▶︎ 田村保乃
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『保乃、よく頑張ったね。後は、私に任せて。』
そう言ってステージに上がって行ったhkrさんは、会場を一瞬で自分のモノにして、保乃が踊らなきゃいけなかったダンストラックを容易にこなしてしまった。
舞台袖から見えるhkrさんの後ろ姿は、格好良くて、儚くて、綺麗で、どれだけ手を伸ばしても届かないように感じて、居なくなってしまうんやないか、なんて苦しくなった。
スタッフ「保乃ちゃん、ゆっくり呼吸しよっか、1、2、そうそう、上手だよ。」
7分程前、焦りと、緊張と、不安から流れ弾を終えた途端息の吸い方を忘れてしまった。そのまま舞台袖に倒れ込んで、ひぃちゃんから繋がれるはずのダンストラックに向かえず、スタッフさんも、保乃も、どうしたらいいか、分からなくて、焦っていた時颯爽とやってきたhkrさんは、さっきの言葉を保乃に残して、ステージに立ってくれた。
リハをしていた訳でも、振り入れをしていた訳でもない。最初から最後までhkrさんのアドリブ。それでも、会場にいた全員の視線をモノにしたhkrさんは、ほんまに格好良かった。
呼吸が落ち着いて、次の曲から流れるように参加した。不意に目が合ったhkrさんは、微笑んで、おかえり、とそう伝えてくれた。
松田「以上!櫻坂46でした!」
「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」
ライブが終わって、それぞれが感情に飲み込まれる。楽しかった、悔しかった、嬉しかった、ハードやった、色んな声が聞こえる中で保乃はhkrさんの姿を探していた。
「hkrさん!!」
『ん、保乃、お疲れ様。』
「お疲れ様です、あの、ダンストラック、ほんまにありがとうございました。hkrさんが居らんかったら保乃、どうなってたか、」
『大袈裟だよ。』
『ほんとに、よく頑張ったね。』
hkrさんの手が保乃の頭に辿り着く。
2回ほどポンポンとされてから、微笑みを向けられて、心の奥がギュッとなった。
「…、」
それと同時に、ステージにたっていたhkrさんの姿を思い出して、再び目を離したらこの人は居なくなってしまうんじゃないか、なんて焦燥にかられる。
だから、思いのままhkrさんの手をぎゅっと掴んでしまって、驚くhkrさんに言い訳の準備が間に合わない。どないしよ、このままやったら、引かれる。
「あ…、えっと、」
『ケータリング、取り入ってもいい?』
「あ、はいっ、」
離されてしまうかと思った手のひらはhkrさんにギュッと握り返されて、手を繋いだままメンバーのいるケータリングスペースへ向かっていった。
山﨑「あ〜、hkrさんと保乃手繋いでる〜。」
森田「ん、ほんとだ!」
「保乃ちゃん、体調大丈夫なん?」
「うん、もう、大丈夫。迷惑と心配、かけてごめんな?」
森田「全然…、元気そうでよかった。」
「ふふ、ねっ、hkrさん。」
山﨑「1番心配そうにしとったもんな〜、」
『ふふ、それ言わないでよ。』
「っ…、そうなんですか?」
『ん〜、』
頬を掻きながら、目を逸らしたhkrさんは恥ずかしそうで、思いもよらぬ反応に頬が緩んでしまう。
森田「振りで肩に手を置いてからダンストラック交代する時に、保乃のそばに居てあげて。っち言いよりましたよね?」
『…、』
山﨑「私にも同じこと言ってきたで、無理させへんように〜って、」
森田「ふふ、ほんとに1番保乃ちゃんの心配しよったんはhkrさんやね。」
『そりゃ、するよ、』
「え〜、へへっ、嬉しいです。」
『あー、もう、恥ずかしい。』
「あ〜、逃げた〜。」
保乃やひぃちゃん達から逃げるように手を離して、ケータリングへ直行してしまった。耳まで真っ赤やん、ほんまに不器用で、優しい人やなぁ。
森田「保乃ちゃんもケータリング取ってきな〜。」
山﨑「そうやで、沢山食べて栄養つけな〜。」
「ふふ、はーい、いってきまーす。」
結局保乃もhkrさんと同じようにケータリングへ向かいショーケースを眺める。
『…保乃が困った時、1番に助けるから。』
「え?」
『どれだけ難しい事でも、保乃の事助けるから。だから、1人で戦わないで良いんだよ。』
保乃の目をまっすぐ見てそう言ってくれたhkrさんに涙が溢れる。いつからか、言えなかった"助けて"の言葉。これを言うことで誰かの重荷になってしまうのが怖くて、自分を守る為にも言えずにいた。
そんな保乃の心を見透かしたように、hkrさんは保乃を受け止めてくれた。助けてを言えるきっかけを作ってくれた。何処までも優しくて、何処までも強い人。
hkrさんになら、甘えてもいいのかもしれない。
「っ…、沢山話してもいいですかっ、」
『うん、全部聞くよ。』
「沢山、傍に行ってもいいですか、」
『うん、おいで、一緒に居よう?』
「…、甘えても、いいんですか?」
『甘える事も、強くなる為に必要な事だよ。』
そう言って保乃を腕の中へ閉じ込めたhkrさん。暖かくて、優しい匂いがする。
「hkrさんっ、hkrさんっ!」
『ふふ、なーに、保乃。』
「好きですっ、大好きです、」
『私も大好きだよ。』
歳下の先輩。経験も、持っているものも、保乃とは違う。重みも、深さも、全然違う。
それが遠く感じる時もあるけれど、hkrさんは確かに此処に居て、保乃を抱き締めている。
近いようで、遠い。
遠いようで、近い。そんな人。
寡黙で、クールで、格好良くて、強くて、優しい。大人で、でもたまに子供で、そんなギャップが可愛くて、背中が誰よりも大きい人。
これから先何日貴女の背中を追いかけられるだろう。何度触れ合って、何度笑い合えるのだろう。
貴女がくれた温もりを大事に抱えながら、明日に1歩を踏み出そう。
「hkrさん。」
『ん?』
「まだまだ、保乃のそばに居てくださいね。」
『ふふ、うん、もちろん。』
言葉数の少ない貴女の一語一句を聞き逃さないように、くれた言葉を零さないように、大切に持っていこう。
-fin-
そう言ってステージに上がって行ったhkrさんは、会場を一瞬で自分のモノにして、保乃が踊らなきゃいけなかったダンストラックを容易にこなしてしまった。
舞台袖から見えるhkrさんの後ろ姿は、格好良くて、儚くて、綺麗で、どれだけ手を伸ばしても届かないように感じて、居なくなってしまうんやないか、なんて苦しくなった。
スタッフ「保乃ちゃん、ゆっくり呼吸しよっか、1、2、そうそう、上手だよ。」
7分程前、焦りと、緊張と、不安から流れ弾を終えた途端息の吸い方を忘れてしまった。そのまま舞台袖に倒れ込んで、ひぃちゃんから繋がれるはずのダンストラックに向かえず、スタッフさんも、保乃も、どうしたらいいか、分からなくて、焦っていた時颯爽とやってきたhkrさんは、さっきの言葉を保乃に残して、ステージに立ってくれた。
リハをしていた訳でも、振り入れをしていた訳でもない。最初から最後までhkrさんのアドリブ。それでも、会場にいた全員の視線をモノにしたhkrさんは、ほんまに格好良かった。
呼吸が落ち着いて、次の曲から流れるように参加した。不意に目が合ったhkrさんは、微笑んで、おかえり、とそう伝えてくれた。
松田「以上!櫻坂46でした!」
「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」
ライブが終わって、それぞれが感情に飲み込まれる。楽しかった、悔しかった、嬉しかった、ハードやった、色んな声が聞こえる中で保乃はhkrさんの姿を探していた。
「hkrさん!!」
『ん、保乃、お疲れ様。』
「お疲れ様です、あの、ダンストラック、ほんまにありがとうございました。hkrさんが居らんかったら保乃、どうなってたか、」
『大袈裟だよ。』
『ほんとに、よく頑張ったね。』
hkrさんの手が保乃の頭に辿り着く。
2回ほどポンポンとされてから、微笑みを向けられて、心の奥がギュッとなった。
「…、」
それと同時に、ステージにたっていたhkrさんの姿を思い出して、再び目を離したらこの人は居なくなってしまうんじゃないか、なんて焦燥にかられる。
だから、思いのままhkrさんの手をぎゅっと掴んでしまって、驚くhkrさんに言い訳の準備が間に合わない。どないしよ、このままやったら、引かれる。
「あ…、えっと、」
『ケータリング、取り入ってもいい?』
「あ、はいっ、」
離されてしまうかと思った手のひらはhkrさんにギュッと握り返されて、手を繋いだままメンバーのいるケータリングスペースへ向かっていった。
山﨑「あ〜、hkrさんと保乃手繋いでる〜。」
森田「ん、ほんとだ!」
「保乃ちゃん、体調大丈夫なん?」
「うん、もう、大丈夫。迷惑と心配、かけてごめんな?」
森田「全然…、元気そうでよかった。」
「ふふ、ねっ、hkrさん。」
山﨑「1番心配そうにしとったもんな〜、」
『ふふ、それ言わないでよ。』
「っ…、そうなんですか?」
『ん〜、』
頬を掻きながら、目を逸らしたhkrさんは恥ずかしそうで、思いもよらぬ反応に頬が緩んでしまう。
森田「振りで肩に手を置いてからダンストラック交代する時に、保乃のそばに居てあげて。っち言いよりましたよね?」
『…、』
山﨑「私にも同じこと言ってきたで、無理させへんように〜って、」
森田「ふふ、ほんとに1番保乃ちゃんの心配しよったんはhkrさんやね。」
『そりゃ、するよ、』
「え〜、へへっ、嬉しいです。」
『あー、もう、恥ずかしい。』
「あ〜、逃げた〜。」
保乃やひぃちゃん達から逃げるように手を離して、ケータリングへ直行してしまった。耳まで真っ赤やん、ほんまに不器用で、優しい人やなぁ。
森田「保乃ちゃんもケータリング取ってきな〜。」
山﨑「そうやで、沢山食べて栄養つけな〜。」
「ふふ、はーい、いってきまーす。」
結局保乃もhkrさんと同じようにケータリングへ向かいショーケースを眺める。
『…保乃が困った時、1番に助けるから。』
「え?」
『どれだけ難しい事でも、保乃の事助けるから。だから、1人で戦わないで良いんだよ。』
保乃の目をまっすぐ見てそう言ってくれたhkrさんに涙が溢れる。いつからか、言えなかった"助けて"の言葉。これを言うことで誰かの重荷になってしまうのが怖くて、自分を守る為にも言えずにいた。
そんな保乃の心を見透かしたように、hkrさんは保乃を受け止めてくれた。助けてを言えるきっかけを作ってくれた。何処までも優しくて、何処までも強い人。
hkrさんになら、甘えてもいいのかもしれない。
「っ…、沢山話してもいいですかっ、」
『うん、全部聞くよ。』
「沢山、傍に行ってもいいですか、」
『うん、おいで、一緒に居よう?』
「…、甘えても、いいんですか?」
『甘える事も、強くなる為に必要な事だよ。』
そう言って保乃を腕の中へ閉じ込めたhkrさん。暖かくて、優しい匂いがする。
「hkrさんっ、hkrさんっ!」
『ふふ、なーに、保乃。』
「好きですっ、大好きです、」
『私も大好きだよ。』
歳下の先輩。経験も、持っているものも、保乃とは違う。重みも、深さも、全然違う。
それが遠く感じる時もあるけれど、hkrさんは確かに此処に居て、保乃を抱き締めている。
近いようで、遠い。
遠いようで、近い。そんな人。
寡黙で、クールで、格好良くて、強くて、優しい。大人で、でもたまに子供で、そんなギャップが可愛くて、背中が誰よりも大きい人。
これから先何日貴女の背中を追いかけられるだろう。何度触れ合って、何度笑い合えるのだろう。
貴女がくれた温もりを大事に抱えながら、明日に1歩を踏み出そう。
「hkrさん。」
『ん?』
「まだまだ、保乃のそばに居てくださいね。」
『ふふ、うん、もちろん。』
言葉数の少ない貴女の一語一句を聞き逃さないように、くれた言葉を零さないように、大切に持っていこう。
-fin-