▶︎ 山下瞳月
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
連絡が来たのは突然の事だった。
受験があるからと別れた私達は受験が終わったあともよりを戻すことなく、大学生になって、気がつけばもう3年。
瞳月:hkr、会いたい。
たった一言だけ。久しぶりとか、そんなのもなしに送られてきた連絡に明日一限から授業があるとか、そんなの考えもせずバイクに飛び乗って、記憶の中にある瞳月の家を目指した。
23時をすぎた頃、やっと着いた家の表札は山下から向井に変わっていて、思わず肩を落とす。瞳月に連絡して住所聞かなきゃ。
山下「hkr、」
『…瞳月、』
曲がり角から姿を現したのは記憶よりも遥かに綺麗になった瞳月。昔から細かったけど、さらに痩せたなぁ、髪も伸びて、あぁ、可愛いな。
山下「会いたかった。」
『っ…、』
そんな言葉と共に私の身体に飛び込んできた瞳月を抱き止めて、強く腕の中に仕舞いこんだ。
何があったとか、そんなの要らなくて、何があろうとなかろうと私のやることは変わらないから、
『…行こっか、海。』
山下「うん、」
付き合っていた頃から、会いたいと瞳月に呼ばれる度自転車の後ろに瞳月を乗せてちょっと遠くの海を目指していた。
今はもうあの距離を自転車で行くとか考えられないけど。
山下「免許、取ったんだね。」
『受験終わってすぐね、ん、これ被って。』
ヘルメットをかぶせて、車体に跨る。そのまま瞳月の腕が私のお腹に回って、アクセルを回した。
風を切って、進んでいく。
免許を取ってから何人も友達を後ろに乗せたけど、やっぱり瞳月は違って、冷たい空気の中にいるのに私と瞳月だけずっと暖かくて、その温もりが好きだった。
20分ほど走らせれば静かに波打つ海に辿り着く。
山下「…海だ。」
『ふふ、海だね。』
ヘルメットをとって、そのまま流れるように瞳月の手を握り浜辺を歩き出した。
山下「…本当はね、私受験してないんだ。」
『…え?』
山下「高校卒業と同時に心臓の手術しに行ったの。」
『…ちょっと、待って、じゃあ別れたのって、』
山下「その手術が上手くいく可能性って本当に五分五分で、こんなことhkrに言ったら受験の邪魔しちゃうって思って。」
『っ…、今は、?もう大丈夫なの?』
山下「うん。もう元気、手術も上手くいった。」
ああ、そうだった。瞳月は昔から全部一人で飲み込んで、何も無かったように笑う子だった。分かってたのに、あの時も同じ笑顔浮かべてたのに、馬鹿だ、私、なんで引き止めなかったんだろう。なんで…、
山下「…、」
『っ…、瞳月?』
優しい表情を浮かべる瞳月の両手が私の頬を包む。私よりも15cm以上背の小さな彼女はこの体制がありえないほど可愛いことを知っているのだろうか。
山下「hkrは何も悪くない。私が引き止めて欲しくなかったから、hkrを縛りたくなかったから言わなかったの。」
『…でも、』
山下「それにまた会いに来てくれた。それだけで本当に、ほんとーに、嬉しいんだよ。」
『っ…、』
山下「ねぇ、3年間、hkrは何人と付き合った?」
『誰とも付き合ってないよ。』
山下「…ほんとに、?」
『うん。何人かそうゆう感じになったけど、付き合えなかった。好きになれなかった。』
山下「っ…、」
『瞳月は?』
山下「私はずっと好きな人が居るから、誰とも付き合わなかったよ。」
そう言って微笑む瞳月に胸が苦しくなる。
3年間1度も感じることの出来なかった、痛み。
『好きだよ、瞳月、』
山下「私もhkrが好き。」
見つめ合って、笑って、そして、キスをした。
山下「…ねぇ、もっと、」
あの時よりも積極的になった瞳月は、3年間でどのように変わったのだろう。
きっと変わったとこを見つける度に更に愛しくなって恋をするんだろうな。
そう思いながらもう一度、深く深く口付けを交わした。
-Fin-
受験があるからと別れた私達は受験が終わったあともよりを戻すことなく、大学生になって、気がつけばもう3年。
瞳月:hkr、会いたい。
たった一言だけ。久しぶりとか、そんなのもなしに送られてきた連絡に明日一限から授業があるとか、そんなの考えもせずバイクに飛び乗って、記憶の中にある瞳月の家を目指した。
23時をすぎた頃、やっと着いた家の表札は山下から向井に変わっていて、思わず肩を落とす。瞳月に連絡して住所聞かなきゃ。
山下「hkr、」
『…瞳月、』
曲がり角から姿を現したのは記憶よりも遥かに綺麗になった瞳月。昔から細かったけど、さらに痩せたなぁ、髪も伸びて、あぁ、可愛いな。
山下「会いたかった。」
『っ…、』
そんな言葉と共に私の身体に飛び込んできた瞳月を抱き止めて、強く腕の中に仕舞いこんだ。
何があったとか、そんなの要らなくて、何があろうとなかろうと私のやることは変わらないから、
『…行こっか、海。』
山下「うん、」
付き合っていた頃から、会いたいと瞳月に呼ばれる度自転車の後ろに瞳月を乗せてちょっと遠くの海を目指していた。
今はもうあの距離を自転車で行くとか考えられないけど。
山下「免許、取ったんだね。」
『受験終わってすぐね、ん、これ被って。』
ヘルメットをかぶせて、車体に跨る。そのまま瞳月の腕が私のお腹に回って、アクセルを回した。
風を切って、進んでいく。
免許を取ってから何人も友達を後ろに乗せたけど、やっぱり瞳月は違って、冷たい空気の中にいるのに私と瞳月だけずっと暖かくて、その温もりが好きだった。
20分ほど走らせれば静かに波打つ海に辿り着く。
山下「…海だ。」
『ふふ、海だね。』
ヘルメットをとって、そのまま流れるように瞳月の手を握り浜辺を歩き出した。
山下「…本当はね、私受験してないんだ。」
『…え?』
山下「高校卒業と同時に心臓の手術しに行ったの。」
『…ちょっと、待って、じゃあ別れたのって、』
山下「その手術が上手くいく可能性って本当に五分五分で、こんなことhkrに言ったら受験の邪魔しちゃうって思って。」
『っ…、今は、?もう大丈夫なの?』
山下「うん。もう元気、手術も上手くいった。」
ああ、そうだった。瞳月は昔から全部一人で飲み込んで、何も無かったように笑う子だった。分かってたのに、あの時も同じ笑顔浮かべてたのに、馬鹿だ、私、なんで引き止めなかったんだろう。なんで…、
山下「…、」
『っ…、瞳月?』
優しい表情を浮かべる瞳月の両手が私の頬を包む。私よりも15cm以上背の小さな彼女はこの体制がありえないほど可愛いことを知っているのだろうか。
山下「hkrは何も悪くない。私が引き止めて欲しくなかったから、hkrを縛りたくなかったから言わなかったの。」
『…でも、』
山下「それにまた会いに来てくれた。それだけで本当に、ほんとーに、嬉しいんだよ。」
『っ…、』
山下「ねぇ、3年間、hkrは何人と付き合った?」
『誰とも付き合ってないよ。』
山下「…ほんとに、?」
『うん。何人かそうゆう感じになったけど、付き合えなかった。好きになれなかった。』
山下「っ…、」
『瞳月は?』
山下「私はずっと好きな人が居るから、誰とも付き合わなかったよ。」
そう言って微笑む瞳月に胸が苦しくなる。
3年間1度も感じることの出来なかった、痛み。
『好きだよ、瞳月、』
山下「私もhkrが好き。」
見つめ合って、笑って、そして、キスをした。
山下「…ねぇ、もっと、」
あの時よりも積極的になった瞳月は、3年間でどのように変わったのだろう。
きっと変わったとこを見つける度に更に愛しくなって恋をするんだろうな。
そう思いながらもう一度、深く深く口付けを交わした。
-Fin-