▶︎ 的野美青
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あれからhkrさんと話す機会が多くなって、それなりにいい関係を築けていると思う。
『ここは、右足から入って…、そう、うん、上手だよ。』
「ありがとうございます、」
BACKSライブの振り入れに参加してくれたhkrさんは、他のメンバーさんの所にも行きつつ、なんやかんやで私の所へ戻ってきてくれる。
それが嬉しくて、恥ずかしくて、あまり目が見れない。
『美青?』
「…はいっ、」
『ふふ、やっと目合った。今日全然合わなかったから、なんかしちゃったかと思って。』
「あっ、いや、全然、ただ緊張しちゃって、」
『そっか、それは慣れてくしかないね。』
『じゃあもう1回、一緒にやってみよう。』
「はいっ、」
瞳月や愛季からも聞いていた。
hkrさんの振り教えは丁寧で分かりやすくて、最後まで必ず一緒にやり通してくれると。
だから、これは私だからやってくれてる事じゃなくて、皆にやってること。
分かっていても、この優しさが私だけに向けられてるものだったらなぁ、なんて考えてしまって、そんな自分に嫌気が差す。
『うん、完璧。』
「ありがとうございます、」
『ちょっと休憩しよっか。』
「はい、あ、お水買ってきます、」
『ん、これ、さっき買いに行った時間違えて2本買っちゃったから、上げる。』
「良いんですか、」
『うん。貰ってくれると助かる。』
「ありがとうございます。」
自販機で間違えて2本買うシチュエーションってきっとない。から、多分これはhkrさんの不器用な優しさ。
ああ、また胸がギュッて苦しくなった。
壁に背を預けて、hkrさんは胡座を、私は体育座りで肩を並べた。
鏡に映る皆は、全員が主人公のように輝いていて、格好良く見える。
『あ…、ふふ、保乃振り入れしに来てるのに逆に教わってるじゃん。笑』
「…ふふ、かわいいですね。」
『うん、かわいいね。』
hkrさんは、保乃さんのことどう思ってるんだろう。もし、好きだったら、それは両思いだし、私の入る隙なんてない。けど、まだ好きじゃないのなら私にだってチャンスはあるし、可能性だって少ないだろうけどあるはずだ。
「あの、」
『ん?』
水を飲んでいたhkrさんがペットボトルから口を離して私を見る。ほんの少し汗で濡れている前髪と、襟足。ああ、顔が良い。全部良い。好き。
「た、田村さんと仲良いですよね。」
『そうだね、保乃は初期の頃から特別だから。』
「っ…特別、」
なーんだ、もう手遅れじゃん。
積みゲーだったんじゃん。何期待してんだろ。
私、馬鹿だ。
『…え、美青?泣いてる?』
「え?あ、いや、これは違くて、汗が目に入っちゃって、」
『…、』
私の前にしゃがみ込んだhkrさんは頭にポンッと手を置いて、優しい声で私の名前を呼んだ。
「っ…、私も、hkrさんの特別に、なりたいっ、」
『え…、』
あああ、馬鹿。本当馬鹿。何言ってんの。
もう戻れないじゃん。どうすんの、折角話せるようになってきてたのに。
「ごめんなさい、忘れてください、」
避けるように立ち上がって、レッスン場を出ようとした。でも、hkrさんの右手が私の左手を捕まえて、そうはさせてくれなかった。
『待って。』
『美青なんか誤解してる。』
「誤解なんか、」
『保乃の特別っていうのは、同期として昔からずっと頼ったり、支えたりしてきたから、なんて言うか、ただの同期じゃ薄く聞こえちゃうかなって、だから特別っていうか、その、』
「…、」
『美青を思ってる気持ちと、保乃への気持ちは違う、から。』
「そりゃ、hkrさんは私のことなんとも思ってないから、田村さんと違うのは当たり前です、」
『そうじゃなくて、美青の事は特別なんかじゃ足りないくらい大事に思ってて、同期への想いと好きな人への想いは比べられないって言うか、』
「っ…、」
『私が好きなのは、美青だよ。加入してきてくれてからずっと好きだった。』
「嘘、」
『私嘘つかないよ。』
「そんなの、」
有り得るわけない、だって私はまだまだで、hkrさんに釣り合う訳もなくて、そんな私の事なんか好きになってくれるはずない、
『頑張ってる美青が好きなんだ、傍で支えたいって、そう思う。』
「っ…、私は、まだ何も、」
『これから作られてく美青の強みを一緒に作っていきたい。側で見ていたい。私と付き合ってくれないかな。』
「私でいいんですか、?」
『美青がいいんだよ。』
「田村さんみたいに余裕ないし、愛嬌もないし、優しくないし、嫉妬ばっかするし、我儘で、子供で、」
そんなくだらない事ばっか考える私をぎゅっと抱きしめてくれたhkrさんは、いつもの何倍も優しい声で、
『全部含めて、美青が好きだよ。』
そう言ってくれた。
「わたしも、すきです、ずっと大好きです。」
『付き合ってくれる?』
「はい、hkrさんの1番になりたいっ、」
『かわいい、』
『美青はもう私の1番だよ。』
井上「mrtさーん、ここレッスン場なんですけどー。」
田村「…イチャイチャせんといてー。」
村山「美青やったね。」
『…ごめんなさーい。』
『ふふ、美青また後で会いに来るね。』
「っ…はい、待ってます。」
『ん。』
『井上、さっきの振りもう1回やってみて。』
この時の私は気づけなかったんだ。
嬉しさに溺れて、田村さんの負った深い傷に。
-Fin-
『ここは、右足から入って…、そう、うん、上手だよ。』
「ありがとうございます、」
BACKSライブの振り入れに参加してくれたhkrさんは、他のメンバーさんの所にも行きつつ、なんやかんやで私の所へ戻ってきてくれる。
それが嬉しくて、恥ずかしくて、あまり目が見れない。
『美青?』
「…はいっ、」
『ふふ、やっと目合った。今日全然合わなかったから、なんかしちゃったかと思って。』
「あっ、いや、全然、ただ緊張しちゃって、」
『そっか、それは慣れてくしかないね。』
『じゃあもう1回、一緒にやってみよう。』
「はいっ、」
瞳月や愛季からも聞いていた。
hkrさんの振り教えは丁寧で分かりやすくて、最後まで必ず一緒にやり通してくれると。
だから、これは私だからやってくれてる事じゃなくて、皆にやってること。
分かっていても、この優しさが私だけに向けられてるものだったらなぁ、なんて考えてしまって、そんな自分に嫌気が差す。
『うん、完璧。』
「ありがとうございます、」
『ちょっと休憩しよっか。』
「はい、あ、お水買ってきます、」
『ん、これ、さっき買いに行った時間違えて2本買っちゃったから、上げる。』
「良いんですか、」
『うん。貰ってくれると助かる。』
「ありがとうございます。」
自販機で間違えて2本買うシチュエーションってきっとない。から、多分これはhkrさんの不器用な優しさ。
ああ、また胸がギュッて苦しくなった。
壁に背を預けて、hkrさんは胡座を、私は体育座りで肩を並べた。
鏡に映る皆は、全員が主人公のように輝いていて、格好良く見える。
『あ…、ふふ、保乃振り入れしに来てるのに逆に教わってるじゃん。笑』
「…ふふ、かわいいですね。」
『うん、かわいいね。』
hkrさんは、保乃さんのことどう思ってるんだろう。もし、好きだったら、それは両思いだし、私の入る隙なんてない。けど、まだ好きじゃないのなら私にだってチャンスはあるし、可能性だって少ないだろうけどあるはずだ。
「あの、」
『ん?』
水を飲んでいたhkrさんがペットボトルから口を離して私を見る。ほんの少し汗で濡れている前髪と、襟足。ああ、顔が良い。全部良い。好き。
「た、田村さんと仲良いですよね。」
『そうだね、保乃は初期の頃から特別だから。』
「っ…特別、」
なーんだ、もう手遅れじゃん。
積みゲーだったんじゃん。何期待してんだろ。
私、馬鹿だ。
『…え、美青?泣いてる?』
「え?あ、いや、これは違くて、汗が目に入っちゃって、」
『…、』
私の前にしゃがみ込んだhkrさんは頭にポンッと手を置いて、優しい声で私の名前を呼んだ。
「っ…、私も、hkrさんの特別に、なりたいっ、」
『え…、』
あああ、馬鹿。本当馬鹿。何言ってんの。
もう戻れないじゃん。どうすんの、折角話せるようになってきてたのに。
「ごめんなさい、忘れてください、」
避けるように立ち上がって、レッスン場を出ようとした。でも、hkrさんの右手が私の左手を捕まえて、そうはさせてくれなかった。
『待って。』
『美青なんか誤解してる。』
「誤解なんか、」
『保乃の特別っていうのは、同期として昔からずっと頼ったり、支えたりしてきたから、なんて言うか、ただの同期じゃ薄く聞こえちゃうかなって、だから特別っていうか、その、』
「…、」
『美青を思ってる気持ちと、保乃への気持ちは違う、から。』
「そりゃ、hkrさんは私のことなんとも思ってないから、田村さんと違うのは当たり前です、」
『そうじゃなくて、美青の事は特別なんかじゃ足りないくらい大事に思ってて、同期への想いと好きな人への想いは比べられないって言うか、』
「っ…、」
『私が好きなのは、美青だよ。加入してきてくれてからずっと好きだった。』
「嘘、」
『私嘘つかないよ。』
「そんなの、」
有り得るわけない、だって私はまだまだで、hkrさんに釣り合う訳もなくて、そんな私の事なんか好きになってくれるはずない、
『頑張ってる美青が好きなんだ、傍で支えたいって、そう思う。』
「っ…、私は、まだ何も、」
『これから作られてく美青の強みを一緒に作っていきたい。側で見ていたい。私と付き合ってくれないかな。』
「私でいいんですか、?」
『美青がいいんだよ。』
「田村さんみたいに余裕ないし、愛嬌もないし、優しくないし、嫉妬ばっかするし、我儘で、子供で、」
そんなくだらない事ばっか考える私をぎゅっと抱きしめてくれたhkrさんは、いつもの何倍も優しい声で、
『全部含めて、美青が好きだよ。』
そう言ってくれた。
「わたしも、すきです、ずっと大好きです。」
『付き合ってくれる?』
「はい、hkrさんの1番になりたいっ、」
『かわいい、』
『美青はもう私の1番だよ。』
井上「mrtさーん、ここレッスン場なんですけどー。」
田村「…イチャイチャせんといてー。」
村山「美青やったね。」
『…ごめんなさーい。』
『ふふ、美青また後で会いに来るね。』
「っ…はい、待ってます。」
『ん。』
『井上、さっきの振りもう1回やってみて。』
この時の私は気づけなかったんだ。
嬉しさに溺れて、田村さんの負った深い傷に。
-Fin-