▶︎ 森田 田村
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"お前は重いんだよ、じゃあな"
人通りの少ない夜道で、カップルの別れを見た。
彼氏の方は言ってやったと言わんばかりの表情で立ち去って、振られた女の人はただぼーっと突っ立っているだけ。
いや、後ろ姿だけやけ、そう見えてるんかな。
ほんの僅かに震えてる肩に納得がいったのは彼女の横を通り過ぎてからやった。
田村「ぐすっ…、」
「……え、」
田村「…え、あ、ひぃ、ちゃん、」
「…こんばんは、先生、」
振られた彼女は、まさかの担任で、思わぬ展開に空いた口が塞がらない。
田村「……見んとって、こんな所、」
そう言ってまたボロボロと泣き出した先生は、人の目も気にせずしゃがみこんでしまった。
いやまぁ、気にするほど人も通ってないんやけど。
「ちょ…、」
流石に放っておける訳もなく、私も一緒にしゃがみこんで、ただひたすら肩を摩っていた。
田村「重いんやって、保乃、」
「…まぁ、それは否定出来んかも、」
田村「…、」
「そんな睨まんでよ、」
「私が他の先生と話すだけで嫉妬するんは何処の誰?」
田村「…保乃、やけど、」
「ね?彼氏さんにはもっとしてたんやろ?」
田村「…してないねん、寧ろ逆って言うか、」
「……ん?」
田村「あっちが束縛とか沢山してきて、それで、前に保乃は全然してくれないよね、って言われたから、敢えてしてたって言うか、」
「…それで、重いっち言われて振られたん?」
田村「うん、意味分からんやろ、無理して束縛とかした保乃馬鹿やん、もうほんま馬鹿、」
成程、じゃあ今流してる涙は振られて悲しい涙、ではなく、無駄な努力やったっていう自己嫌悪によるものっち事?
「…まあ、先生可愛いし、もっと良い人が見つかるよ。」
田村「…別にもうええ、彼氏と付き合ったのも嫉妬して欲しかったからやし、」
「……誰に?」
田村「…好きな人。」
「す、好きな人居ると!?」
田村「居るよ!!」
「好きな人居るのに彼氏と付き合ってたのは、それは、どうなん、」
田村「…もう、時効やろ、」
「ふふ、先生も中々やね。」
「ていうか、その好きな人にアタックすればいいやん。」
田村「脈なしやから。」
「なんでそんな決めつけるん?」
田村「だって、保乃に彼氏がいるって分かっても顔色一つ変えず、そうなんだ〜って、興味無さそうやったし、いつも保乃ばっか嫉妬して、馬鹿みたいやろ。」
「自分の気持ち、隠すのが上手い人なんやない?分からん、けど。」
少なくとも、私はそっち側。
先生に一目惚れした時も、先生に彼氏が居ると知った時も、今も、ずっとドキドキして、苦しいのに、それを隠して、こうやって普通に話してるんだよ。
田村「…やったら、上手すぎやで、」
「…先生は嫉妬する人が多かね、」
田村「多くないよ!」
「だって、私にやってしてるやん。」
「好きな人だけにせんと、勘違いされちゃうよ。」
田村「っ…、ほんま鈍感。」
「好きな人だけにしてんねん。なんで一日に2回も振られるようなこと言わせるん。」
「っ…、え?ちょ、え?」
好きな人だけにしてるっち、そんなの勘違いしちゃうよ、自惚れちゃうよ。
田村「…、」
「保乃、ちゃん、」
田村「っ…、初めて名前呼んでくれた、」
「…、先生って呼ばんと、いつか口が滑っちゃいそうやったから。」
田村「…?」
「ふふ、保乃ちゃんの事が好きって、言っちゃうかもしれんやろ。」
田村「っ…、それ、ほんま?」
「どうだと思う?」
田村「保乃は、信じたい。」
「信じて、3年生になった日、初めて保乃ちゃんを見た時から、ずっっと、好きでした。」
田村「っ…、じゃあ、保乃に彼氏がいるって言った時、」
「嫉妬しとったよ、嫉妬で、狂いそうやった。」
田村「っ…、」
「でも、気持ちを伝えて、話せなくなるのが嫌やったから、頑張ってたんよ、」
田村「ほんま、ポーカーフェイス過ぎるやろ、」
「ふふ、上手やった?」
田村「うん、上手すぎ。」
「で、返事は?」
田村「OKに決まってるやん。」
「あ、でも、卒業するまでは、皆には内緒やで?」
「分かっとるよ笑笑」
「今日からは、私だけに愛されて、私だけを愛してね。」
田村「当たり前やん。」
「ひぃちゃんって意外と重いんやな?」
「ふふ、そうかも。」
田村「重い方がええ。保乃の全部をひぃちゃんに上げる。」
「私も、全部を保乃ちゃんにあげるよ。」
-fin-
人通りの少ない夜道で、カップルの別れを見た。
彼氏の方は言ってやったと言わんばかりの表情で立ち去って、振られた女の人はただぼーっと突っ立っているだけ。
いや、後ろ姿だけやけ、そう見えてるんかな。
ほんの僅かに震えてる肩に納得がいったのは彼女の横を通り過ぎてからやった。
田村「ぐすっ…、」
「……え、」
田村「…え、あ、ひぃ、ちゃん、」
「…こんばんは、先生、」
振られた彼女は、まさかの担任で、思わぬ展開に空いた口が塞がらない。
田村「……見んとって、こんな所、」
そう言ってまたボロボロと泣き出した先生は、人の目も気にせずしゃがみこんでしまった。
いやまぁ、気にするほど人も通ってないんやけど。
「ちょ…、」
流石に放っておける訳もなく、私も一緒にしゃがみこんで、ただひたすら肩を摩っていた。
田村「重いんやって、保乃、」
「…まぁ、それは否定出来んかも、」
田村「…、」
「そんな睨まんでよ、」
「私が他の先生と話すだけで嫉妬するんは何処の誰?」
田村「…保乃、やけど、」
「ね?彼氏さんにはもっとしてたんやろ?」
田村「…してないねん、寧ろ逆って言うか、」
「……ん?」
田村「あっちが束縛とか沢山してきて、それで、前に保乃は全然してくれないよね、って言われたから、敢えてしてたって言うか、」
「…それで、重いっち言われて振られたん?」
田村「うん、意味分からんやろ、無理して束縛とかした保乃馬鹿やん、もうほんま馬鹿、」
成程、じゃあ今流してる涙は振られて悲しい涙、ではなく、無駄な努力やったっていう自己嫌悪によるものっち事?
「…まあ、先生可愛いし、もっと良い人が見つかるよ。」
田村「…別にもうええ、彼氏と付き合ったのも嫉妬して欲しかったからやし、」
「……誰に?」
田村「…好きな人。」
「す、好きな人居ると!?」
田村「居るよ!!」
「好きな人居るのに彼氏と付き合ってたのは、それは、どうなん、」
田村「…もう、時効やろ、」
「ふふ、先生も中々やね。」
「ていうか、その好きな人にアタックすればいいやん。」
田村「脈なしやから。」
「なんでそんな決めつけるん?」
田村「だって、保乃に彼氏がいるって分かっても顔色一つ変えず、そうなんだ〜って、興味無さそうやったし、いつも保乃ばっか嫉妬して、馬鹿みたいやろ。」
「自分の気持ち、隠すのが上手い人なんやない?分からん、けど。」
少なくとも、私はそっち側。
先生に一目惚れした時も、先生に彼氏が居ると知った時も、今も、ずっとドキドキして、苦しいのに、それを隠して、こうやって普通に話してるんだよ。
田村「…やったら、上手すぎやで、」
「…先生は嫉妬する人が多かね、」
田村「多くないよ!」
「だって、私にやってしてるやん。」
「好きな人だけにせんと、勘違いされちゃうよ。」
田村「っ…、ほんま鈍感。」
「好きな人だけにしてんねん。なんで一日に2回も振られるようなこと言わせるん。」
「っ…、え?ちょ、え?」
好きな人だけにしてるっち、そんなの勘違いしちゃうよ、自惚れちゃうよ。
田村「…、」
「保乃、ちゃん、」
田村「っ…、初めて名前呼んでくれた、」
「…、先生って呼ばんと、いつか口が滑っちゃいそうやったから。」
田村「…?」
「ふふ、保乃ちゃんの事が好きって、言っちゃうかもしれんやろ。」
田村「っ…、それ、ほんま?」
「どうだと思う?」
田村「保乃は、信じたい。」
「信じて、3年生になった日、初めて保乃ちゃんを見た時から、ずっっと、好きでした。」
田村「っ…、じゃあ、保乃に彼氏がいるって言った時、」
「嫉妬しとったよ、嫉妬で、狂いそうやった。」
田村「っ…、」
「でも、気持ちを伝えて、話せなくなるのが嫌やったから、頑張ってたんよ、」
田村「ほんま、ポーカーフェイス過ぎるやろ、」
「ふふ、上手やった?」
田村「うん、上手すぎ。」
「で、返事は?」
田村「OKに決まってるやん。」
「あ、でも、卒業するまでは、皆には内緒やで?」
「分かっとるよ笑笑」
「今日からは、私だけに愛されて、私だけを愛してね。」
田村「当たり前やん。」
「ひぃちゃんって意外と重いんやな?」
「ふふ、そうかも。」
田村「重い方がええ。保乃の全部をひぃちゃんに上げる。」
「私も、全部を保乃ちゃんにあげるよ。」
-fin-