信、なかったんよ、」
「今ここで引き止めて私は保乃ちゃんのこと幸せにすることできるんかなぁって、考え出したら、手、伸ばせんかった。」
武元「……そっかぁ、」
藤吉「うわっ!!」ガシャッ
松田「ちょっ、夏鈴、何してんのー!」
「すみませーん、タオルください!」
藤吉「ごめん、ほんまごめん、」
「服は?濡れとらん?大丈夫?」
藤吉「ん、大丈夫やで、ありがとう。」
「てか、夏鈴これ食べたいんやけど、」
武元「ふふ、ほんとマイペースやなぁ。ほなうちらもメニュー決めよっか。」
松田「だねぇ、」
夏鈴は昔から何かある度空気を変えてくれた。
私を、救ってくれていた。
それからお酒も入り、それなりに盛り上がっていた頃、私の視線に懐かしい姿が映った。
「んぶっ…、」
松田「うわ!!ひかるが吹いた!!!!」
武元「ちょっと、何してんねん!!笑笑」
藤吉「……ひかる?」
私の視線の先に居たのは間違いなく保乃ちゃんで。
そして向かい合わせに座っているのは私の知らない、男の人だった。
そっかぁ、保乃ちゃんはもう1歩踏み出してたんやね。私だけが引きずって、馬鹿みたい。
「ちょ、ごめん、トイレ!!」
その姿を見たくなくて、トイレに駆け込んだ。
ちゃんと気持ちを伝えなかった罰を神様は今私に与えたの?
「……はぁ、気分悪い、帰ろ、」
保乃ちゃんにバレる前に、自分の気持ちが溢れてしまう前に、ここから離れよう。
「ごめん、これお金、」
「飲みすぎたんかも、体調悪いけ、帰るね。」
松田「ちょっと、大丈夫!?」
藤吉「送ってこうか?」
「んーん、大丈夫、ありがとう、」
財布からお金をぬき机に置いた。
出口までの距離、絶対に保乃ちゃんの横を通らなければならない。お願い、どうか気づかないで、
「ごめんね、また誘って。」
武元「ん!もちろん!気をつけてな?」
「ありがとう、また!」
バレんように、出来るだけ距離をとって、出口へ向かった。
出口まで、あとちょっと、
田村「……ひぃちゃん?」
「っ…、」
バレた、バレてしまった。
どうする、逃げる?それとも普通に話す?
いや、話すことなんて出来るわけない。
「ごめん!!!」
ガラガラ
よく知らない街をダッシュして駆け抜ける。
あぁ、やばい、急に走ったからか、さっきまではなかった酔いが勢いよく襲ってくる。
「はぁはぁ、気持ち悪い、」
人通りのない路地裏。
あんなに栄えていた街にもこんな所があったんだ。
治安が悪いわけでも、小汚い感じも一切ない。
ほんとに映画とかに出てくるような綺麗な路地裏。
まるで、世界に1人だけ取り残されたような、そんな感じ。
誰かが捨てたのか、はたまた敢えて置いていったのかは分からない年代物のギターがそこには置いてあった。
保乃ちゃん、私のギター弾いてるところが好きだって言ってくれてたっけ。
気づけば、段差に腰をかけてチューニングをしていた。
不器用な私が、唯一保乃ちゃんに愛を伝えられたのは弾き語りだけやった。
コードを押え歌詞を口ずさむ。
"大好きで、大切で、大事な君には"
"愛してるなんて言わないよ"
何度も歌ってきた歌。指もコードを覚えている。
2人で暮らしていた部屋、香り、目の前で笑って聞いてくれてる保乃ちゃんの姿。
全てが鮮明に思い浮かぶ。
田村「はぁはぁ…、ひぃちゃん、」
「っ…保乃、ちゃん、」
田村「自分勝手な保乃を許して欲しい、」
「保乃、まだひぃちゃんが好き。」
「え?」
田村「別れてから、ずっと後悔してる、ひぃちゃんが居らんくなった毎日はほんまにつまらんくて、」
「っ…でも、さっき、男の人と一緒に居たやろ、」
田村「あの人とは付き合ってない、会社の先輩、」
「…、」
田村「ひぃちゃんはもう、保乃のこと好きやないと思う、でも、保乃はやっぱりひぃちゃんが好き。」
「っ…、ちゃんと、気持ち言葉にしなくてごめん、不安にさせて、本当にごめん、」
田村「…んーん、ひぃちゃんの好きはちゃんと行動から伝わってた、」
「次からはちゃんと言葉にする。全部言葉にして保乃ちゃんに伝えるから、もう1回、私とやり直して貰えないかな、」
田村「…いいんっ、?」
「保乃ちゃんじゃなきゃ、駄目なんよ、」
田村「っ…ひぃちゃんっ、、」
「好き。ずっと、好きやった。」
田村「保乃もひぃちゃんが好き。ひぃちゃんじゃなきゃ幸せになれへん、」
「…愛してるよ、保乃ちゃん、」
失った温もりを再び手にした時、人は改めて温もりの大切さに気づくんだと思う。
何度も身勝手な理由で保乃ちゃんを傷つけた。不安にさせた。
今日からは何があっても気持ちを言葉にしよう。どんな些細なことも伝え合おう。
もう二度とこの温もりを失わないように。
-fin-
大学時代の友人達と久々の再会に胸を躍らせながらグラスを響き渡らせた。
松田「いやー、この4人で集まるのも久々だね。」
「そうやねぇ、1年半ぶりとか?」
藤吉「そんな前かぁ…、どんどん大人になってくなぁ、」
武元「やばくない?うちら今年24だよ?」
「やーば。」
松田「あれ、そう言えばひかるってまだ保乃と付き合ってんの?」
「…いやー、別れちゃった。」
「「「え!」」」
「ごめん、言おう言おうとは思ってたんやけど、中々タイミングがなくて、笑」
松田「あー、いや、私こそごめんね、」
「んーん、もう過去のことやし。」
藤吉「…なんで別れたん。」
「私が気持ち伝えなさすぎたんよ、」
武元「…どーゆうこと?」
「恥ずかしくてさ、好きとか、愛してるとか、保乃ちゃんが言ってくれるのに私もって返すだけで終わっちゃってて、そしたらひぃちゃんの気持ちが分からへん、保乃もうやってけない、って言われちゃいました。」
松田「…まじかぁ、」
「その時引き止めればよかったんに、引き止められんくて、」
松田「…なーんで引き止めんかったの。」
藤吉「方言移ってるやん、」
「自信、なかったんよ、」
「今ここで引き止めて私は保乃ちゃんのこと幸せにすることできるんかなぁって、考え出したら、手、伸ばせんかった。」
武元「……そっかぁ、」
藤吉「うわっ!!」ガシャッ
松田「ちょっ、夏鈴、何してんのー!」
「すみませーん、タオルください!」
藤吉「ごめん、ほんまごめん、」
「服は?濡れとらん?大丈夫?」
藤吉「ん、大丈夫やで、ありがとう。」
「てか、夏鈴これ食べたいんやけど、」
武元「ふふ、ほんとマイペースやなぁ。ほなうちらもメニュー決めよっか。」
松田「だねぇ、」
夏鈴は昔から何かある度空気を変えてくれた。
私を、救ってくれていた。
それからお酒も入り、それなりに盛り上がっていた頃、私の視線に懐かしい姿が映った。
「んぶっ…、」
松田「うわ!!ひかるが吹いた!!!!」
武元「ちょっと、何してんねん!!笑笑」
藤吉「……ひかる?」
私の視線の先に居たのは間違いなく保乃ちゃんで。
そして向かい合わせに座っているのは私の知らない、男の人だった。
そっかぁ、保乃ちゃんはもう1歩踏み出してたんやね。私だけが引きずって、馬鹿みたい。
「ちょ、ごめん、トイレ!!」
その姿を見たくなくて、トイレに駆け込んだ。
ちゃんと気持ちを伝えなかった罰を神様は今私に与えたの?
「……はぁ、気分悪い、帰ろ、」
保乃ちゃんにバレる前に、自分の気持ちが溢れてしまう前に、ここから離れよう。
「ごめん、これお金、」
「飲みすぎたんかも、体調悪いけ、帰るね。」
松田「ちょっと、大丈夫!?」
藤吉「送ってこうか?」
「んーん、大丈夫、ありがとう、」
財布からお金をぬき机に置いた。
出口までの距離、絶対に保乃ちゃんの横を通らなければならない。お願い、どうか気づかないで、
「ごめんね、また誘って。」
武元「ん!もちろん!気をつけてな?」
「ありがとう、また!」
バレんように、出来るだけ距離をとって、出口へ向かった。
出口まで、あとちょっと、
田村「……ひぃちゃん?」
「っ…、」
バレた、バレてしまった。
どうする、逃げる?それとも普通に話す?
いや、話すことなんて出来るわけない。
「ごめん!!!」
ガラガラ
よく知らない街をダッシュして駆け抜ける。
あぁ、やばい、急に走ったからか、さっきまではなかった酔いが勢いよく襲ってくる。
「はぁはぁ、気持ち悪い、」
人通りのない路地裏。
あんなに栄えていた街にもこんな所があったんだ。
治安が悪いわけでも、小汚い感じも一切ない。
ほんとに映画とかに出てくるような綺麗な路地裏。
まるで、世界に1人だけ取り残されたような、そんな感じ。
誰かが捨てたのか、はたまた敢えて置いていったのかは分からない年代物のギターがそこには置いてあった。
保乃ちゃん、私のギター弾いてるところが好きだって言ってくれてたっけ。
気づけば、段差に腰をかけてチューニングをしていた。
不器用な私が、唯一保乃ちゃんに愛を伝えられたのは弾き語りだけやった。
コードを押え歌詞を口ずさむ。
"大好きで、大切で、大事な君には"
"愛してるなんて言わないよ"
何度も歌ってきた歌。指もコードを覚えている。
2人で暮らしていた部屋、香り、目の前で笑って聞いてくれてる保乃ちゃんの姿。
全てが鮮明に思い浮かぶ。
田村「はぁはぁ…、ひぃちゃん、」
「っ…保乃、ちゃん、」
田村「自分勝手な保乃を許して欲しい、」
「保乃、まだひぃちゃんが好き。」
「え?」
田村「別れてから、ずっと後悔してる、ひぃちゃんが居らんくなった毎日はほんまにつまらんくて、」
「っ…でも、さっき、男の人と一緒に居たやろ、」
田村「あの人とは付き合ってない、会社の先輩、」
「…、」
田村「ひぃちゃんはもう、保乃のこと好きやないと思う、でも、保乃はやっぱりひぃちゃんが好き。」
「っ…、ちゃんと、気持ち言葉にしなくてごめん、不安にさせて、本当にごめん、」
田村「…んーん、ひぃちゃんの好きはちゃんと行動から伝わってた、」
「次からはちゃんと言葉にする。全部言葉にして保乃ちゃんに伝えるから、もう1回、私とやり直して貰えないかな、」
田村「…いいんっ、?」
「保乃ちゃんじゃなきゃ、駄目なんよ、」
田村「っ…ひぃちゃんっ、、」
「好き。ずっと、好きやった。」
田村「保乃もひぃちゃんが好き。ひぃちゃんじゃなきゃ幸せになれへん、」
「…愛してるよ、保乃ちゃん、」
失った温もりを再び手にした時、人は改めて温もりの大切さに気づくんだと思う。
何度も身勝手な理由で保乃ちゃんを傷つけた。不安にさせた。
今日からは何があっても気持ちを言葉にしよう。どんな些細なことも伝え合おう。
もう二度とこの温もりを失わないように。
-fin-