ピコン


Hono：やっぱり今日hkrのお家行ってもええ？


『！！！』


松田｢なに、どうしたの？｣


『保乃ちゃんが今日お家来てくれるって』


松田｢あははっ、保乃明日まで耐えられなかったんだね笑良かったじゃん。｣


『ん、嬉しい。』


hkr：もちろん。これでお仕事終わり？


Hono：おわり！hkrは？


hkr：私も終わり！


Hono：ほな、終わったら一緒に帰ろう？


hkr：スタンプ (了解)


松田｢ニヤニヤしちゃってー。｣


『え、顔に出てた？』


松田｢ふふ、うんっ。｣


『直さなきゃ…。』


松田｢ふふ、あ、そうそうこの前さ………｣


楽屋の待ち時間、キャプテンと話をしていればスタッフさんに"移動お願いします"なんて言われて、ぞろぞろと楽屋を出て行く。


松田｢ひーかるっー｣


森田｢おわっ、ちょ、危ないやろー？笑｣


松田｢へへへ、｣


『…保乃ちゃん。』


田村｢ん？収録行こ？｣


『うん、』


可愛い笑顔を浮かべて楽屋を出る保乃ちゃんの手を遠慮気味に取る。


田村｢っ…ふふ、珍しいな？｣


『たまには、ね。』


田村｢んふふ、カップルみたいやな。｣


『みたいじゃなくて、カップル。』


田村｢やな。笑｣
｢ほないこか〜〜｣


『ん。』


保乃ちゃんの手は、保乃ちゃんのように暖かかった。














マネージャー｢じゃあこれで終わりの子たちは送ってくから声かけてねー。｣


｢｢｢｢｢｢はーい。｣｣｣｣｣｣


『あ、今日車で来たので私と保乃ちゃん大丈夫です。』


マネージャー｢はいよ！！気をつけてね？｣


『はい。』


Hono side


ドライブデート、やんな？
のそのそと帰り支度をしているhkrを見ながらドキドキとした心臓を落ち着かせる。


『保乃ちゃん、帰れる？』


｢うん、帰れるで！｣


『じゃあ帰ろっか。』


｢やな〜、ほな皆また明日〜〜！｣


『お疲れ様、』


｢｢｢｢｢｢｢おつかれー！！！｣｣｣｣｣｣｣


森田｢よっ、リア充！！｣
松田｢ドライブデートッ！｣
天｢ラブ！ラブ！｣


田村｢うるさいーー！！！｣


｢｢｢わーーこわーー！｣｣｣


野次を飛ばしてくるひぃちゃん達を静止して楽屋を出る。


『ふふ、帰ろ。』


田村｢ん、手繋がないん？｣


『いいの？』


田村｢うん、繋ぎたい。｣


『やった、ふふ、手暖かいね。』


田村｢hkrはいつも冷たいな、｣


『冷え性なんだよね。』


田村｢なら保乃がずっと温めてあげる〜｣


『ありがとう。』


ちょっと甘い雰囲気を感じながら駐車場に着いた保乃たち。hkrの運転する姿見るの久々やな。


ピッ


ガチャ
『どうぞ。』


｢ありがとう〜〜。｣


助手席のドアを開け保乃の鞄を持って車に乗せてくれるhkr、付き合う前からプリンセスになりたいと言っていた保乃にとってhkrは本物の王子様のようだった。


『ドア閉めるね。』


田村｢ん、ありがとう。｣


バタンッ


ガチャ


『よっと、』


バタンッ


『あ、シートベルト』


｢っ……、｣


不意に近くに寄ってきたhkr、保乃の横にあるシートベルトを伸ばしている横顔を眺めてまた胸がキュンとする。hkrの輪郭好きやなぁ、そんな思いが行動に出てしまってhkrの輪郭を指先でつーっと撫でる。


『擽ったい、どうしたの、保乃ちゃん。』


至近距離で見つめられて変な気持ちになってくる。


｢…んーん、なんでもないっ、｣


そんな気持ちを断ち切るように顔を背ければhkrの手によってまた戻される。


｢hkr…?｣


『…、』


｢んっ…、｣


『ごめん、可愛すぎてつい、』


｢…ばか、｣


そう言って顔を赤めたhkr、キスしてきたのはhkrなのに。


『…どっか寄ってく？』


｢んーーっ、んーん、早くお家行きたい。｣


『ん、なら帰ろっか。』


｢うんっ。｣


車内はhkrのように静かで落ち着いた空間。


『…、』


〜♪♪♪〜


｢！！ディズニーや！｣


『ごめん、いつも1人だから何も流してなかった。ん、保乃ちゃん好きな曲流して、』


そう言って渡されたhkrのスマホ、検索欄にはディズニー、女の子の好きな曲 なんて書いてあって不器用なhkrの優しさを感じる。


ピコンッ


藤吉夏鈴：昨日は急だったのにありがとう。色々ごめん、出来れば忘れて欲しい。ごめんね。


｢っ…｣


夏鈴ちゃん？っていうか昨日って、保乃の電話出なかった日やん、忘れて欲しいって、何を？昨日hkrと一緒にいたんかな、


『…保乃ちゃん？』


｢…なぁ、昨日何してたん？｣


『…昨日は、雑誌の撮影終わったのが夕方くらいで、そこから帰ってご飯食べて、寝たよ、』


｢誰かに会ったりは？｣


『…夏鈴ちゃんと同じ撮影だったよ。』


｢さっきっからその間なんなん、何か隠してるやろ。｣


『あ、いや、えっと、』


｢もういい。ここで降ろして、｣


『え？いや、こんなとこで、』


｢ええから、降ろしてや！！｣


楽しみだった想いが全て少しのイライラと悲しみに変わる。何を隠してるのか分からないけど、恋人に言えない隠し事ってなんなん。夏鈴ちゃんの忘れて欲しいって、何を忘れて欲しいん？


『ごめん、もうちょっと待って、』


そう言ったhkrは焦るように駐車場に入って車を停めた。


『保乃ちゃん、どうしたの？なんかあった？』


｢なんかあったのはhkrの方やろ？なんなん？何を隠してるん？保乃に言えないことなんて無いっていつも言ってるやん！！！｣


『…それ、は、』
『ごめん、、昨日夏鈴ちゃんと撮影終わりそのままご飯食べに行こうってなって、食べに行って、それで、』


｢それで、？｣


『…それで、夏鈴ちゃん悩んでたみたいだからお家連れて帰ってお酒飲みながら話してたら、その、、、泣いちゃって、夏鈴ちゃん、』


｢…それを隠してたん？｣


『うん、、夏鈴ちゃんの性格上言われたくないだろうし、言うのも違うかなって、』


｢っ…ごめん、ごめんな、hkr、保乃勝手に勘違いして疑った、ほんまにごめん。｣


『んーん、全然大丈夫だよ、でもなんで急に、？』


｢夏鈴ちゃんからLINE来て、通知が、｣


『あ、そーゆうこと、保乃ちゃんが気にする必要ないよ、すぐ答えなかった私が悪かった、ごめんね。』


hkrが浮気なんかする訳ない、分かっていたのに、いざそんな場面になったら疑って、保乃馬鹿みたい、


｢んーん、保乃もごめん、ごめんな、｣


『仲直りでいい、？』


｢うんっ、仲直りしたい、｣


『ふふ、じゃあ仲直り。』


｢ん！｣


『……保乃ちゃん明日のお仕事って、』


｢お昼から、やけど、｣


『そっか、じゃあ大丈夫だね、』


｢え？｣


『私に愛されてるってちゃんと分からせてあげる。』


そう言って笑ったhkrに感じたことないほどの高まりを感じる。
ハンドルを握り駐車場から出た車は、先程よりも少しスピードが早い気がした。






家に着いた途端hkrの唇が保乃を捕まえた。
その日は今までに無いくらいhkrの愛を感じた、幸せに埋め尽くされた夜だった。


-fin-