▶︎ 森田ひかる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『7thを持って、櫻坂46を卒業します。』
誰も予想していなかった。
まだまだ一緒にいれると思っていた。
それなのに別れは私達の想像以上に早くやって来てしまった。
hkrさんが卒業発表をされてすぐ、7thの選抜発表が始まって、センターはhkrさん、そしてhkrさんを挟むようにシンメとなったのは私と、由依さんやった。
きっと後輩の中で私がhkrさんと1番仲が良く、同期として1番由依さんと仲が良かったhkrさんの卒業シングルだからこその立ち位置なのかもしれない。
それでも私はこんな近くでhkrさんを見送れるほど強い人間なんかじゃない。強く、なれないんよ。
『ふふ、ひかる?』
森田「…?」
『何泣きそうな顔してんの。』
森田「…っ、だって、」
『大丈夫、まだあと半年あるから。ね?』
森田「っ…、ちょっと、ごめんなさい、っ、」
耐えられなくなって、スタジオを飛び出した。
何かある度に屋上のベンチに座って、空を見上げていた。ここに来れば、必ずhkrさんが迎えに来てくれていたけど、今は、今だけは来ないで欲しい。
貴女の前で泣きたくはないから。
ガチャ
"ひかる"
「っ…由依、さん。」
小林「hkrがひかる迎えに行ってこいってうるさくてさー。笑」
"隣座るね"
hkrさんと同じような温かさを持ってる由依さんが隣に座った時ふと背格好が重なる。
hkrさんの方が身長高いのに、やっぱ似るもんなんかな。
小林「…正直さ、私も不安なんだよね。」
「え?」
小林「一緒に坂を登り始めて8年、9年かな。hkrがそばに居てくれるのが当たり前になってたからさ、メンバーの誰よりも居ない未来が想像つかなくて、想像したくなくてさ。」
絶対に後輩の前で弱音を吐かない由依さんが声を震わせながら言葉を紡ぐ姿を見てどれだけhkrさんが大きな存在なのかを改めて実感する。
小林「ひかるにとっても同じようなもんなのかなぁって思ってさ、特にひかるは初期からhkrのこと憧れって言ってたし、受け入れられない気持ちは私よりも強い、よね。」
「っ…、私と同い年、で、それなのに存在感も、表現力も、何もかも私なんかとは比べ物にならなくて、格好良くて、でも、気取らない優しさがあって、何かあっても、何も無くてもそばに居てくれるhkrさんが好きで、大好きで、っ、」
小林「もっと一緒に活動できると思ってたよね。」
「心の準備なんて、まだ何も出来とらんのに、まだまだ一緒に居たかったのに。」
小林「…卒業までの半年、ゆっくりゆっくり、受け入れてこう?」
「っ…はい、」
溢れ出てくる涙を拭うこともせず由依さんに抱きついていた。
hkrさんに重ねるように由依さんに甘えた。
『おーはよー。』
田村「hkrさん〜、おはようございますっ」
『おはよ、保乃ちゃん。』
田村「写真撮りましょう!」
『ふふ、出た、卒業発表したらとりま写真撮ろうの人が増えるやつ!』
田村「ふふ、だって、撮りたいですもん。」
『撮ろ撮ろ。』
hkrさんが卒業発表をして2週間色んなメンバーがhkrさんと2ショットを撮ったり、隣の席を争ったりしている中私は行けずにいた。それどころかhkrさんと少しでも目が合うものなら即座に逸らして、避けて、逃げていた。
不自然なくらいに私はhkrさんの所へ行かなくなった。
そんな中やってきた7thのミーグリ。
ファンの方々もhkrさんの卒業を悲しみ、涙し、寂しがっていた。
"っ…hkrちゃんがね、ひかるには、卒業するまでにもっと色んなこと教えるからって、言って、て、"
「っ…そうなん?」
"うんっ、hkrちゃんをひかるちゃんが引き継いでいく姿見守ってる、ね、っ、"
「ありがとう〜〜、」
hkrさんと私の絡みが好きなファンの方から告げられるファンの方を通してのhkrさんのメッセージ。避けているのに気づいているhkrさんだからこうして伝えてきてくれているのかもしれない。
私に期待してくれているから、放って置かないのかもしれない。
なら私は、hkrさんの期待に応えたい。
ミーグリが終わり、スタッフさんとの談笑もそこそこに私はhkrさんの部屋へ訪れた。
コンコン
『はーい、』
「…hkrさん、」
『ひかる、』
『ふふ、おいで、ちょっとお話しよう。』
少しだけ寂しそうなhkrさんの前に向かい合わせになるように座れば膝の上に置いてある手をhkrさんが重ねて握ってくれて、優しく大好きな笑顔を向けてくれる。
『今日はひかるのファンの子が沢山来たよ。ふふ、卒業までの間可愛がってあげてください!って笑』
「私の所にはhkrさんのファンの方が沢山来ました。hkrさんのミーグリからそのまま私の所にやってきた人達が、沢山沢山色んなことを教えてくれて、」
『ふふ、ほんとに伝えてくれたんだ、嬉しい。』
「…私は、卒業して欲しくないです、っ、卒業を認められるほど、まだ強くありません、」
『うん。』
「でも、っ、hkrさんの期待には応えたい、っ、hkrさんの願う、森田ひかるに、なりたいんです、」
『流石、私が1番愛した後輩だ。』
「っ…、ぐすっ、卒業発表した日から、hkrさんのこと、避けててごめんなさい、っ、hkrさんのそばに居たら、卒業を嫌でも実感しちゃいそうだったから、こんなことくらいしか考えられんくて、」
『ほんと、寂しかったんだからね。』
『ひかるも…、由依も、本当不器用なんだから。』
「っ…由依、さんも?」
『ふふ、そうだよ、あの日から由依もあんまり来なくなった。まぁそれは昨日解決したんだけどね〜。』
"本当不器用なところまで一緒なんだから森林は"
なんて笑うhkrさんもやっぱりどこか寂しそうで、その姿が余計感情を掻き立てる、
『ひかる、』
「ぐすっ…なんですか、」
『私は、ひかるが思ってくれてるほど出来た人間でも、器用な人間でもない。今まではそう見せれるように努力してきたつもり。』
「っ…、」
『でも、卒業を発表した私はもう、ありのままの姿をひかるに見せる。弱い所も、不格好な所も沢山見せるから、ひかるも、もっと本当の姿を見せて欲しい。』
「本当の、姿、」
『ひかるは内に秘めてる熱いものをあまり見せてくれないからさ、それが見たい。どんなに拙い言葉でも良い、一つ一つしっかり聞きとるから気持ちを伝えて欲しい。もっと、弱くなっていいんだよ。』
「っ…、」
hkrさんの言葉が、想いが、私にしっかりと伝わってきて、目からは止まることを知らない涙が溢れ出す。
『もっと、泣いていいんだよ、素直になっていい。器用にならなくていいから。』
"ひかるは私と似てるかもね"
ずっと言われ続けた言葉の意味がやっと分かった気がする。hkrさんがずっとそばに居てくれたのは、きっと本当の私を受け入れようとしてくれていたから。
「っ…ぐす、hkrさんっ、」
『私がひかるを守るから、だから、もっと頼って、』
hkrさんの震える声が直接耳に届いて、初めてhkrさんが泣いていることに気づく。
"卒業"を初めて感じたのはきっとこの時だったと思う。
この日から私は、私とhkrさんは、弱くなった。いや、弱さを見せることで強くなったように思う。
hkrさんの卒業まであと3ヶ月。
刻々と迫るお別れに未だ心は追い付いていない。
お別れの日が来た時、私は笑っているだろうか。
"卒業、おめでとうございます"と。
-fin-
誰も予想していなかった。
まだまだ一緒にいれると思っていた。
それなのに別れは私達の想像以上に早くやって来てしまった。
hkrさんが卒業発表をされてすぐ、7thの選抜発表が始まって、センターはhkrさん、そしてhkrさんを挟むようにシンメとなったのは私と、由依さんやった。
きっと後輩の中で私がhkrさんと1番仲が良く、同期として1番由依さんと仲が良かったhkrさんの卒業シングルだからこその立ち位置なのかもしれない。
それでも私はこんな近くでhkrさんを見送れるほど強い人間なんかじゃない。強く、なれないんよ。
『ふふ、ひかる?』
森田「…?」
『何泣きそうな顔してんの。』
森田「…っ、だって、」
『大丈夫、まだあと半年あるから。ね?』
森田「っ…、ちょっと、ごめんなさい、っ、」
耐えられなくなって、スタジオを飛び出した。
何かある度に屋上のベンチに座って、空を見上げていた。ここに来れば、必ずhkrさんが迎えに来てくれていたけど、今は、今だけは来ないで欲しい。
貴女の前で泣きたくはないから。
ガチャ
"ひかる"
「っ…由依、さん。」
小林「hkrがひかる迎えに行ってこいってうるさくてさー。笑」
"隣座るね"
hkrさんと同じような温かさを持ってる由依さんが隣に座った時ふと背格好が重なる。
hkrさんの方が身長高いのに、やっぱ似るもんなんかな。
小林「…正直さ、私も不安なんだよね。」
「え?」
小林「一緒に坂を登り始めて8年、9年かな。hkrがそばに居てくれるのが当たり前になってたからさ、メンバーの誰よりも居ない未来が想像つかなくて、想像したくなくてさ。」
絶対に後輩の前で弱音を吐かない由依さんが声を震わせながら言葉を紡ぐ姿を見てどれだけhkrさんが大きな存在なのかを改めて実感する。
小林「ひかるにとっても同じようなもんなのかなぁって思ってさ、特にひかるは初期からhkrのこと憧れって言ってたし、受け入れられない気持ちは私よりも強い、よね。」
「っ…、私と同い年、で、それなのに存在感も、表現力も、何もかも私なんかとは比べ物にならなくて、格好良くて、でも、気取らない優しさがあって、何かあっても、何も無くてもそばに居てくれるhkrさんが好きで、大好きで、っ、」
小林「もっと一緒に活動できると思ってたよね。」
「心の準備なんて、まだ何も出来とらんのに、まだまだ一緒に居たかったのに。」
小林「…卒業までの半年、ゆっくりゆっくり、受け入れてこう?」
「っ…はい、」
溢れ出てくる涙を拭うこともせず由依さんに抱きついていた。
hkrさんに重ねるように由依さんに甘えた。
『おーはよー。』
田村「hkrさん〜、おはようございますっ」
『おはよ、保乃ちゃん。』
田村「写真撮りましょう!」
『ふふ、出た、卒業発表したらとりま写真撮ろうの人が増えるやつ!』
田村「ふふ、だって、撮りたいですもん。」
『撮ろ撮ろ。』
hkrさんが卒業発表をして2週間色んなメンバーがhkrさんと2ショットを撮ったり、隣の席を争ったりしている中私は行けずにいた。それどころかhkrさんと少しでも目が合うものなら即座に逸らして、避けて、逃げていた。
不自然なくらいに私はhkrさんの所へ行かなくなった。
そんな中やってきた7thのミーグリ。
ファンの方々もhkrさんの卒業を悲しみ、涙し、寂しがっていた。
"っ…hkrちゃんがね、ひかるには、卒業するまでにもっと色んなこと教えるからって、言って、て、"
「っ…そうなん?」
"うんっ、hkrちゃんをひかるちゃんが引き継いでいく姿見守ってる、ね、っ、"
「ありがとう〜〜、」
hkrさんと私の絡みが好きなファンの方から告げられるファンの方を通してのhkrさんのメッセージ。避けているのに気づいているhkrさんだからこうして伝えてきてくれているのかもしれない。
私に期待してくれているから、放って置かないのかもしれない。
なら私は、hkrさんの期待に応えたい。
ミーグリが終わり、スタッフさんとの談笑もそこそこに私はhkrさんの部屋へ訪れた。
コンコン
『はーい、』
「…hkrさん、」
『ひかる、』
『ふふ、おいで、ちょっとお話しよう。』
少しだけ寂しそうなhkrさんの前に向かい合わせになるように座れば膝の上に置いてある手をhkrさんが重ねて握ってくれて、優しく大好きな笑顔を向けてくれる。
『今日はひかるのファンの子が沢山来たよ。ふふ、卒業までの間可愛がってあげてください!って笑』
「私の所にはhkrさんのファンの方が沢山来ました。hkrさんのミーグリからそのまま私の所にやってきた人達が、沢山沢山色んなことを教えてくれて、」
『ふふ、ほんとに伝えてくれたんだ、嬉しい。』
「…私は、卒業して欲しくないです、っ、卒業を認められるほど、まだ強くありません、」
『うん。』
「でも、っ、hkrさんの期待には応えたい、っ、hkrさんの願う、森田ひかるに、なりたいんです、」
『流石、私が1番愛した後輩だ。』
「っ…、ぐすっ、卒業発表した日から、hkrさんのこと、避けててごめんなさい、っ、hkrさんのそばに居たら、卒業を嫌でも実感しちゃいそうだったから、こんなことくらいしか考えられんくて、」
『ほんと、寂しかったんだからね。』
『ひかるも…、由依も、本当不器用なんだから。』
「っ…由依、さんも?」
『ふふ、そうだよ、あの日から由依もあんまり来なくなった。まぁそれは昨日解決したんだけどね〜。』
"本当不器用なところまで一緒なんだから森林は"
なんて笑うhkrさんもやっぱりどこか寂しそうで、その姿が余計感情を掻き立てる、
『ひかる、』
「ぐすっ…なんですか、」
『私は、ひかるが思ってくれてるほど出来た人間でも、器用な人間でもない。今まではそう見せれるように努力してきたつもり。』
「っ…、」
『でも、卒業を発表した私はもう、ありのままの姿をひかるに見せる。弱い所も、不格好な所も沢山見せるから、ひかるも、もっと本当の姿を見せて欲しい。』
「本当の、姿、」
『ひかるは内に秘めてる熱いものをあまり見せてくれないからさ、それが見たい。どんなに拙い言葉でも良い、一つ一つしっかり聞きとるから気持ちを伝えて欲しい。もっと、弱くなっていいんだよ。』
「っ…、」
hkrさんの言葉が、想いが、私にしっかりと伝わってきて、目からは止まることを知らない涙が溢れ出す。
『もっと、泣いていいんだよ、素直になっていい。器用にならなくていいから。』
"ひかるは私と似てるかもね"
ずっと言われ続けた言葉の意味がやっと分かった気がする。hkrさんがずっとそばに居てくれたのは、きっと本当の私を受け入れようとしてくれていたから。
「っ…ぐす、hkrさんっ、」
『私がひかるを守るから、だから、もっと頼って、』
hkrさんの震える声が直接耳に届いて、初めてhkrさんが泣いていることに気づく。
"卒業"を初めて感じたのはきっとこの時だったと思う。
この日から私は、私とhkrさんは、弱くなった。いや、弱さを見せることで強くなったように思う。
hkrさんの卒業まであと3ヶ月。
刻々と迫るお別れに未だ心は追い付いていない。
お別れの日が来た時、私は笑っているだろうか。
"卒業、おめでとうございます"と。
-fin-