▶︎ 田村保乃
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頑張っていた。
私は、私なりに努力をしているつもりだった。
それでも、母の言葉は意図も簡単に私を崩した。
[そんなんじゃ受からないよ]
[ギター弾いてる暇あるなら勉強しなよ]
[落ちたら保乃ちゃんとの同棲なしだから。]
朝に1時間、バイト終わりに5時間、夕飯後に2時間、勉強の集中力が切れて、たった20分逃げ込んだ音の世界すら母は許さなかった。
もう何もかもが嫌になった。
努力が無意味に思えて、腹が立って、悔しくて、苦しさに溺れたまま家を飛び出した。
運良くポケットにはスマホと財布があって、ただ彼女に会いたくて、抱き締めてもらいたくて、保乃ちゃんの住む最寄りまで電車に揺られた。
ホームについて、改札を通る。
ごめん、会いたい。そんな連絡に既読が着いたのは数分前で、私のお家まで来てくれようとしたであろう保乃ちゃんとバッタリ遭遇した。
田村「hkr…、」
顔を見てしまったら、声を聞いてしまったら、我慢していたものが溢れ出てしまって、言葉を発する前に、強く、強く彼女を抱き締めた。
私の背中に回る保乃ちゃんの手は暖かくて、優しくて、そのまま頭を撫でられてしまえば、もう涙を止めることなんてできなかった。
田村「保乃ん家、帰ろっか。」
そう言って、手を繋ぎながら何度も通ってきた帰路を歩く。途中でコンビニによって、今日だけは、なんてお酒とおつまみを手にした。そのまま数分歩き続ければ見慣れたマンションにやってきて、保乃ちゃんの部屋へと足を踏み入れる。
田村「…よいしょ、ん、おいで、hkr。」
ベッドに腰かけた保乃ちゃんは、繋いでいた手を離すことなくそのまま引っ張って、再び私を強く抱き締めてくれた。さっきと違うのは、私が保乃ちゃんの腕の中にいるということ。
『…投げ出したい。』
田村「うん。」
『くるしい、』
田村「うん、」
『逃げたい、』
田村「…、後悔せえへん?」
『…え、?』
田村「今逃げ出して、ほんまに後悔せえへん?」
『っ…、』
田村「しやんのやったら、保乃はhkrと一緒に逃げ出すで。何処へだって一緒に行ったる。でも、少しでも後悔してしまうんやったら、保乃は逃げ出させへん。hkrの後ろに立って、背中を押すことしかせえへんよ。」
『っ…、』
あぁ、そうだ、私が好きになった人は、どんなときも優しくて、暖かくて、強い人だった。
そんな所に惹かれて、憧れて、気が付けば好きになっていた。私が求めていたのは、逃げへの肯定なんかじゃなくて、未来への後押しだったんだ。
『ありがとう、保乃ちゃん、私、頑張る、もっと頑張るよ。』
田村「ん…、でも頑張りすぎは良くないで、保乃がhkrの癒しになるから、なれるよう考えるから、1人で頑張らんでな?」
『っ…、ふふっ、うん、ありがとう、保乃ちゃん。』
私を見る保乃ちゃんの瞳は本当に優しくて、心がじわーっと暖かくなる。あぁ、好きだな、本当に、好き。
『好きだよ、』
田村「保乃も好き。」
重なった唇は、1回で離れることなく、何度も求め合った。
そのまま夜を超えて、朝を迎える。
昨日とは違う、昨日よりも強くなった私が迎える朝。
大丈夫、私は大丈夫。
私には保乃ちゃんがいる。だから、大丈夫。
そう唱えながら、彼女の寝顔にそっとキスをした。
-Fin-
私は、私なりに努力をしているつもりだった。
それでも、母の言葉は意図も簡単に私を崩した。
[そんなんじゃ受からないよ]
[ギター弾いてる暇あるなら勉強しなよ]
[落ちたら保乃ちゃんとの同棲なしだから。]
朝に1時間、バイト終わりに5時間、夕飯後に2時間、勉強の集中力が切れて、たった20分逃げ込んだ音の世界すら母は許さなかった。
もう何もかもが嫌になった。
努力が無意味に思えて、腹が立って、悔しくて、苦しさに溺れたまま家を飛び出した。
運良くポケットにはスマホと財布があって、ただ彼女に会いたくて、抱き締めてもらいたくて、保乃ちゃんの住む最寄りまで電車に揺られた。
ホームについて、改札を通る。
ごめん、会いたい。そんな連絡に既読が着いたのは数分前で、私のお家まで来てくれようとしたであろう保乃ちゃんとバッタリ遭遇した。
田村「hkr…、」
顔を見てしまったら、声を聞いてしまったら、我慢していたものが溢れ出てしまって、言葉を発する前に、強く、強く彼女を抱き締めた。
私の背中に回る保乃ちゃんの手は暖かくて、優しくて、そのまま頭を撫でられてしまえば、もう涙を止めることなんてできなかった。
田村「保乃ん家、帰ろっか。」
そう言って、手を繋ぎながら何度も通ってきた帰路を歩く。途中でコンビニによって、今日だけは、なんてお酒とおつまみを手にした。そのまま数分歩き続ければ見慣れたマンションにやってきて、保乃ちゃんの部屋へと足を踏み入れる。
田村「…よいしょ、ん、おいで、hkr。」
ベッドに腰かけた保乃ちゃんは、繋いでいた手を離すことなくそのまま引っ張って、再び私を強く抱き締めてくれた。さっきと違うのは、私が保乃ちゃんの腕の中にいるということ。
『…投げ出したい。』
田村「うん。」
『くるしい、』
田村「うん、」
『逃げたい、』
田村「…、後悔せえへん?」
『…え、?』
田村「今逃げ出して、ほんまに後悔せえへん?」
『っ…、』
田村「しやんのやったら、保乃はhkrと一緒に逃げ出すで。何処へだって一緒に行ったる。でも、少しでも後悔してしまうんやったら、保乃は逃げ出させへん。hkrの後ろに立って、背中を押すことしかせえへんよ。」
『っ…、』
あぁ、そうだ、私が好きになった人は、どんなときも優しくて、暖かくて、強い人だった。
そんな所に惹かれて、憧れて、気が付けば好きになっていた。私が求めていたのは、逃げへの肯定なんかじゃなくて、未来への後押しだったんだ。
『ありがとう、保乃ちゃん、私、頑張る、もっと頑張るよ。』
田村「ん…、でも頑張りすぎは良くないで、保乃がhkrの癒しになるから、なれるよう考えるから、1人で頑張らんでな?」
『っ…、ふふっ、うん、ありがとう、保乃ちゃん。』
私を見る保乃ちゃんの瞳は本当に優しくて、心がじわーっと暖かくなる。あぁ、好きだな、本当に、好き。
『好きだよ、』
田村「保乃も好き。」
重なった唇は、1回で離れることなく、何度も求め合った。
そのまま夜を超えて、朝を迎える。
昨日とは違う、昨日よりも強くなった私が迎える朝。
大丈夫、私は大丈夫。
私には保乃ちゃんがいる。だから、大丈夫。
そう唱えながら、彼女の寝顔にそっとキスをした。
-Fin-