▶︎ 山﨑天
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「ねえお姉ちゃーん、セーター貸してー」 ガチャ
『…あ、ひかる今コンビニ行ってる、』
「え?あ、えっと、」
『ひかるの友達のmrthkrです、妹の天ちゃんだよね?』
「あ、はい、天です、」
『ふふ、ひかるの言ってた通り、お姉ちゃんみたいな妹ちゃんだ。』
高校一年生になった春、私は恋をした。
hkrと名乗るお姉ちゃんの友達、基、私の先輩にあたる人。
「あー、えっと、」
『とりあえずもうすぐ帰ってくると思うから一緒に待ってる?』
「良いんですか?」
『ん、私は全然、ひかるの話とか聞きたいし。笑』
「ふふ、沢山ありますよ〜。」
初めて会ったのにそれを感じさせないくらい話しやすくて、気がつけば呼び方も話し方も砕けたものになっていた。
森田「たーだいまーって、天、帰ってたと?」
「あ、お姉ちゃんおかえりー。」
『おかえりー。』
森田「ただーいま!なん、2人とも仲良かったっけ?あれ、hkrに天のこと紹介したっけ?!」
『んーん、いまさっき初めましてしたばっかだよねー?』
「ねーっ。」
森田「ふふ、ほんと仲良くなるの早か〜〜。」
「で、天は何しにきたん?」
「あ、そうそう、セーター貸して欲しくてさ。」
森田「セーター?私の?」
「そう、多分洗濯で私のがお姉ちゃんところ行ってるはずなの、確認したくてさ!」
森田「あー!はい!天の?」
「ふふ、うん、これ私の。」
森田「ごめんごめん笑」
「でもお姉ちゃん学校で着てるセーター私と同じくらいのサイズじゃない?」
森田「え?あー、」
『私が貸してあげてんのー、大きい方が可愛いやろ?とか言っちゃってさー笑』
「あー、そーゆうこと!?」
「お姉ちゃん駄目じゃん!笑笑」
森田「ふふ、ごめんじゃん。次からはちょっと気をつけるねー。」
『セーターの貸し借りにちょっととかないと思うんだけど。』
森田「まぁまぁまぁ、」
この時気づいておけばよかった。
そうしたら、こんなに傷つかずに済んだのに。
「ただいまー、」
『おかえりー。』
「あれ、お姉ちゃんはー?」
『新刊買い忘れたとかなんとかで本屋行ったよー。あ、お邪魔してまーす。』
「あー、確か今日発売日、ふふ、どうぞどうぞー。」
いつものようにお姉ちゃんの部屋に2人で向かって、hkrちゃんは勉強机の椅子に、私はベッドに腰かける。
気がつけばhkrちゃんに恋をしてから8ヶ月、季節はもう冬になっていた。
『あ、そういえば今日天ちゃん告白されたでしょ?』
「え!?なんで知ってるの!?」
『たまたま通りかかっちゃったー笑笑』
「えー、恥ずかしいんだけど、」
『で、答えは?』
「お断りしましたー。」
『え、なんで!』
「なんでって…、好きな人いるし、」
『え!?嘘!?誰!?』
「教えませーーん。」
『なーんでよーー笑笑』
「そーゆうhkrちゃんこそどーなの?」
『どーって?』
「好きな人とか、居らんの?」
『私のことはーそうだなー、いつか教えてあげる!』
「えーー、逃げたなー?」
『ふふ、あ、期末どう?進級できそう?』
「……、」
『…よし、勉強しよっか。教えてあげるから教材持ってきな。』
「はーい、、、。」
結局肝心な部分は教えてくれなかったけど、その分勉強を教えてもらっていれば漫画を片手にお姉ちゃんが帰ってきた。
「おかえりー、」
森田「ん、ただいまー、」
「hkr、知っとった?明日で私たち1年だよ!」
『え、うん、知ってたけど。』
『ていうか、天ちゃんの前で言っていいの?』
森田「………あ、やらかした、」
「え?どーゆうこと?」
時が止まったようだった。
気まづそうな2人の表情と、私たち1年だよ!なんてお姉ちゃんの嬉しそうな声が頭の中でぐちゃぐちゃになって、ようやく気づく。
「あ、2人ってそーゆう感じ?」
森田「…ごめん、ちゃんと話そうって思っとたんよ、特に天には話さなきゃなって、」
私の好きな人は、私のお姉ちゃんの恋人だった。
よく考えてみれば色々おかしかったんだ、こんな頻度で会うことも、恋人が居ないはずのお姉ちゃんが何故か毎月カレンダーの21日に丸印をつけていたことも、セーターを借りていたことも、全部最初からヒントは出てたじゃないか。
時折2人からする甘い雰囲気も、見ないふりをして目をつぶってきた。
あぁ、もっと早く気づけば良かった。こんなに気持ちが大きくなる前に、捨てちまえば良かった。
「そっか…、お似合いじゃん。」
『…天、ちゃん、?』
「っ…ごめん、ちょっとびっくりして、」
視界が滲んで、熱いものが頬に垂れて、hkrちゃんとお姉ちゃんの優しさが今は凄く痛かった。
「…お似合いだよ、2人とも、」
『ありがとう、』
森田「ありがとう、天。」
この涙も全部お姉ちゃんを思う嬉し涙だったならいいのに。
何処かでまだチャンスを狙ってる自分が嫌になる。
こんな妹でごめんね、お姉ちゃん。
hkrちゃん、大好きでした。
-fin-
『…あ、ひかる今コンビニ行ってる、』
「え?あ、えっと、」
『ひかるの友達のmrthkrです、妹の天ちゃんだよね?』
「あ、はい、天です、」
『ふふ、ひかるの言ってた通り、お姉ちゃんみたいな妹ちゃんだ。』
高校一年生になった春、私は恋をした。
hkrと名乗るお姉ちゃんの友達、基、私の先輩にあたる人。
「あー、えっと、」
『とりあえずもうすぐ帰ってくると思うから一緒に待ってる?』
「良いんですか?」
『ん、私は全然、ひかるの話とか聞きたいし。笑』
「ふふ、沢山ありますよ〜。」
初めて会ったのにそれを感じさせないくらい話しやすくて、気がつけば呼び方も話し方も砕けたものになっていた。
森田「たーだいまーって、天、帰ってたと?」
「あ、お姉ちゃんおかえりー。」
『おかえりー。』
森田「ただーいま!なん、2人とも仲良かったっけ?あれ、hkrに天のこと紹介したっけ?!」
『んーん、いまさっき初めましてしたばっかだよねー?』
「ねーっ。」
森田「ふふ、ほんと仲良くなるの早か〜〜。」
「で、天は何しにきたん?」
「あ、そうそう、セーター貸して欲しくてさ。」
森田「セーター?私の?」
「そう、多分洗濯で私のがお姉ちゃんところ行ってるはずなの、確認したくてさ!」
森田「あー!はい!天の?」
「ふふ、うん、これ私の。」
森田「ごめんごめん笑」
「でもお姉ちゃん学校で着てるセーター私と同じくらいのサイズじゃない?」
森田「え?あー、」
『私が貸してあげてんのー、大きい方が可愛いやろ?とか言っちゃってさー笑』
「あー、そーゆうこと!?」
「お姉ちゃん駄目じゃん!笑笑」
森田「ふふ、ごめんじゃん。次からはちょっと気をつけるねー。」
『セーターの貸し借りにちょっととかないと思うんだけど。』
森田「まぁまぁまぁ、」
この時気づいておけばよかった。
そうしたら、こんなに傷つかずに済んだのに。
「ただいまー、」
『おかえりー。』
「あれ、お姉ちゃんはー?」
『新刊買い忘れたとかなんとかで本屋行ったよー。あ、お邪魔してまーす。』
「あー、確か今日発売日、ふふ、どうぞどうぞー。」
いつものようにお姉ちゃんの部屋に2人で向かって、hkrちゃんは勉強机の椅子に、私はベッドに腰かける。
気がつけばhkrちゃんに恋をしてから8ヶ月、季節はもう冬になっていた。
『あ、そういえば今日天ちゃん告白されたでしょ?』
「え!?なんで知ってるの!?」
『たまたま通りかかっちゃったー笑笑』
「えー、恥ずかしいんだけど、」
『で、答えは?』
「お断りしましたー。」
『え、なんで!』
「なんでって…、好きな人いるし、」
『え!?嘘!?誰!?』
「教えませーーん。」
『なーんでよーー笑笑』
「そーゆうhkrちゃんこそどーなの?」
『どーって?』
「好きな人とか、居らんの?」
『私のことはーそうだなー、いつか教えてあげる!』
「えーー、逃げたなー?」
『ふふ、あ、期末どう?進級できそう?』
「……、」
『…よし、勉強しよっか。教えてあげるから教材持ってきな。』
「はーい、、、。」
結局肝心な部分は教えてくれなかったけど、その分勉強を教えてもらっていれば漫画を片手にお姉ちゃんが帰ってきた。
「おかえりー、」
森田「ん、ただいまー、」
「hkr、知っとった?明日で私たち1年だよ!」
『え、うん、知ってたけど。』
『ていうか、天ちゃんの前で言っていいの?』
森田「………あ、やらかした、」
「え?どーゆうこと?」
時が止まったようだった。
気まづそうな2人の表情と、私たち1年だよ!なんてお姉ちゃんの嬉しそうな声が頭の中でぐちゃぐちゃになって、ようやく気づく。
「あ、2人ってそーゆう感じ?」
森田「…ごめん、ちゃんと話そうって思っとたんよ、特に天には話さなきゃなって、」
私の好きな人は、私のお姉ちゃんの恋人だった。
よく考えてみれば色々おかしかったんだ、こんな頻度で会うことも、恋人が居ないはずのお姉ちゃんが何故か毎月カレンダーの21日に丸印をつけていたことも、セーターを借りていたことも、全部最初からヒントは出てたじゃないか。
時折2人からする甘い雰囲気も、見ないふりをして目をつぶってきた。
あぁ、もっと早く気づけば良かった。こんなに気持ちが大きくなる前に、捨てちまえば良かった。
「そっか…、お似合いじゃん。」
『…天、ちゃん、?』
「っ…ごめん、ちょっとびっくりして、」
視界が滲んで、熱いものが頬に垂れて、hkrちゃんとお姉ちゃんの優しさが今は凄く痛かった。
「…お似合いだよ、2人とも、」
『ありがとう、』
森田「ありがとう、天。」
この涙も全部お姉ちゃんを思う嬉し涙だったならいいのに。
何処かでまだチャンスを狙ってる自分が嫌になる。
こんな妹でごめんね、お姉ちゃん。
hkrちゃん、大好きでした。
-fin-