▶︎ 守屋 藤吉
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恋愛は難しい。
駆け引きとか、価値観とか、好き嫌いとか、凸凹が上手く合わさんなきゃ別の道へ行くことになるし、天秤が真っ直ぐにならなければ、どちらかが苦しい想いを抱くことになる。
そんなんやったら、夏鈴はずっと1人でいい。
誰かに振り回されて、誰かを振り回して、傷ついて、傷つけて、そんな日々を送ってしまうくらいなら、一人でいた方がいいと思った。
それなのに、出会ってしまったんだ。
夏鈴の心を独り占めする女の子に。
守屋「夏鈴ちゃん〜、またここに居た〜。」
「…、授業出なくて良いん?」
守屋「それは夏鈴ちゃんも一緒でしょ?」
木の葉が茶色くなり始めた頃だった、屋上でサボる夏鈴の元へやってきた小柄で、整った顔の女の子。守屋麗奈ちゃん。一目見た瞬間、夏鈴の心は彼女に奪われたんだ。
「まぁ、そうやけど、」
守屋「ふふ、くしゅっ…、ん〜、寒くなってきたね。」
「セーターだけで来るからやろ。」
「ん、これ着て。」
守屋「そしたら夏鈴ちゃんが寒くなっちゃうよ。」
「守屋ちゃんに風邪ひかれる方が困る。」
守屋「…ありがとうっ、」
夏鈴のパーカーを羽織った彼女は気恥しそうに袖に口元を埋めて、"なんか、恋人みたい"なんて呟いた。
暴れるな、夏鈴の心臓。落ち着け。
守屋ちゃんにとってこれは通常運転で、他にも言われてる人は沢山居る、勘違いするな。
守屋「屋上好きなの?」
「好き、かな。なんにも縛られへん感じがする。」
守屋「そっか、夏鈴ちゃんらしいね。」
夏鈴らしい、と言ってくれるほど守屋ちゃんは夏鈴のことを知ってくれているのだろうか。
守屋ちゃんにとって夏鈴は、どんな存在なんやろう。
そんなこと、聞けるわけないねんけど。
守屋「あ!なんかチラシ落ちてる!」
「ん〜?どっかから飛んできたんかな。」
てくてく、なんて効果音を口ずさみながらチラシを手に取った守屋ちゃんは、嬉しそうな顔をして夏鈴のすぐ側まで駆け寄ってきた。
「どうしたん?」
守屋「これ!行こうよ!夏鈴ちゃん!」
「…イルミネーション?」
守屋「うん!麗奈、今年まだ1回も見てないんだ〜。」
「なら、夏鈴やなくて他の人と…、」
守屋「夏鈴ちゃんとがいいの!もう〜、何でわかんないかな〜。」
今年初のイルミネーション。女の子にとってそれは結構大きな行事なんやないの?そんな貴重な日を夏鈴にくれていいん?
「ほんまに、いいの?」
守屋「麗奈が誘ってるんだけど。」
「ふふ、ほな、行こか。イルミネーション。」
守屋「ほんとに!やった〜!!」
無邪気に喜ぶ姿があまりにも可愛くて、つい伸ばした手はそのまま頭の上へ着いてしまった。
守屋「っ…、本当に恋人みたい。」
「あ…ごめ、ん、」
守屋「…離さないで、」
「え?」
守屋「夏鈴ちゃんに撫でられるの、気持ちいい。」
「っ…、」
可愛すぎやろ。反則やで。どないしたらいいん。
守屋「ねぇ、夏鈴ちゃん。」
「ん?」
守屋「私達ってどんな関係?」
「ど、んな、」
夏鈴の片想い?友達?クラスメイト?
思い当たる節はあるけど、どれもピンと来ない。
「恋人、ごっこ、?」
守屋「っ…、夏鈴ちゃんにとって麗奈はごっこで終わっちゃうの?」
「っ…ちがう、」
違う、夏鈴が恋人に憧れているだけ、なれもしない麗奈ちゃんの恋人に。憧れて、麗奈ちゃんの発言一つ一つがまるでごっこ遊びのように紡がれるからつい口にしてしまっただけで。
守屋「じゃあなに?」
「麗奈のことどう想ってるの?」
「っ…、」
これだから恋愛は難しい。
苦しくなって、息の仕方すら忘れてしまう。
それなのに、恋は夏鈴を逃がしてくれなくて、答えを求めてくる。
「好きで好きで、仕方ない。」
守屋「っ…、」
「引いたやろ、?夏鈴、守屋ちゃんのことが好きやねん。自分でも訳分からんくらい好きで仕方ないねん。」
守屋「ほんとに?」
「こんなとこで嘘つかんよ、」
守屋「麗奈も。」
「…?」
守屋「だーかーら!麗奈も!夏鈴ちゃんと同じ気持ち!」
「同じ気持ちって………、え?嘘やろ?ほんまに?」
守屋「ふふ、ほんまに!!!」
嘘やん、守屋ちゃんが夏鈴と同じ気持ちとか、夏に雪が降るくらい有り得ない事が起きてるで。
守屋「も〜、ほんと鈍感なんだから。」
「麗奈ずっとアタックしてたんだよ?」
「そう、なん?」
守屋「うんっ、あと、夏鈴ちゃんが告白してくれるの待ってた。」
「っ…気づいてたん?」
守屋「気づくよそりゃ〜。顔に書いてあるもん!麗奈のことが好き〜って!」
「…恥ずかしいやん。」
守屋「ふふ、」
「…、」
彼女の細い腰に手を回して、グイッと夏鈴側へ寄せた。0cmになった距離に、夏鈴の心臓は爆発しそう。
「守屋ちゃん、」
守屋「麗奈って呼んで?」
「麗奈ちゃん、」
守屋「ちーがーう、れーな!」
「…麗奈、」
守屋「ふふ、なーに?」
「好きやで、」
守屋「麗奈も、好き。」
背の小さい彼女が背伸びをして、目を俯かせながら夏鈴の唇を奪った。
「っ…、」
守屋「へへ、キスしちゃった、」
今のは反則やろ。あかん、もう1回。
守屋「んっ…、意外と積極的なんだね?」
「麗奈にだけだよ。」
きっと麗奈と夏鈴の凹凸はしっかりハマっていて、今すぐにでも誰かに自慢したくて仕方ない。
恋は主人公になるべきなんやな。
「好きやで。」
守屋「麗奈も。大好き。」
-Fin-
リクエスト
・ふじれなの話読みたいです。
・甘々なれなかりん!
駆け引きとか、価値観とか、好き嫌いとか、凸凹が上手く合わさんなきゃ別の道へ行くことになるし、天秤が真っ直ぐにならなければ、どちらかが苦しい想いを抱くことになる。
そんなんやったら、夏鈴はずっと1人でいい。
誰かに振り回されて、誰かを振り回して、傷ついて、傷つけて、そんな日々を送ってしまうくらいなら、一人でいた方がいいと思った。
それなのに、出会ってしまったんだ。
夏鈴の心を独り占めする女の子に。
守屋「夏鈴ちゃん〜、またここに居た〜。」
「…、授業出なくて良いん?」
守屋「それは夏鈴ちゃんも一緒でしょ?」
木の葉が茶色くなり始めた頃だった、屋上でサボる夏鈴の元へやってきた小柄で、整った顔の女の子。守屋麗奈ちゃん。一目見た瞬間、夏鈴の心は彼女に奪われたんだ。
「まぁ、そうやけど、」
守屋「ふふ、くしゅっ…、ん〜、寒くなってきたね。」
「セーターだけで来るからやろ。」
「ん、これ着て。」
守屋「そしたら夏鈴ちゃんが寒くなっちゃうよ。」
「守屋ちゃんに風邪ひかれる方が困る。」
守屋「…ありがとうっ、」
夏鈴のパーカーを羽織った彼女は気恥しそうに袖に口元を埋めて、"なんか、恋人みたい"なんて呟いた。
暴れるな、夏鈴の心臓。落ち着け。
守屋ちゃんにとってこれは通常運転で、他にも言われてる人は沢山居る、勘違いするな。
守屋「屋上好きなの?」
「好き、かな。なんにも縛られへん感じがする。」
守屋「そっか、夏鈴ちゃんらしいね。」
夏鈴らしい、と言ってくれるほど守屋ちゃんは夏鈴のことを知ってくれているのだろうか。
守屋ちゃんにとって夏鈴は、どんな存在なんやろう。
そんなこと、聞けるわけないねんけど。
守屋「あ!なんかチラシ落ちてる!」
「ん〜?どっかから飛んできたんかな。」
てくてく、なんて効果音を口ずさみながらチラシを手に取った守屋ちゃんは、嬉しそうな顔をして夏鈴のすぐ側まで駆け寄ってきた。
「どうしたん?」
守屋「これ!行こうよ!夏鈴ちゃん!」
「…イルミネーション?」
守屋「うん!麗奈、今年まだ1回も見てないんだ〜。」
「なら、夏鈴やなくて他の人と…、」
守屋「夏鈴ちゃんとがいいの!もう〜、何でわかんないかな〜。」
今年初のイルミネーション。女の子にとってそれは結構大きな行事なんやないの?そんな貴重な日を夏鈴にくれていいん?
「ほんまに、いいの?」
守屋「麗奈が誘ってるんだけど。」
「ふふ、ほな、行こか。イルミネーション。」
守屋「ほんとに!やった〜!!」
無邪気に喜ぶ姿があまりにも可愛くて、つい伸ばした手はそのまま頭の上へ着いてしまった。
守屋「っ…、本当に恋人みたい。」
「あ…ごめ、ん、」
守屋「…離さないで、」
「え?」
守屋「夏鈴ちゃんに撫でられるの、気持ちいい。」
「っ…、」
可愛すぎやろ。反則やで。どないしたらいいん。
守屋「ねぇ、夏鈴ちゃん。」
「ん?」
守屋「私達ってどんな関係?」
「ど、んな、」
夏鈴の片想い?友達?クラスメイト?
思い当たる節はあるけど、どれもピンと来ない。
「恋人、ごっこ、?」
守屋「っ…、夏鈴ちゃんにとって麗奈はごっこで終わっちゃうの?」
「っ…ちがう、」
違う、夏鈴が恋人に憧れているだけ、なれもしない麗奈ちゃんの恋人に。憧れて、麗奈ちゃんの発言一つ一つがまるでごっこ遊びのように紡がれるからつい口にしてしまっただけで。
守屋「じゃあなに?」
「麗奈のことどう想ってるの?」
「っ…、」
これだから恋愛は難しい。
苦しくなって、息の仕方すら忘れてしまう。
それなのに、恋は夏鈴を逃がしてくれなくて、答えを求めてくる。
「好きで好きで、仕方ない。」
守屋「っ…、」
「引いたやろ、?夏鈴、守屋ちゃんのことが好きやねん。自分でも訳分からんくらい好きで仕方ないねん。」
守屋「ほんとに?」
「こんなとこで嘘つかんよ、」
守屋「麗奈も。」
「…?」
守屋「だーかーら!麗奈も!夏鈴ちゃんと同じ気持ち!」
「同じ気持ちって………、え?嘘やろ?ほんまに?」
守屋「ふふ、ほんまに!!!」
嘘やん、守屋ちゃんが夏鈴と同じ気持ちとか、夏に雪が降るくらい有り得ない事が起きてるで。
守屋「も〜、ほんと鈍感なんだから。」
「麗奈ずっとアタックしてたんだよ?」
「そう、なん?」
守屋「うんっ、あと、夏鈴ちゃんが告白してくれるの待ってた。」
「っ…気づいてたん?」
守屋「気づくよそりゃ〜。顔に書いてあるもん!麗奈のことが好き〜って!」
「…恥ずかしいやん。」
守屋「ふふ、」
「…、」
彼女の細い腰に手を回して、グイッと夏鈴側へ寄せた。0cmになった距離に、夏鈴の心臓は爆発しそう。
「守屋ちゃん、」
守屋「麗奈って呼んで?」
「麗奈ちゃん、」
守屋「ちーがーう、れーな!」
「…麗奈、」
守屋「ふふ、なーに?」
「好きやで、」
守屋「麗奈も、好き。」
背の小さい彼女が背伸びをして、目を俯かせながら夏鈴の唇を奪った。
「っ…、」
守屋「へへ、キスしちゃった、」
今のは反則やろ。あかん、もう1回。
守屋「んっ…、意外と積極的なんだね?」
「麗奈にだけだよ。」
きっと麗奈と夏鈴の凹凸はしっかりハマっていて、今すぐにでも誰かに自慢したくて仕方ない。
恋は主人公になるべきなんやな。
「好きやで。」
守屋「麗奈も。大好き。」
-Fin-
リクエスト
・ふじれなの話読みたいです。
・甘々なれなかりん!