▶︎ 森田ひかる
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高校二年生でアイドルになって、気づけばもう21歳。
5年経った今でも、高校1年生の時にした恋を思い出すことがある。
初めての恋は、普通やなかった。
相手は、女の子で、そして、今でもまだ引きずってしまうほど魅力的な人やった。
私から好きになって、告白して、付き合って、愛されて、アイドルになるために別れた。
今思えば身勝手だ。あんなに愛してくれていたのに、あんなに愛していたのに、夢のために一方的に別れを告げて東京へ出てきてしまった。
hkrは、怒っているだろうか。
今はもう違う人と幸せになっているのかな。
ふと思い出す度、後悔して、苦しくなって、また好きになる。私は何時まで叶いもしない片想いを続けてしまうのだろう。
田村「ひぃちゃーん、収録行くでー。」
「ん、はーい。」
保乃ちゃんの声で意識は現実へ戻ってくる。
今日の収録は美味しいケーキを賭けたゲームの回。メンバーそれぞれが食べたいケーキをその場でパティシエさんに作ってもらう、なんてとても豪華な話やった。
保乃ちゃんと腕を組んでスタジオ入りする。
既に何人かのメンバーは先に入っていて、ケーキの材料やらセットに釘付けの様子。
田村「ん〜、美味しそうやなぁ、ひぃちゃん、」
「うん、美味しそうやね、」
田村「ひぃちゃん、ケーキ好きやもんね。」
「ふふ、うん、大好き。」
そんな会話を広げながら私達もケーキの方へ足を進めた。その時だった。
『ひかる、ちゃん?』
「っ…、hkr?」
背後から聞こえた懐かしい声に振り向けば、記憶の中よりずっと大人になったhkrがいた。
パティシエの制服を見に纏い、嬉しそうな表情を浮かべたhkrを見て、私の恋心はさらに加速してしまう。
田村「ひぃちゃん、知り合いなん?」
「…ん、知り合い、高校の時の、」
田村「え!!運命やん!!!」
「始まるまでまだ時間あるんやし、お話してき〜!!」
なんて保乃ちゃんに背中を押され数cmhkrとの距離が縮まった。
『久しぶりやね、』
「うん、久しぶりやね、」
ずっと会いたいっち思っとったのに、いざ会ってしまったら、何を話せばいいのか分からなくて、言葉が上手く出てこない。
『ずっと応援しとったよ。』
「っ…、そうなん?」
『うん。』
『ひかるちゃんがアイドルになるっち言い出しよった時からずっーと、応援しとる。』
「怒っとらんの、?」
『ふふ、怒るわけなか。』
『…、会えて嬉しい。あの時よりも更に可愛くなったね、ひかるちゃん。』
「…hkrやって、」
「なぁ、ケーキ屋さんになったのって…、」
『ん、そうだよ、ひかるちゃんが思ってる通り。』
『ひかるちゃんがケーキ好きやったから、いつかひかるちゃんに届いたらいいなって思って、留学もしてパティシエになったんよ。』
気恥しそうに笑うhkrにまた胸がぎゅっと苦しくなって、それと同時に私が好きやったから、なんて理由に嬉しくなってしまう。
「っ…hkr、私ね、今もずっとhkrの事が、」
松田「あれ!ひかる、パティシエさんと知り合いなの?」
「っ…、あぁ、うん、高校の時の、」
松田「えーー!!なにそれ!!エモ!!」
「え、高校の時のひかるってどんな感じだったんですか??」
『ふふ、んー、可愛かったです。でも、勉強は苦手やったよね。』
「ちょ、言わんでよ〜。」
松田「ひかるが勉強苦手なのは言われなくてもわかってるから大丈夫。大丈夫。」
『あ、そろそろ始まるみたいですよ。』
松田「ん、ほんとだ!」
「じゃあパティシエさんのケーキ食べれるように頑張りますね!!」
『ふふ、はい。頑張ってください!』
「…、私も頑張るね、」
『うん、ひかるちゃんには絶対食べてもらいたいから、頑張って。』
「ん、」
伝えれなかった気持ちに蓋をして収録へ挑む。
あの時のhkrの表情は期待しているようで、何処か寂しそうやった。
この気持ちはhkrにとって、迷惑になってしまうのだろうか。
澤部「じゃあ次森田!!」
「はい!!」
hkrのケーキ、食べたいな。
絶対、勝たなきゃ。
澤部「勝者は、森田ー!!!」
「ケーキ!食べに行っちゃってください!」
「ふふ、はい!」
やった、勝てた。ケーキ、ケーキ。
『何ケーキにする?』
「ショートケーキ。」
『かしこまりました。』
真剣な顔をしてケーキを作るhkr。
ああ、愛しくて堪らないや。
『…、よし、』
『お待たせ。』
「ありがとう、」
「いただきます、」
『どうぞ、』
口に入れた瞬間ふわっと香るクリームの甘さと苺のフレッシュ感。優しくて、甘いケーキは、まるでhkrのようやった。
「美味しい、美味しいよ、hkr、」
『良かった。』
私たちの後ろではメンバーがそれぞれゲームをしている。何台ものカメラ、スタッフさんや皆の笑い声、そんな騒がしい空間の中で、たった一言hkrの声が聞こえた。
『今でもまだひかるちゃんが好きだよ。』
「っ…、」
ずっと聞きたくて、言いたくて堪らなかった言葉。嬉しくなって、目頭が熱くなってしまう。
「待っ、て、嫌、泣きたくない。」
『ふふ、泣かんでよ、私待ってるから。』
「…でも、私、まだまだ卒業とか、考えとらんよ、」
『5年も待ってるんだよ、あと数年数十年増えようが変わりっこないよ。』
「っ…、ありがとう、hkrっ、私も好きやけ、今は両片思い、やね。」
『っ…うん、これ終わったらさ連絡先、聞いてもよか?』
「うん。交換しよう、」
嬉しそうに笑ったhkrに見惚れていれば後ろからバタバタと大きな足音がやってきて"チョコレートケーキ!!!"なんて松田の声が響く。
私とhkrの時間は一旦終わったようだ。
『はい、かしこまりました。』
ケーキを食べ終えて、席に戻る。
これから始まるアイドルと、hkrとの両片想いの日々に胸を躍らせて。
-fin-
5年経った今でも、高校1年生の時にした恋を思い出すことがある。
初めての恋は、普通やなかった。
相手は、女の子で、そして、今でもまだ引きずってしまうほど魅力的な人やった。
私から好きになって、告白して、付き合って、愛されて、アイドルになるために別れた。
今思えば身勝手だ。あんなに愛してくれていたのに、あんなに愛していたのに、夢のために一方的に別れを告げて東京へ出てきてしまった。
hkrは、怒っているだろうか。
今はもう違う人と幸せになっているのかな。
ふと思い出す度、後悔して、苦しくなって、また好きになる。私は何時まで叶いもしない片想いを続けてしまうのだろう。
田村「ひぃちゃーん、収録行くでー。」
「ん、はーい。」
保乃ちゃんの声で意識は現実へ戻ってくる。
今日の収録は美味しいケーキを賭けたゲームの回。メンバーそれぞれが食べたいケーキをその場でパティシエさんに作ってもらう、なんてとても豪華な話やった。
保乃ちゃんと腕を組んでスタジオ入りする。
既に何人かのメンバーは先に入っていて、ケーキの材料やらセットに釘付けの様子。
田村「ん〜、美味しそうやなぁ、ひぃちゃん、」
「うん、美味しそうやね、」
田村「ひぃちゃん、ケーキ好きやもんね。」
「ふふ、うん、大好き。」
そんな会話を広げながら私達もケーキの方へ足を進めた。その時だった。
『ひかる、ちゃん?』
「っ…、hkr?」
背後から聞こえた懐かしい声に振り向けば、記憶の中よりずっと大人になったhkrがいた。
パティシエの制服を見に纏い、嬉しそうな表情を浮かべたhkrを見て、私の恋心はさらに加速してしまう。
田村「ひぃちゃん、知り合いなん?」
「…ん、知り合い、高校の時の、」
田村「え!!運命やん!!!」
「始まるまでまだ時間あるんやし、お話してき〜!!」
なんて保乃ちゃんに背中を押され数cmhkrとの距離が縮まった。
『久しぶりやね、』
「うん、久しぶりやね、」
ずっと会いたいっち思っとったのに、いざ会ってしまったら、何を話せばいいのか分からなくて、言葉が上手く出てこない。
『ずっと応援しとったよ。』
「っ…、そうなん?」
『うん。』
『ひかるちゃんがアイドルになるっち言い出しよった時からずっーと、応援しとる。』
「怒っとらんの、?」
『ふふ、怒るわけなか。』
『…、会えて嬉しい。あの時よりも更に可愛くなったね、ひかるちゃん。』
「…hkrやって、」
「なぁ、ケーキ屋さんになったのって…、」
『ん、そうだよ、ひかるちゃんが思ってる通り。』
『ひかるちゃんがケーキ好きやったから、いつかひかるちゃんに届いたらいいなって思って、留学もしてパティシエになったんよ。』
気恥しそうに笑うhkrにまた胸がぎゅっと苦しくなって、それと同時に私が好きやったから、なんて理由に嬉しくなってしまう。
「っ…hkr、私ね、今もずっとhkrの事が、」
松田「あれ!ひかる、パティシエさんと知り合いなの?」
「っ…、あぁ、うん、高校の時の、」
松田「えーー!!なにそれ!!エモ!!」
「え、高校の時のひかるってどんな感じだったんですか??」
『ふふ、んー、可愛かったです。でも、勉強は苦手やったよね。』
「ちょ、言わんでよ〜。」
松田「ひかるが勉強苦手なのは言われなくてもわかってるから大丈夫。大丈夫。」
『あ、そろそろ始まるみたいですよ。』
松田「ん、ほんとだ!」
「じゃあパティシエさんのケーキ食べれるように頑張りますね!!」
『ふふ、はい。頑張ってください!』
「…、私も頑張るね、」
『うん、ひかるちゃんには絶対食べてもらいたいから、頑張って。』
「ん、」
伝えれなかった気持ちに蓋をして収録へ挑む。
あの時のhkrの表情は期待しているようで、何処か寂しそうやった。
この気持ちはhkrにとって、迷惑になってしまうのだろうか。
澤部「じゃあ次森田!!」
「はい!!」
hkrのケーキ、食べたいな。
絶対、勝たなきゃ。
澤部「勝者は、森田ー!!!」
「ケーキ!食べに行っちゃってください!」
「ふふ、はい!」
やった、勝てた。ケーキ、ケーキ。
『何ケーキにする?』
「ショートケーキ。」
『かしこまりました。』
真剣な顔をしてケーキを作るhkr。
ああ、愛しくて堪らないや。
『…、よし、』
『お待たせ。』
「ありがとう、」
「いただきます、」
『どうぞ、』
口に入れた瞬間ふわっと香るクリームの甘さと苺のフレッシュ感。優しくて、甘いケーキは、まるでhkrのようやった。
「美味しい、美味しいよ、hkr、」
『良かった。』
私たちの後ろではメンバーがそれぞれゲームをしている。何台ものカメラ、スタッフさんや皆の笑い声、そんな騒がしい空間の中で、たった一言hkrの声が聞こえた。
『今でもまだひかるちゃんが好きだよ。』
「っ…、」
ずっと聞きたくて、言いたくて堪らなかった言葉。嬉しくなって、目頭が熱くなってしまう。
「待っ、て、嫌、泣きたくない。」
『ふふ、泣かんでよ、私待ってるから。』
「…でも、私、まだまだ卒業とか、考えとらんよ、」
『5年も待ってるんだよ、あと数年数十年増えようが変わりっこないよ。』
「っ…、ありがとう、hkrっ、私も好きやけ、今は両片思い、やね。」
『っ…うん、これ終わったらさ連絡先、聞いてもよか?』
「うん。交換しよう、」
嬉しそうに笑ったhkrに見惚れていれば後ろからバタバタと大きな足音がやってきて"チョコレートケーキ!!!"なんて松田の声が響く。
私とhkrの時間は一旦終わったようだ。
『はい、かしこまりました。』
ケーキを食べ終えて、席に戻る。
これから始まるアイドルと、hkrとの両片想いの日々に胸を躍らせて。
-fin-