▶︎ 藤吉夏鈴
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『ねぇ藤吉さん、私とゲームしない?』
それは、学校一の人気者とクラスで1番目立たない夏鈴の、2人だけのゲームが始まった日のことだった。
『おはよう、藤吉さん。』
「…おはよう。」
『今日も天気いいね〜、どう?晴れは好き?』
「…眩しすぎるから好きやない。」
『そっかぁ、私は好きだよ。晴れ。』
名前も知らない夏鈴の前の席の子の椅子に跨って、夏鈴の机で頬杖を着きながら窓を見上げて笑った彼女はぴかぴかに光る太陽のようやった。
"好きゲーム"
"何それ"
"私は藤吉さんが好き。だから、今日から藤吉さんにアタックをしていく"
"…そんなん、"
"そーれーで!半年後の放課後までに私が藤吉さんを好きにさせていたら私の勝ち"
"好きやなかったら?"
"勿論藤吉さんの勝ち。何でも言う事を聞くよ"
正直くだらないと思った。
夏鈴がこの人を好きになるわけはないし、夏鈴とは別の世界で生きてるこの人はいつか夏鈴に飽きるだろう、と。
でも、頷いてしまったのは、そう提案してきた彼女がいつになく真剣な表情やったから。
退屈な日々をほんの少しだけ抜けれそうやったから。
ただのゲーム。
そう思っていたのに。
『ふふ、そう言えば今日でゲームが始まって1ヶ月だけど、どう?私の事好きになった?』
「…なる訳ないやろ。」
『んーー、手強いなぁ。』
『そうだ!じゃあ藤吉さん、じゃなくて、夏鈴ちゃんって呼んでもいーい?』
「…別にええけど。」
『やった、じゃあ夏鈴ちゃんも私のこと下の名前で呼んで!』
「ん、分かった。」
『…、』
「…そんなキラキラした目で見つめんで、用があったらちゃんと呼ぶから。」
『はぁ…、私は今聞きたいのに。』
『まぁいいや!!今日も一日好きだよ。夏鈴ちゃんっ。』
「…そう。」
彼女はどうして夏鈴を好きになったんやろう。
何も持っていない夏鈴と、全てを持ってる彼女。
好きになる順番、普通は反対やろ。
そして彼女は今日も、その次の日も、次の日も、毎日毎日夏鈴の元へやって来ては最終的に好きと伝えて、陽キャ軍団の元へ戻っていく。
所詮夏鈴たちの住んでる世界は、違うんやから。
『あーー!夏鈴ちゃん!今帰り?一緒に帰っていい?』
「…ええ、けど、」
『ほんと?良かったぁ。』
"hkrー、いつから藤吉と話すようになったの?"
"そうだよ、しかもうちらの誘い断ってまで、意味わかんないんだけどー"
「っ…、」
森田「別にいいんやない?hkrが帰りたい人と帰れば。」
『ひかる、ありがとう。』
『私は、藤吉さんが好きだから。今、アタック中なの。ねーー??』
「…なんで、言ったん、」
そんなの、あんたのイメージが下がるだけじゃん。夏鈴の事が好きとか、絶対バレちゃいけへんことやろ。
『…ごめん、嫌だった?』
「ちゃうよ、そうやなくて…、」
森田「藤吉さん、hkrそーゆうの考えとらんよ。」
「え?」
森田「自分のイメージが下がるとか、そーゆうの、考えて動くような人じゃなか。」
『…??』
「っ…でも、」
森田「ふふ、それに藤吉さんはもっと自信もっていいと思うよ。そうしたらもっと、綺麗になる。」
「っ……、」
小さな手のひらが夏鈴の頭を撫でて、そして、目の前で笑う彼女、森田さんは、凄く綺麗やった。
『今、絶対ひかるに見惚れてる。ねえ!!見惚れてるでしょ!!』
「え?あ、いや、うん、綺麗やなって、」
『な…、ひーかーる!!!自分の可愛さ注意してって何回も言ってるでしょ!!ひかるがライバルとか敵わないんだからさーー、笑』
森田「ふふ、ごめんごめん、無意識やけ、許して?」
『もう〜、ふふ、でもよく分かんないけど、解決でいい?』
森田「ん〜?いいんやない?」
「ね、あんた達も文句ないやろ?」
"まぁ、ひかるが言うならー?"
"hkrの恋路応援してあげるよー"
『ふふ、ありがとう。ひかる、ありがとう。』
森田「…どーいたしまして。」
「ほら、帰りな。」
『ん!』
『夏鈴ちゃん、帰ろう。』
「うん、森田さん、ありがとう。」
森田「ふふ。」
"ふぁいと"
「っ…、」
この人は、夏鈴の気持ちに気づいてる。
奥の奥にしまいこんだ、この気持ちに。
『いやーー、ごめんね、悪い子たちじゃないんだけど、仲間意識がちょーっと強くてね。』
「…別に、大丈夫。」
『…夏鈴ちゃんさ、』
「ん?」
『ひかるのこと、好きになった?』
「え?」
『いや、だったら、私はここで引くし、うん、ひかるとの恋応援するよ、そりゃ、そうだよね、ひかる可愛いし、優しいし、私じゃ敵わない、もんね。』
「…いつもの余裕はどこいったん?」
『え?』
「確かに、森田さんは綺麗やった、見惚れたのも事実。」
『…、』
「でも、簡単に揺らぐほど夏鈴は軽い女やない。hkrが一番、わかってるやろ?」
『っ…今、hkrって、』
「もう、夏鈴の負けや、」
『え、?ちょ、ちょっと待って、え、?』
「しつこいし、笑顔はキラキラしてて眩しいし、いつもクラスの中心にいて話しかけずらいし、住んでる世界、違うと思っててんけど、」
『…、』
「けど、優しくて、いつも周りをちゃんと見てて、夏鈴のことも、いっつも見付けてくれる、気付いたらずっと目で追っててん、hkrの事、好きになってた、」
『嘘…、っ、待っ、え??嘘、』
「もうさっきからダサすぎ。このまま夏鈴に告白させるつもり?」
『っ…、』
『ふふ、ごめん、本当はさ夏鈴ちゃんの事になると何一つ余裕なんかないんだ、話すのにも精一杯。バレたくなくて一生懸命頑張ってたんだけど、さっきのがうん、素の私、って言うか。』
「ふふ、うん、」
『それでも、いいなら、好きって言ってくれるなら、私と付き合って、夏鈴ちゃん。』
「付き合ってあげる。mrthkr、ゲーム終了。やな?」
『うん、ゲーム終了。』
『好きになってくれて、ありがとう。』
「夏鈴こそ。アタックしてくれて、ありがとう。」
繋いだ手。隣でキラキラと眩しい笑顔を見せるhkrに胸がキュンとなる。
『ねぇ、夏鈴ちゃん?』
「ん??」
『晴れは、好き?』
「ふふ、そうやなぁ、好き、かな。」
『へへ、そっか。』
今日から始まる、hkrとの恋人生活。
たくさんのミッションや、イベントが発生するであろう日々。
その度に2人で乗り越えていこうと思う。
これは、恋人生活という、新しいゲームの始まり。
-fin-
それは、学校一の人気者とクラスで1番目立たない夏鈴の、2人だけのゲームが始まった日のことだった。
『おはよう、藤吉さん。』
「…おはよう。」
『今日も天気いいね〜、どう?晴れは好き?』
「…眩しすぎるから好きやない。」
『そっかぁ、私は好きだよ。晴れ。』
名前も知らない夏鈴の前の席の子の椅子に跨って、夏鈴の机で頬杖を着きながら窓を見上げて笑った彼女はぴかぴかに光る太陽のようやった。
"好きゲーム"
"何それ"
"私は藤吉さんが好き。だから、今日から藤吉さんにアタックをしていく"
"…そんなん、"
"そーれーで!半年後の放課後までに私が藤吉さんを好きにさせていたら私の勝ち"
"好きやなかったら?"
"勿論藤吉さんの勝ち。何でも言う事を聞くよ"
正直くだらないと思った。
夏鈴がこの人を好きになるわけはないし、夏鈴とは別の世界で生きてるこの人はいつか夏鈴に飽きるだろう、と。
でも、頷いてしまったのは、そう提案してきた彼女がいつになく真剣な表情やったから。
退屈な日々をほんの少しだけ抜けれそうやったから。
ただのゲーム。
そう思っていたのに。
『ふふ、そう言えば今日でゲームが始まって1ヶ月だけど、どう?私の事好きになった?』
「…なる訳ないやろ。」
『んーー、手強いなぁ。』
『そうだ!じゃあ藤吉さん、じゃなくて、夏鈴ちゃんって呼んでもいーい?』
「…別にええけど。」
『やった、じゃあ夏鈴ちゃんも私のこと下の名前で呼んで!』
「ん、分かった。」
『…、』
「…そんなキラキラした目で見つめんで、用があったらちゃんと呼ぶから。」
『はぁ…、私は今聞きたいのに。』
『まぁいいや!!今日も一日好きだよ。夏鈴ちゃんっ。』
「…そう。」
彼女はどうして夏鈴を好きになったんやろう。
何も持っていない夏鈴と、全てを持ってる彼女。
好きになる順番、普通は反対やろ。
そして彼女は今日も、その次の日も、次の日も、毎日毎日夏鈴の元へやって来ては最終的に好きと伝えて、陽キャ軍団の元へ戻っていく。
所詮夏鈴たちの住んでる世界は、違うんやから。
『あーー!夏鈴ちゃん!今帰り?一緒に帰っていい?』
「…ええ、けど、」
『ほんと?良かったぁ。』
"hkrー、いつから藤吉と話すようになったの?"
"そうだよ、しかもうちらの誘い断ってまで、意味わかんないんだけどー"
「っ…、」
森田「別にいいんやない?hkrが帰りたい人と帰れば。」
『ひかる、ありがとう。』
『私は、藤吉さんが好きだから。今、アタック中なの。ねーー??』
「…なんで、言ったん、」
そんなの、あんたのイメージが下がるだけじゃん。夏鈴の事が好きとか、絶対バレちゃいけへんことやろ。
『…ごめん、嫌だった?』
「ちゃうよ、そうやなくて…、」
森田「藤吉さん、hkrそーゆうの考えとらんよ。」
「え?」
森田「自分のイメージが下がるとか、そーゆうの、考えて動くような人じゃなか。」
『…??』
「っ…でも、」
森田「ふふ、それに藤吉さんはもっと自信もっていいと思うよ。そうしたらもっと、綺麗になる。」
「っ……、」
小さな手のひらが夏鈴の頭を撫でて、そして、目の前で笑う彼女、森田さんは、凄く綺麗やった。
『今、絶対ひかるに見惚れてる。ねえ!!見惚れてるでしょ!!』
「え?あ、いや、うん、綺麗やなって、」
『な…、ひーかーる!!!自分の可愛さ注意してって何回も言ってるでしょ!!ひかるがライバルとか敵わないんだからさーー、笑』
森田「ふふ、ごめんごめん、無意識やけ、許して?」
『もう〜、ふふ、でもよく分かんないけど、解決でいい?』
森田「ん〜?いいんやない?」
「ね、あんた達も文句ないやろ?」
"まぁ、ひかるが言うならー?"
"hkrの恋路応援してあげるよー"
『ふふ、ありがとう。ひかる、ありがとう。』
森田「…どーいたしまして。」
「ほら、帰りな。」
『ん!』
『夏鈴ちゃん、帰ろう。』
「うん、森田さん、ありがとう。」
森田「ふふ。」
"ふぁいと"
「っ…、」
この人は、夏鈴の気持ちに気づいてる。
奥の奥にしまいこんだ、この気持ちに。
『いやーー、ごめんね、悪い子たちじゃないんだけど、仲間意識がちょーっと強くてね。』
「…別に、大丈夫。」
『…夏鈴ちゃんさ、』
「ん?」
『ひかるのこと、好きになった?』
「え?」
『いや、だったら、私はここで引くし、うん、ひかるとの恋応援するよ、そりゃ、そうだよね、ひかる可愛いし、優しいし、私じゃ敵わない、もんね。』
「…いつもの余裕はどこいったん?」
『え?』
「確かに、森田さんは綺麗やった、見惚れたのも事実。」
『…、』
「でも、簡単に揺らぐほど夏鈴は軽い女やない。hkrが一番、わかってるやろ?」
『っ…今、hkrって、』
「もう、夏鈴の負けや、」
『え、?ちょ、ちょっと待って、え、?』
「しつこいし、笑顔はキラキラしてて眩しいし、いつもクラスの中心にいて話しかけずらいし、住んでる世界、違うと思っててんけど、」
『…、』
「けど、優しくて、いつも周りをちゃんと見てて、夏鈴のことも、いっつも見付けてくれる、気付いたらずっと目で追っててん、hkrの事、好きになってた、」
『嘘…、っ、待っ、え??嘘、』
「もうさっきからダサすぎ。このまま夏鈴に告白させるつもり?」
『っ…、』
『ふふ、ごめん、本当はさ夏鈴ちゃんの事になると何一つ余裕なんかないんだ、話すのにも精一杯。バレたくなくて一生懸命頑張ってたんだけど、さっきのがうん、素の私、って言うか。』
「ふふ、うん、」
『それでも、いいなら、好きって言ってくれるなら、私と付き合って、夏鈴ちゃん。』
「付き合ってあげる。mrthkr、ゲーム終了。やな?」
『うん、ゲーム終了。』
『好きになってくれて、ありがとう。』
「夏鈴こそ。アタックしてくれて、ありがとう。」
繋いだ手。隣でキラキラと眩しい笑顔を見せるhkrに胸がキュンとなる。
『ねぇ、夏鈴ちゃん?』
「ん??」
『晴れは、好き?』
「ふふ、そうやなぁ、好き、かな。」
『へへ、そっか。』
今日から始まる、hkrとの恋人生活。
たくさんのミッションや、イベントが発生するであろう日々。
その度に2人で乗り越えていこうと思う。
これは、恋人生活という、新しいゲームの始まり。
-fin-