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▶︎ 田村保乃

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田村「あ、せや、明日ご飯食べてくるな?」


『ん、分かったー。』
『誰かと行くのー?』


田村「あー、ひぃちゃん!」


『…そっか、楽しんできなー』


田村「ありがとう〜。」


いつからか保乃ちゃんは誰かとご飯に行くことが増えた。そして、その日は決まって帰ってくるのは夜遅く、私が寝静まった頃だった。


明日はひかる、私とご飯の約束してるんだよ、
きっと保乃ちゃんは昨日私がご飯に行くと伝えたことすらも覚えていないんだろうな。


ピコン ピコンピコン


『スマホ、鳴ってるけど。』


田村「公式からや、、ごめんな、煩かったな。」


『いや、大丈夫だよ』


公式からの連絡、そんなに嬉しかった?最近、更に保乃ちゃんをこんなに可愛くさせたのは何処の誰なの?そんなにその人が良いならその人のところ行っちゃえばいいのに。私の事なんて、捨てればいいじゃん、


田村「お風呂入ろっかな、hkrも一緒に入る?」


『あーー、うん、入ろっかな。』


田村「ん!一緒に行こ〜〜!」


保乃ちゃんとお風呂に入るの久々だな。


田村「…?服脱がんの?」


『あ、脱ぐ、』


田村「保乃だけ脱いで恥ずかしいやん。笑」


『ごめん、今脱ぐよ……っ、』


保乃ちゃんの綺麗なうなじに薄らと見える赤い跡。あぁ、そりゃそうか、身体の関係だって持つよね。下着姿の保乃ちゃんがどんどん違う人に見えて、怖くなって、、、吐き気がした。


『ぅ…ちょっと、ごめん、先入ってて、』


田村「…hkr?どうしたん?大丈夫?」


『大丈夫だから、ごめん、』


脱衣所に保乃ちゃんを残したまま、スマホを手に取り家を出た。


『…さっむ、』


でもきっと今の私にはこのくらいの寒さがお似合いだ。もう、私の手を取って隣に立つ保乃ちゃんは居ない、保乃ちゃんは違う人の手を取って、違う人を温めているんだ、


『…あーーー、』


ポロポロと熱い雫が私の頬を流れていく。
マンションの外壁に背を預け上を見上げた。


プルルルルプルルル


"田村保乃"


ごめん、今は出れないや。
…いや、いっその事スッキリしてしまおうか。
保乃ちゃんが私を捨ててくれないのなら、私から捨てられてやろうじゃないか。


『…もしもし、保乃ちゃん?』


田村「なぁ、どこ行ったん?!」
「外?………あ、居った、」


『…保乃ちゃん、』


薄着のまま保乃ちゃんはマンションから出てきた様子。


田村「もう馬鹿!!!勝手に居なくならないで!」


『…ごめん。』


田村「とりあえず帰ろう?風邪ひいちゃうよ。」


保乃ちゃんの暖かい手が私の冷たい手を包み込んだ。


『…別れよう、保乃ちゃん。』


田村「っ…今、なんて??」


『別れよう、私たち。』


田村「待って、なんで、なんで急に、」


『保乃ちゃんが1番わかってるでしょ』


田村「っ……、」


『もう苦しいよ、保乃ちゃんから違う人の匂いがすることも、連絡1つで嬉しそうにする保乃ちゃんを見るのも、全部、苦しい、』


田村「ごめんっ、ほんまにごめん、ごめんなさい、」


『違う、違うよ、保乃ちゃんを責めたい訳じゃない。満足させられなかった私がいけないから。』


田村「違う!!そうやない、」


『ごめんね、私の事好きにさせてあげられなくて。』


田村「好き、hkrのこと好きやで、ちゃんと好きやねん、」


『最後に1個だけ教えて、保乃ちゃんの相手は誰なの?保乃ちゃんをそんなに幸せにしてる人は誰なの、』


田村「…hkrだよ、ほの、hkrと居るだけで幸せやから、」


『保乃、教えて、嘘聞きたくないよ、』


田村「っ…、」


プルルルルプルルルル


『…見せて。』


田村「あ、ちょっ、」


"平手友梨奈"


『…ん、返す。』


田村「違う、違うねん、友梨奈ちゃんとは、」


『もういいよ。何も聞きたくない。』


平手さんが相手なんて私なんか適うわけない。
2年半の恋は意外と呆気なく幕を閉じるもんなんだな。


田村「待って、お願い、話を聞いて、」


道行く人が私たちに怪訝な視線を送っていく。
そっか、ここ、外だった。


『…家戻ろう。』


田村「…、うん、」








『…、』


とりあえず明日の洋服と、歯ブラシ、後はー、充電器と、


田村「ちょっと待って、hkrどこ行くん、」


『近くのホテル、か、ひかるちゃん家かな。』


田村「待って、お願い、出てかないで、」


『じゃあ、保乃ちゃんが出てく?』


田村「っ…、」
「もう一緒に居れないん?」


『こうなる事がわかってて平手さんと関係を持ったんでしょ?』


田村「っ…」


『平手さんのお家にでも行けばいいんじゃない、そしたら保乃ちゃんは好きな人と居れるし、win-winじゃん。』


田村「違う、違うの、出来心っていうか、友梨奈ちゃん保乃が居ないと駄目やねん、今1人にしたら何するか分からんって言うか、hkrも分かるやろ?欅の時沢山見てきたやん、」


『…そうだね。じゃあ保乃ちゃんが平手さんとご飯行ったり、手繋いだり、キスしたり、それ以上のことをしてても私は黙って保乃ちゃんの帰りを待ってればいい?』


田村「っ…、」


『それとも、私も同じことしたら保乃ちゃん気持ちわかってくれる?』


田村「同じこと、って、」


『んー、そうだな、例えばひかるちゃんとキスしたり、保乃ちゃんを愛すようにひかるちゃんを愛したり、』


田村「嫌や、ひぃちゃんに取られたくない、」


『ひかるちゃん今精一杯で、私がいなきゃダメなんだよ。だから許してよ、』


田村「っ……、」


『許せないでしょ、苦しいでしょ。』
『保乃ちゃんがしてるのは、そーゆう事だよ。私じゃだめだった?好きになれなかった?』


田村「…好きだよ、ずっと好き、」


『じゃあなんで!!!!』
『なんで、平手さんの所に行っちゃったの、』


田村「…、」


『大きな声出してごめん。私たちメンバーに戻ろう。皆には適当に言っとくから、私に合わせて。』


田村「…、ほんまに、もう終わっちゃうん、?」


『終わらせたのは、保乃ちゃんだよ。』
『じゃあ私行くから、外寒かったし風邪引かないように暖かくするんだよ。』


涙を流して棒立ちする保乃ちゃんを背に玄関へ向かう。明日保乃ちゃんは平手さんの所に行ってこの話をするんだろうな、そしてきっと、平手さんのものになっちゃうんだ、あーあ、本当に終わっちゃうんだ。


『…離して、』


突然後ろから衝撃を受けたかと思えば私にくっついて離れない保乃ちゃん。


田村「もう友梨奈ちゃんとは会わない。」


『いいよ、会いなよ。』


田村「友梨奈ちゃんよりhkrと一緒に居たいの、好きなの、大事なの、」


『そっか。ありがとう。』
『でも、大丈夫、保乃ちゃんは平手さんのことが好きだよ。恋をすると女の子は更に可愛くなるんだね。』


田村「っ…、」


『保乃ちゃんが可愛い理由、私だったら良かったのに。』


保乃ちゃんの腕を解き靴を履く。
お揃いのリングを靴棚の上に置いて玄関に手をかけた。


『荷物はまた取りに来るから、』
『じゃあね、保乃ちゃん。』


田村「っ…、」


何か言いかけた保乃ちゃんを無視して外へ出る。
階段を降りながらスマホを開き通話マークをタップした。


『もしもし、ひかるちゃん?ごめん泊まらせて貰えないかな。』


森田「良いけど、迎えいこうか、?」


『んーん、大丈夫、夜遅くにごめんね、今から向かうよ。』


森田「ん、待ってるね。」


『ありがとう、じゃあまた近くになったら連絡する。』


森田「はーい。」


〜♪〜


何度も何度も保乃ちゃんと手を繋いで歩いた道を一人荷物を片手に歩いていく。
好きだった、大好きだった。あの笑顔をずっと近くで見ていたかった。もう叶うことの無い願いだけが溜まっていく。













『おはよーー』
森田「おはよーー」


「「「「「「「おはよう」」」」」」」


松田「あれ、2人一緒の仕事だったの?」


『んーん、昨日ひかるちゃん家でお泊まりした』


松田「えー、保乃に怒られるよー?笑」


『もう、怒られないよ。』


松田「え?」


『別れたから、私と保乃ちゃん。』
『ね、保乃ちゃん』


田村「…うん、」


松田「嘘、そう、なんだ、」


『あ、ごめん気まづくさせちゃって、全然喧嘩別れとかじゃないから、お互いメンバーの方がしっくりくるねーってなっただけだから、ね、』


田村「…、そうやね、」


理由を知っているひかるちゃんだけが浮かない顔を浮かべている。他のメンバーは安心したように"まぁ仲良いならいいわー!"なんて笑って、各々自由に過ごし始めた。


森田「hkr、」


『ん?』


森田「今日からhkrのそばに居てもよか?」


『…うん、いてくれたら嬉しい。』


保乃ちゃんとは違う、もっと低い所にあるひかるちゃんの頭を撫でて席に座った。


保乃ちゃんから送られてくる視線を無視するようにひかるちゃんと話して、笑いあった。
これでいい、これがいい。


手の冷たさを感じながらそう思った。


-fin-
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