▶︎ 田村保乃
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彼女が心配だった。
いつも人のことばかり心配して、笑顔を絶やすことなく、周りを支え続ける彼女が心配だった。
ほら、今だって疲れているはずなのにそれを見せることなく笑顔でお偉いさんに接している。
『…保乃』
田村「ん?あ、すみません、」
『落合さんが呼んでる。』
田村「すぐ行くわ、それじゃあまた…、」
"あぁ、また会えるの楽しみにしてるよ"
楽屋の前でどれだけの長話に付き合っていたのだろうか。私が飲み物を買おうと思わなければ、自販機に向かおうとしなければきっと保乃は無理したままだったんだろうな。
田村「どこで呼んでた?」
『…呼んでない。』
田村「え?」
『気の所為、だった。』
田村「…ふふ、なにそれ、でもありがとうな。」
「自販機行くん?」
『あぁ、うん、保乃も行く?』
田村「ん〜、行こっかな!」
『ん、行こ。』
『…どれ飲む?』
田村「え、良いん?」
『うん、』
田村「ん〜〜、じゃあ、これ!」
『…』 ガタンッ
『ん、』
田村「へへ、ありがとう。」
『どういたしまして。』
私も保乃と同じものを買う。直ぐに楽屋に戻ってしまうのはなんだか勿体ない気がして、保乃の手を取り滅多に人が来ることは無いベンチに腰かける。
田村「ふふ、どうしたん?なんかあった?」
『…んーん、無いよ。』
田村「珍しいやん、hkrが保乃の所来るなんて。」
『そんなことないでしょ。』
田村「んーん、ある!」
「最近はひぃちゃんと居るか、3期ちゃんに絡まれてる所しか見てへんもん。」
『…たしかに』
田村「ふふ、やろ?」
「だから、ちょっと嬉しいねん。」
『…保乃はさ、』
田村「ん〜?」
大きくて綺麗な瞳と視線が交わる。
首をほんの少し傾けているから綺麗な髪の毛が左に流れ落ちていて、何度見ても、何年一緒にいてもやっぱり可愛いなぁなんて思う。
『…保乃は、何もない?』
田村「…?」
『…無理、してない?』
田村「っ…、してるよ、そりゃ、保乃はアイドルなんやから。」
また、苦しそうに笑った。
頑張って浮かべたような笑顔。
『…、』
もう無理して笑わなくていいように、ぎゅっと抱きしめて私の中に保乃を隠す。
私は言葉を紡ぐのが上手じゃないから、こーゆう時なんて言うのが正解なのかも分からない。
だから、抱き締めて、頭を撫でるしかなかった。
田村「っ…、辛い、辛いよ、hkr、っ、」
『うん。』
田村「最近、色んなこと、考えてるうちに、朝が来て、っ、移動中の車しか、寝れへんくて、っ、」
『うん、』
田村「皆にあったら、っ、心配掛けへんようにって、笑ってるつもりなんやけど、っ、自分でも笑えてるか分からへん、くて、っ、」
『…ん、』
全部分かっていた。
全部知っていて、声を掛けるタイミングを見失っていた。もう少し私が早く声を掛けていれば何か変わっていたのだろうか。保乃はこんなに悩まずに済んだのだろうか。
田村「もう、どうしたらいいんか、分からへん、」
『…、今は、自分と向き合う時間が必要なんだと思う。』
田村「っ…、」
『休業、するのも、1つの考えだと思う、』
きっと、保乃の中にもあった選択肢。
けど、努力家で、人一倍櫻坂が大好きな保乃だからこそ今まで選ばなかった選択肢。
でも保乃の体はもう限界を迎えている。
いつの日かきっと保乃の可愛い笑顔が失われてしまう。
そうなる前に自分との時間を作るべきだと思った。
田村「何度も考えてん、けど、考えれば考えるほど、保乃にはもっと違う選択肢があるんやないかなって、っ、」
『…違う、選択肢、』
田村「んっ…、やっとな、わかってん、」
『…え、?』
田村「保乃には、hkrが必要、hkrと話せたら、こうやって2人で過ごす時間が合ったら、気持ちが軽くなる、また頑張ろうって思える、」
『…ほんとに?』
田村「うん、もし、この選択肢を選んでいいって言ってくれるなら、保乃はhkrといたい。」
思いもよらぬ解決方法。
でも、こんな私が保乃の力になれるのならそれは凄く嬉しい事だった。
『私で良ければ、ずっとそばに居るよ。』
こうして私は保乃と毎日を共にした。
田村「hkr〜、」
『ん?』
田村「インタビューの撮影ってhkrも一緒なん?」
『いや、今日はインタビュー入ってないから違うかな。』
田村「…そっかぁ、」
『保乃なら大丈夫だよ。』
田村「…ん、行ってくるな。」
『はいよ、行ってらっしゃい。』
楽屋で保乃を見送って、ソファーに腰かける。
私が1人になるのを狙っていたかのようにやって来たひかるはほんの少しだけ顔が怖い。
『…どうしたの、』
森田「隣座ってもよか?」
『ん、いいけど、』
森田「なぁ、その、2人って付き合ってるん?」
『…?付き合ってる?誰と誰が?』
森田「hkrと、保乃ちゃん。」
『付き合っとらんよ、メンバー同士で付き合うとか、ないやろ、』
ひかるからの思いもよらぬ質問に驚いてしまってかそれともひかるに釣られてか分からないけれど普段は出ることの無い方言が飛び出す。
森田「…そっか、」
『なんで、』
森田「あ、いや、最近二人でずっと一緒に居るし、hkr保乃ちゃん最優先に動いてる感じやったから、」
『ちょっと保乃の事気に掛けてるだけだよ。』
森田「…、保乃ちゃんも大事やけど、今1番気にかけんといけんのは3期生ってこと忘れんでね。」
『…ん、分かってる、』
森田「それだけ、じゃあ私は撮影行ってきまーす。」
『はーい、頑張ってー。』
ひかるなりの忠告。
確かに最近の私は保乃を中心にしすぎていたかもしれない。ひかるの言った通り今1番気にしてあげなきゃいけないのは間違いなく3期生だ。
新芽を大事に大事に育てなきゃ行けない。
『…、優月ちゃん。』
中嶋優月「…hkrさん!どうしたんですか?」
『無理してない?大丈夫?』
とりあえず3期生に視線を向ければ1人浮かない顔をしている子がいた。ひかるの忠告を受けた私は見逃せるわけもなく声をかける。
中嶋優月「…振り入れ、とか、色々合って頭の中がまだぐちゃぐちゃっていうか、」
『…そっか、今なんの曲やってるんだっけ、』
中嶋優月「Buddiesです。」
『なら、明日のレッスンで一緒に踊ろっか。』
中嶋優月「良いんですか?」
『ん、分からない所はできるだけなくしてこう。』
中嶋優月「ありがとうございますっ。」
『ふふ、うん。』
谷口愛李「hkrさ〜ん。」
『ん、愛李ちゃん、』
突然腰に巻きついてきた腕にびっくりして首を後ろに回せば愛李ちゃんがニコニコと笑っていた。
谷口愛李「3期生のところ来てくれるの久々じゃないですかっ〜!」
『確かに、ふふ、寂しかった?』
谷口愛李「寂しいですよ〜、ね、ゆづ、」
中嶋優月「ふふ、うん、寂しかったです。」
『可愛い、あ、夏の近道100万回再生おめでとう。大分、遅れたけど、』
谷口愛李「ふふ、だいぶ前!!笑」
「ありがとうございますっ。」
中嶋優月「ありがとうございます!」
田村「…hkr?」
『ん?あ、おかえり、』
田村「……、スタッフさんが呼んでたで、」
『分かった、ありがとう、』
『てことで、スタッフさんところ行ってくるね。』
谷口愛李「また3期のところ来てくれますか?」
『ふふ、うん、行く。』
谷口愛李「待ってますっ、行ってらっしゃい!」
『行ってきます、』
ひかると同じくらいの所にある頭を優しく撫でてから楽屋を出る。
楽屋を出れば保乃に腕を引かれて、あの日と同じベンチに連れてこられる。
『…保乃?』
田村「…保乃のそばに居てくれるんやなかったの?」
『あ、いや、優月ちゃん達のことも気に掛けなきゃなって、』
田村「保乃のことどうでも良くなったんや。」
ぱっと消えた笑顔、暗闇に落ちていくように光が消えた瞳。
今までにない焦りが込み上げてくる。
私はこんな保乃を知らない。
『保乃、違う、違うよ。』
『保乃の事が1番だよ、ごめん、もう傍から離れないから。』
田村「…ほんまに?約束してくれる?」
『…ん、3期のところ行く時は保乃も一緒に行こう?ずっと傍にいよう?』
田村「約束やで?」
『うん、約束。』
後に私は気づくことになる。
最初は保乃にとって支えとなっていた私の立場がどんどん依存先へとなっていることに。
でも、それに気づくのはまだもう少し先の話。
-fin-
リクエスト 保乃ちゃんに依存される夢主
いつも人のことばかり心配して、笑顔を絶やすことなく、周りを支え続ける彼女が心配だった。
ほら、今だって疲れているはずなのにそれを見せることなく笑顔でお偉いさんに接している。
『…保乃』
田村「ん?あ、すみません、」
『落合さんが呼んでる。』
田村「すぐ行くわ、それじゃあまた…、」
"あぁ、また会えるの楽しみにしてるよ"
楽屋の前でどれだけの長話に付き合っていたのだろうか。私が飲み物を買おうと思わなければ、自販機に向かおうとしなければきっと保乃は無理したままだったんだろうな。
田村「どこで呼んでた?」
『…呼んでない。』
田村「え?」
『気の所為、だった。』
田村「…ふふ、なにそれ、でもありがとうな。」
「自販機行くん?」
『あぁ、うん、保乃も行く?』
田村「ん〜、行こっかな!」
『ん、行こ。』
『…どれ飲む?』
田村「え、良いん?」
『うん、』
田村「ん〜〜、じゃあ、これ!」
『…』 ガタンッ
『ん、』
田村「へへ、ありがとう。」
『どういたしまして。』
私も保乃と同じものを買う。直ぐに楽屋に戻ってしまうのはなんだか勿体ない気がして、保乃の手を取り滅多に人が来ることは無いベンチに腰かける。
田村「ふふ、どうしたん?なんかあった?」
『…んーん、無いよ。』
田村「珍しいやん、hkrが保乃の所来るなんて。」
『そんなことないでしょ。』
田村「んーん、ある!」
「最近はひぃちゃんと居るか、3期ちゃんに絡まれてる所しか見てへんもん。」
『…たしかに』
田村「ふふ、やろ?」
「だから、ちょっと嬉しいねん。」
『…保乃はさ、』
田村「ん〜?」
大きくて綺麗な瞳と視線が交わる。
首をほんの少し傾けているから綺麗な髪の毛が左に流れ落ちていて、何度見ても、何年一緒にいてもやっぱり可愛いなぁなんて思う。
『…保乃は、何もない?』
田村「…?」
『…無理、してない?』
田村「っ…、してるよ、そりゃ、保乃はアイドルなんやから。」
また、苦しそうに笑った。
頑張って浮かべたような笑顔。
『…、』
もう無理して笑わなくていいように、ぎゅっと抱きしめて私の中に保乃を隠す。
私は言葉を紡ぐのが上手じゃないから、こーゆう時なんて言うのが正解なのかも分からない。
だから、抱き締めて、頭を撫でるしかなかった。
田村「っ…、辛い、辛いよ、hkr、っ、」
『うん。』
田村「最近、色んなこと、考えてるうちに、朝が来て、っ、移動中の車しか、寝れへんくて、っ、」
『うん、』
田村「皆にあったら、っ、心配掛けへんようにって、笑ってるつもりなんやけど、っ、自分でも笑えてるか分からへん、くて、っ、」
『…ん、』
全部分かっていた。
全部知っていて、声を掛けるタイミングを見失っていた。もう少し私が早く声を掛けていれば何か変わっていたのだろうか。保乃はこんなに悩まずに済んだのだろうか。
田村「もう、どうしたらいいんか、分からへん、」
『…、今は、自分と向き合う時間が必要なんだと思う。』
田村「っ…、」
『休業、するのも、1つの考えだと思う、』
きっと、保乃の中にもあった選択肢。
けど、努力家で、人一倍櫻坂が大好きな保乃だからこそ今まで選ばなかった選択肢。
でも保乃の体はもう限界を迎えている。
いつの日かきっと保乃の可愛い笑顔が失われてしまう。
そうなる前に自分との時間を作るべきだと思った。
田村「何度も考えてん、けど、考えれば考えるほど、保乃にはもっと違う選択肢があるんやないかなって、っ、」
『…違う、選択肢、』
田村「んっ…、やっとな、わかってん、」
『…え、?』
田村「保乃には、hkrが必要、hkrと話せたら、こうやって2人で過ごす時間が合ったら、気持ちが軽くなる、また頑張ろうって思える、」
『…ほんとに?』
田村「うん、もし、この選択肢を選んでいいって言ってくれるなら、保乃はhkrといたい。」
思いもよらぬ解決方法。
でも、こんな私が保乃の力になれるのならそれは凄く嬉しい事だった。
『私で良ければ、ずっとそばに居るよ。』
こうして私は保乃と毎日を共にした。
田村「hkr〜、」
『ん?』
田村「インタビューの撮影ってhkrも一緒なん?」
『いや、今日はインタビュー入ってないから違うかな。』
田村「…そっかぁ、」
『保乃なら大丈夫だよ。』
田村「…ん、行ってくるな。」
『はいよ、行ってらっしゃい。』
楽屋で保乃を見送って、ソファーに腰かける。
私が1人になるのを狙っていたかのようにやって来たひかるはほんの少しだけ顔が怖い。
『…どうしたの、』
森田「隣座ってもよか?」
『ん、いいけど、』
森田「なぁ、その、2人って付き合ってるん?」
『…?付き合ってる?誰と誰が?』
森田「hkrと、保乃ちゃん。」
『付き合っとらんよ、メンバー同士で付き合うとか、ないやろ、』
ひかるからの思いもよらぬ質問に驚いてしまってかそれともひかるに釣られてか分からないけれど普段は出ることの無い方言が飛び出す。
森田「…そっか、」
『なんで、』
森田「あ、いや、最近二人でずっと一緒に居るし、hkr保乃ちゃん最優先に動いてる感じやったから、」
『ちょっと保乃の事気に掛けてるだけだよ。』
森田「…、保乃ちゃんも大事やけど、今1番気にかけんといけんのは3期生ってこと忘れんでね。」
『…ん、分かってる、』
森田「それだけ、じゃあ私は撮影行ってきまーす。」
『はーい、頑張ってー。』
ひかるなりの忠告。
確かに最近の私は保乃を中心にしすぎていたかもしれない。ひかるの言った通り今1番気にしてあげなきゃいけないのは間違いなく3期生だ。
新芽を大事に大事に育てなきゃ行けない。
『…、優月ちゃん。』
中嶋優月「…hkrさん!どうしたんですか?」
『無理してない?大丈夫?』
とりあえず3期生に視線を向ければ1人浮かない顔をしている子がいた。ひかるの忠告を受けた私は見逃せるわけもなく声をかける。
中嶋優月「…振り入れ、とか、色々合って頭の中がまだぐちゃぐちゃっていうか、」
『…そっか、今なんの曲やってるんだっけ、』
中嶋優月「Buddiesです。」
『なら、明日のレッスンで一緒に踊ろっか。』
中嶋優月「良いんですか?」
『ん、分からない所はできるだけなくしてこう。』
中嶋優月「ありがとうございますっ。」
『ふふ、うん。』
谷口愛李「hkrさ〜ん。」
『ん、愛李ちゃん、』
突然腰に巻きついてきた腕にびっくりして首を後ろに回せば愛李ちゃんがニコニコと笑っていた。
谷口愛李「3期生のところ来てくれるの久々じゃないですかっ〜!」
『確かに、ふふ、寂しかった?』
谷口愛李「寂しいですよ〜、ね、ゆづ、」
中嶋優月「ふふ、うん、寂しかったです。」
『可愛い、あ、夏の近道100万回再生おめでとう。大分、遅れたけど、』
谷口愛李「ふふ、だいぶ前!!笑」
「ありがとうございますっ。」
中嶋優月「ありがとうございます!」
田村「…hkr?」
『ん?あ、おかえり、』
田村「……、スタッフさんが呼んでたで、」
『分かった、ありがとう、』
『てことで、スタッフさんところ行ってくるね。』
谷口愛李「また3期のところ来てくれますか?」
『ふふ、うん、行く。』
谷口愛李「待ってますっ、行ってらっしゃい!」
『行ってきます、』
ひかると同じくらいの所にある頭を優しく撫でてから楽屋を出る。
楽屋を出れば保乃に腕を引かれて、あの日と同じベンチに連れてこられる。
『…保乃?』
田村「…保乃のそばに居てくれるんやなかったの?」
『あ、いや、優月ちゃん達のことも気に掛けなきゃなって、』
田村「保乃のことどうでも良くなったんや。」
ぱっと消えた笑顔、暗闇に落ちていくように光が消えた瞳。
今までにない焦りが込み上げてくる。
私はこんな保乃を知らない。
『保乃、違う、違うよ。』
『保乃の事が1番だよ、ごめん、もう傍から離れないから。』
田村「…ほんまに?約束してくれる?」
『…ん、3期のところ行く時は保乃も一緒に行こう?ずっと傍にいよう?』
田村「約束やで?」
『うん、約束。』
後に私は気づくことになる。
最初は保乃にとって支えとなっていた私の立場がどんどん依存先へとなっていることに。
でも、それに気づくのはまだもう少し先の話。
-fin-
リクエスト 保乃ちゃんに依存される夢主