▶︎ 田村保乃
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保乃ちゃんが好き、
好きだから、離れたくないし、離れられない。
例え保乃ちゃんが他の子に気が向いていたとしても、良かった。私のそばに居てくれるなら、それで良かったんだ。
『おかえり。』
田村「んー、ただいまー。」
残業という名の浮気を終えて帰ってきた保乃ちゃんは何食わぬ顔で私に抱きついてくる。鼻を掠めるきつい香水の香り、首元に見える紅い印、それらを全て頭の中から追い出して、抱き締め返す。
『好きだよ。』
田村「ん、保乃も。」
あぁ、可愛い、好きだなぁ。
軽く唇を重ねてから、保乃ちゃんはシャワーへ向かった。机の上に置いてあるスマホには何件もの連絡、"会いたい"だの、"好き"だの、まるで恋人のように甘い連絡に胸が苦しくなる。
好きなのは、私だけ、なんだろうな。
そんな毎日が続いたある日のこと。
保乃ちゃんに本命が出来たらしい。
いや、浮気が本気になってしまったのかもしれない。家に帰ってくる時間は遅くなり、私との会話を避けるようになった。それでも、好きだったから、離れたくなくて、都合のいい人間を続けた。
それも、終わりを告げる日が来てしまった。
『…ねぇ、どこ行くの、』
田村「仕事入っちゃってん、行ってくるな?」
『…今日は、3年記念日だよ。』
田村「…そう、やったっけ、今週末辺りにちゃんとやろうな。」
『…、』
田村「行ってきます。」
"行ってらっしゃい"ということも、笑いかけることも出来なくなってしまった。保乃ちゃんが着てるその服、私に告白してくれた時に着てた勝負服だよね?記念日は仕事も、遊びも入れないって約束、もう忘れちゃった?
保乃ちゃんには、もう、私は要らないんだよね。
『…大好き、だったなぁ、』
何故かスっと気持ちが落ち着いていく。
今日からは私の為に、毎日を過ごそう。
『あーっとね、そこは、フォントを変えて、そうそう、いいね。』
森田「ありがとうございますっ。」
保乃ちゃんへの気持ちが落ち着いたあの日から、仕事により一層力が入り、入ってきたばかりの後輩、ひかるちゃんの教育係になったことでモチベーションも上がる一方だった。
森田「hkrさんの教え方凄く分かりやすくて、本当に助かってます、」
『ふふ、全然だよ、またなんかあったら声掛けてね。』
小さな頭を撫で、自分のデスクに目を向けた時、隣から小さな声で"恋人さん、居るんですか?"なんて聞かれて、目線を戻せば真剣な表情をしたひかるちゃんが居た。
『恋人…、そうだねぇ、そう呼んでいいのか分からないけど3年付き合ってる人はいるよ。』
森田「…3年、長いですね、」
『…長いね、3年も一緒に居たらそりゃ飽きちゃうよね。』
森田「飽きないですよ。」
『…、』
森田「何年一緒にいようと好きな人に飽きなんてありません。私は、出会ってまだ少しだけど、hkrさんのこと凄く凄く好きです。」
『っ…ふふ、ありがとう。』
久しぶりに胸が高鳴って、目の前にいる彼女がほんの少し愛おしく思える。
森田「…迷惑やなかったら、これからアタックしても良かですか?」
『アタックしてくれるの?』
森田「したい、です。」
『…ありがとう、アタックして、ひかるちゃん。』
正直別れるのは時間の問題だし、ひかるちゃんなら、私を変えてくれるような気がする。そんな気がしてる。
この日から有言実行とでも言うようにひかるちゃんはことある事に好意を伝えてくれて、楽しい時も、辛い時も隣に居てくれて、どんな時でも私を受け止めてくれていた。
2人で遊びに行くことも増えて、気が付けば保乃ちゃんを想うよりひかるちゃんを思う時間の方が増えていった。
『…ただいまー。』
田村「おかえり。」
『帰ってたんだ、早いね。』
田村「…どこ行ってたん?」
『後輩ちゃんとご飯、連絡入れたでしょ。』
田村「あぁ、うん、そうやったっけ、」
-hono side-
正直hkrへの愛は冷めていた。
いや、冷めたと思っていた。
それなのに最近前以上に可愛く、格好良くなったhkrに胸が高鳴っていた。けれど、hkrの好きを感じることが出来なくなって、気が付けば仲のいい後輩とやらにhkrを取られていた。
『っ…保乃、ちゃん?』
「好き、」
『…急だねえ笑笑』
『どうしたの〜。』
玄関で捕まえるようにhkrを腕の中に閉じこめる。保乃よりもほんの少しだけ高い身長からふわっと香る家とは違う柔軟剤の香り。匂いが移るくらいその子と一緒に居たん?hkrは保乃のじゃないん?
「hkrは保乃のやんな?」
『っ…、』
なぁ早く答えてよ、保乃のやって、笑ってや。
なんで、余所見するん、保乃の事だけ見ててや。
"行ってらっしゃい"
"好きだよ"
"今日は、3年記念日だよ"
なんで、なんて言う資格保乃にある訳ないよな。
最初に余所見したのも、hkr以外を愛したのも全部全部保乃やもんな。
「ごめん、ごめんなさい、hkrっ、」
涙が溢れて、罪悪感と嫉妬心に駆られる。
「もう、余所見したり、しないからっ、hkrだけを見てるから、保乃から、離れないでっ…、」
-you side-
言葉を失った。
あの保乃ちゃんが涙を零し、私にしがみついて、離れないで、とそう言ったんだ。
私を何度も裏切ってきたくせに、何度も傷つけた癖に、自分が傷付くのは嫌なんて、そんなの狡いよ。
『記念日だけは、一緒に過ごしたかった。』
田村「っ…ごめん、ほんまに、ごめん、」
『本当は、ずっと、寂しかった、嫌だった、苦しかった。』
田村「っ…、」
『けど、あの日からずっと私を好きって言ってきてくれてる子がいて、どんな時も傍に居てくれたの。』
田村「後輩の子、やんな、?」
『うん。』
『最近は、保乃ちゃんのことよりもその子の事を考えることが増えた。その子といるほうが笑ってることが増えたの。』
田村「っ…、嫌や、保乃別れたくない、嫌やっ…、」
『最初に終わらせたのは保乃ちゃんだよ。』
田村「っ…、」
『そのお陰で私、他の子の事好きになれた。ありがとうね。』
床に膝を着き、泣き崩れた保乃ちゃん。
お揃いのリングを外し、靴棚に置く。
『荷物は保乃ちゃんが仕事の時に取りに来るから。残しておいて。』
そんな端的な言葉を掛けてから家を出た。
今更嫉妬されたって、嬉しくないよ。
私の痛み、少しは分かってくれた?
今度付き合った子にはちゃんと優しくしてあげるんだよ。1つの愛を与えてあげるんだよ。
約束だからね。
森田「もしもし、保乃ちゃん?」
田村「…ひぃちゃん、保乃、振られちゃった、無くしてから大切さに気づくなんて馬鹿、やんな。」
森田「私と過ごした時間、少しでもhkrさんに当ててたら変わってたかもね。」
田村「…、ひぃちゃんにhkrの名前教えたっけ、?」
森田「…じゃあね、保乃ちゃん。hkrさんとの記念日、私と過ごしてくれて良かったよ。」
ピロン
あぁ、全部、あの子の手の上やったんや。
-fin-
ディアスキア 花言葉 私を許して
好きだから、離れたくないし、離れられない。
例え保乃ちゃんが他の子に気が向いていたとしても、良かった。私のそばに居てくれるなら、それで良かったんだ。
『おかえり。』
田村「んー、ただいまー。」
残業という名の浮気を終えて帰ってきた保乃ちゃんは何食わぬ顔で私に抱きついてくる。鼻を掠めるきつい香水の香り、首元に見える紅い印、それらを全て頭の中から追い出して、抱き締め返す。
『好きだよ。』
田村「ん、保乃も。」
あぁ、可愛い、好きだなぁ。
軽く唇を重ねてから、保乃ちゃんはシャワーへ向かった。机の上に置いてあるスマホには何件もの連絡、"会いたい"だの、"好き"だの、まるで恋人のように甘い連絡に胸が苦しくなる。
好きなのは、私だけ、なんだろうな。
そんな毎日が続いたある日のこと。
保乃ちゃんに本命が出来たらしい。
いや、浮気が本気になってしまったのかもしれない。家に帰ってくる時間は遅くなり、私との会話を避けるようになった。それでも、好きだったから、離れたくなくて、都合のいい人間を続けた。
それも、終わりを告げる日が来てしまった。
『…ねぇ、どこ行くの、』
田村「仕事入っちゃってん、行ってくるな?」
『…今日は、3年記念日だよ。』
田村「…そう、やったっけ、今週末辺りにちゃんとやろうな。」
『…、』
田村「行ってきます。」
"行ってらっしゃい"ということも、笑いかけることも出来なくなってしまった。保乃ちゃんが着てるその服、私に告白してくれた時に着てた勝負服だよね?記念日は仕事も、遊びも入れないって約束、もう忘れちゃった?
保乃ちゃんには、もう、私は要らないんだよね。
『…大好き、だったなぁ、』
何故かスっと気持ちが落ち着いていく。
今日からは私の為に、毎日を過ごそう。
『あーっとね、そこは、フォントを変えて、そうそう、いいね。』
森田「ありがとうございますっ。」
保乃ちゃんへの気持ちが落ち着いたあの日から、仕事により一層力が入り、入ってきたばかりの後輩、ひかるちゃんの教育係になったことでモチベーションも上がる一方だった。
森田「hkrさんの教え方凄く分かりやすくて、本当に助かってます、」
『ふふ、全然だよ、またなんかあったら声掛けてね。』
小さな頭を撫で、自分のデスクに目を向けた時、隣から小さな声で"恋人さん、居るんですか?"なんて聞かれて、目線を戻せば真剣な表情をしたひかるちゃんが居た。
『恋人…、そうだねぇ、そう呼んでいいのか分からないけど3年付き合ってる人はいるよ。』
森田「…3年、長いですね、」
『…長いね、3年も一緒に居たらそりゃ飽きちゃうよね。』
森田「飽きないですよ。」
『…、』
森田「何年一緒にいようと好きな人に飽きなんてありません。私は、出会ってまだ少しだけど、hkrさんのこと凄く凄く好きです。」
『っ…ふふ、ありがとう。』
久しぶりに胸が高鳴って、目の前にいる彼女がほんの少し愛おしく思える。
森田「…迷惑やなかったら、これからアタックしても良かですか?」
『アタックしてくれるの?』
森田「したい、です。」
『…ありがとう、アタックして、ひかるちゃん。』
正直別れるのは時間の問題だし、ひかるちゃんなら、私を変えてくれるような気がする。そんな気がしてる。
この日から有言実行とでも言うようにひかるちゃんはことある事に好意を伝えてくれて、楽しい時も、辛い時も隣に居てくれて、どんな時でも私を受け止めてくれていた。
2人で遊びに行くことも増えて、気が付けば保乃ちゃんを想うよりひかるちゃんを思う時間の方が増えていった。
『…ただいまー。』
田村「おかえり。」
『帰ってたんだ、早いね。』
田村「…どこ行ってたん?」
『後輩ちゃんとご飯、連絡入れたでしょ。』
田村「あぁ、うん、そうやったっけ、」
-hono side-
正直hkrへの愛は冷めていた。
いや、冷めたと思っていた。
それなのに最近前以上に可愛く、格好良くなったhkrに胸が高鳴っていた。けれど、hkrの好きを感じることが出来なくなって、気が付けば仲のいい後輩とやらにhkrを取られていた。
『っ…保乃、ちゃん?』
「好き、」
『…急だねえ笑笑』
『どうしたの〜。』
玄関で捕まえるようにhkrを腕の中に閉じこめる。保乃よりもほんの少しだけ高い身長からふわっと香る家とは違う柔軟剤の香り。匂いが移るくらいその子と一緒に居たん?hkrは保乃のじゃないん?
「hkrは保乃のやんな?」
『っ…、』
なぁ早く答えてよ、保乃のやって、笑ってや。
なんで、余所見するん、保乃の事だけ見ててや。
"行ってらっしゃい"
"好きだよ"
"今日は、3年記念日だよ"
なんで、なんて言う資格保乃にある訳ないよな。
最初に余所見したのも、hkr以外を愛したのも全部全部保乃やもんな。
「ごめん、ごめんなさい、hkrっ、」
涙が溢れて、罪悪感と嫉妬心に駆られる。
「もう、余所見したり、しないからっ、hkrだけを見てるから、保乃から、離れないでっ…、」
-you side-
言葉を失った。
あの保乃ちゃんが涙を零し、私にしがみついて、離れないで、とそう言ったんだ。
私を何度も裏切ってきたくせに、何度も傷つけた癖に、自分が傷付くのは嫌なんて、そんなの狡いよ。
『記念日だけは、一緒に過ごしたかった。』
田村「っ…ごめん、ほんまに、ごめん、」
『本当は、ずっと、寂しかった、嫌だった、苦しかった。』
田村「っ…、」
『けど、あの日からずっと私を好きって言ってきてくれてる子がいて、どんな時も傍に居てくれたの。』
田村「後輩の子、やんな、?」
『うん。』
『最近は、保乃ちゃんのことよりもその子の事を考えることが増えた。その子といるほうが笑ってることが増えたの。』
田村「っ…、嫌や、保乃別れたくない、嫌やっ…、」
『最初に終わらせたのは保乃ちゃんだよ。』
田村「っ…、」
『そのお陰で私、他の子の事好きになれた。ありがとうね。』
床に膝を着き、泣き崩れた保乃ちゃん。
お揃いのリングを外し、靴棚に置く。
『荷物は保乃ちゃんが仕事の時に取りに来るから。残しておいて。』
そんな端的な言葉を掛けてから家を出た。
今更嫉妬されたって、嬉しくないよ。
私の痛み、少しは分かってくれた?
今度付き合った子にはちゃんと優しくしてあげるんだよ。1つの愛を与えてあげるんだよ。
約束だからね。
森田「もしもし、保乃ちゃん?」
田村「…ひぃちゃん、保乃、振られちゃった、無くしてから大切さに気づくなんて馬鹿、やんな。」
森田「私と過ごした時間、少しでもhkrさんに当ててたら変わってたかもね。」
田村「…、ひぃちゃんにhkrの名前教えたっけ、?」
森田「…じゃあね、保乃ちゃん。hkrさんとの記念日、私と過ごしてくれて良かったよ。」
ピロン
あぁ、全部、あの子の手の上やったんや。
-fin-
ディアスキア 花言葉 私を許して