シュッ バンッ


｢｢｢｢きゃー！！！！｣｣｣｣


凛とした姿勢で、矢を放ったhkr。
しっかりと的の中心に当たり外野からは黄色い声が上がる。


｢ナイスショット、｣


各言う私も外野の子と知識は対して変わらず本来ならばこんな間近で的を射る姿を見てはいけないだろう。そんな私がこんな近くでみれる理由はたった1つ。黄色い声の中心にいる人物が私の恋人だから。


『…ふぅ、』


｢お疲れ様。｣


『ありがとう。』


｢相変わらず人気だね｣


『理佐ちゃん以外興味ない。』


｢ふふ、知ってる｣
｢好き。｣


『っ…知ってる。』


｢知られてたか〜。｣


先程の凛とした姿からは想像も出来ないほど辿々しいhkr、ほんとなんでこんな好きになっちゃったんだろ。なんて痛む胸を労わってそんな思考がよぎる。


ガチャ


森｢あ、理佐さんおはようございまーす｣


｢おはよ、ひかるちゃん｣


森｢あ！hkrさん！hkrさん！！｣


『ん？』


森｢見てくださいこれ、昨日やっと出てくれたんですよ！！！｣


『この前言ってたガチャガチャの？』


森｢はいっ！！｣


『良かったね、』


優しい頬笑みを浮かべてひかるちゃんの頭を撫でる姿を見ると、人に対しての興味がかなり低いhkrだけどひかるちゃんのことは本当に好きで、可愛くて仕方ないんだろうなぁ、なんて思う。そんな見解に少しだけ嫉妬してしまう。


森｢ふふ、｣


『あ、そういえば天ちゃんがひかるちゃん来たら部室来るよう言ってくださいって言ってたよ』


森｢了解です！いってきまーす！｣


『はーい。』
『…理佐ちゃん？』


｢ん？｣


『どうしたの』


｢え、ん？｣


『寂しそうな顔してる。』


｢嘘、ふふ、ごめん、なんでもないよ｣


ほんとhkrの事になるとポーカーフェイスも何も出来たもんじゃないな。


『…』


そっと弓を下に置き1歩ずつ近づいてくるhkr。座っている私の前に跪き、ぎゅっと抱き締めてくれた。


｢…hkrの匂いだ。｣


『…汗臭い？』


｢んーん、全然｣


『良かった。』


｢ねぇ、好き。｣


そう言えばhkrはまた顔を赤らめて知ってる、なんて呟くのだろう。


『…』
『私も理佐ちゃんが好き。』


｢え…、｣


『…じゃ、じゃあ練習してくる、』


｢あ、ちょっ…｣
｢もう、ばか、｣


『っ…』


耳まで真っ赤にした彼女は動揺からか2回連続で的を外した。


｢ふふ、動揺しすぎ。｣


『…理佐、好き。』


もう一度私のほうを振り返ってそう笑ったhkr。


私の心の的のど真ん中を打たれた。
、、ナイスショット。


-fin-