▶︎ 田村保乃
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色の無い世界が色付いたのは、可愛く笑う彼女に出会ってからだった。
『…ねぇ、』
田村「…?」
『名前、なんて言うの。』
田村「保乃です、田村保乃。」
『保乃、ちゃん。』
きっと始まりは不自然だった。
たまたま通り掛かっただけの後輩に話しかけるなんて碌な人じゃないと思われたかもしれない。
それでも、知りたかった。
彼女のことを、彼女の色を。
田村「えっと、先輩は、?」
『mrt、hkr。』
田村「hkr先輩。」
"保乃ちゃんー、行くよー"
『ん、あ、ごめん、移動だったよね、』
田村「あ、はい…!」
「えっと、じゃあまた!」
『うん、また、』
この学校に来て3年目、やっと通う意味を知った気がする。
その日から私は保乃ちゃんに会うため学校に通った。
『おはよう、保乃ちゃん。』
田村「ん、hkr先輩、おはようございます。」
森田「あ、hkr先輩!おはようございます!!」
『おはよ、ひかるちゃん。』
朝、挨拶をするためだけに1年生の棟に通っていればそれなりに顔を覚えられるようになって、声を掛けてもらうことも増えた。
小林「hkr、いるー?あ、いたいた。」
『由依、おはよ。』
小林「おはよ。保乃ちゃんごめんねー、毎朝毎朝ー。」
田村「あ、いや、全然、保乃は嬉しいですよ笑笑」
『っ…、』
彼女が笑う度、私の世界に新しい色が加わっていく。ピンク、赤、オレンジ、黄色、どれも可愛らしくて暖かいもの。他の人と楽しく笑っている姿を見れば、青や、水色が加わって行くこともあった。
小林「ほら、教室戻るよ。また囲まれても知らないからね。」
森田「ふふ、1年生に凄い人気ですもんね、hkr先輩。」
小林「ね、見た目だけはいいからねー。」
『…、保乃ちゃん、』
田村「…?」
『私は、保乃ちゃんが好きだよ。』
田村「ふふ、はい、何回も聞きました。」
『何回も伝えたくなる。』
田村「あはは、ありがとうございます、笑」
「ほら、由依先輩困っちゃいますから教室戻りましょ?笑」
『…また会いに来てもいい?』
田村「ふふ、はい、待ってますね?」
『ん、戻ろ。』
小林「保乃ちゃんには従順だな。」
「じゃあまたね。」
森田「はーい!」
田村「また〜!」
こうして教室に戻っても、考えてしまうのは保乃ちゃんの事ばかりで、授業なんか頭に入りやしない。
そんな生活を続けて1ヶ月。
自分なりにアタックはしてきたつもりだし、ストレートに気持ちも伝えきた。
それでも好きな人の好きな人になるのは難しいことで、保乃ちゃんには全く響いていない様子。
どうしたら保乃ちゃんに意識してもらえるか、なんて思いながら登校していればやや先にナンパされてるであろう生徒がいた。
面倒事にはあまり首を突っ込むタイプでは無いけれど、こればっかしはスルーしていけば後味が悪い。
そう思い近づけば、その生徒が保乃ちゃんだということに気づく。
『…何してんの。』
駆け寄り、保乃ちゃんから男を離すように間に立てば震えた手で小指をぎゅっと握られた。
"あ、いや、ちょっと連絡先聞きたかっただけで"
『怖がってるけど。』
"いや、えーっと、"
『取り敢えず消えて。もう一生この子に近ずかないで。』
"っ…"
自分でも驚くくらい低い声が出て、初めて黒いインクが私の中に広がった。
『…大丈夫?』
田村「怖かっ、た、」
向きを変え覗き込むように保乃ちゃんに聞けば、今にも泣きそうな顔でそう言った。
そんな保乃ちゃんを見ていられなくなって、思わずぎゅっと抱き締める。
『…泣かないで、』
田村「っ…hkr先輩が来てくれて、なんか、安心しちゃって、」
そう言って私の首に顔を埋めた保乃ちゃんに今までで一番濃いピンクが広がった。
『ねえ保乃ちゃん?』
田村「…?」
『好きだよ、凄く凄く好き。』
田村「…もう、それ以上言わんとって、」
『っ…ごめん、迷惑だった、?』
田村「違う、そうやなくて、これ以上好きって言われたら、保乃本気にしちゃう、hkr先輩と違う好きを大きくしちゃう、」
『…?私は、恋愛的に保乃ちゃんが好きだよ?』
田村「え…?」
『え?』
田村「え、ほんまに保乃のこと好きやったんですか?」
『うん、一目惚れ。』
田村「嘘…、」
どうやら私の好きは伝えすぎにより保乃ちゃんに届いていなかったみたい。
『私は、保乃ちゃんが好き。ずっと好きだよ。』
田村「っ…保乃も、保乃もhkr先輩が好き、誰にも渡したくない、」
『か、わいい、』
今までは色んな色で滲んでいた世界が一瞬にしてクリアになる。
『私と、付き合って、』
田村「はいっ、」
目の前で可愛く笑う保乃ちゃんに暖かい色がどんどん広がって、さらに情景を深くする。
『好き、好きだよ。』
田村「へへ、保乃も好きです。」
色のない世界から救い出してくれた彼女を今度は私が暖かい色で包みこもう。
人生というキャンパスに描き出された私の物語。
いつか完成するそれを待ち望みながら保乃ちゃんの隣で過ごしていこう。
この温もりを失わないように。
-fin-
リクエスト 控えめな保乃ちゃんに恋した夢主がアタックして結ばれる話
『…ねぇ、』
田村「…?」
『名前、なんて言うの。』
田村「保乃です、田村保乃。」
『保乃、ちゃん。』
きっと始まりは不自然だった。
たまたま通り掛かっただけの後輩に話しかけるなんて碌な人じゃないと思われたかもしれない。
それでも、知りたかった。
彼女のことを、彼女の色を。
田村「えっと、先輩は、?」
『mrt、hkr。』
田村「hkr先輩。」
"保乃ちゃんー、行くよー"
『ん、あ、ごめん、移動だったよね、』
田村「あ、はい…!」
「えっと、じゃあまた!」
『うん、また、』
この学校に来て3年目、やっと通う意味を知った気がする。
その日から私は保乃ちゃんに会うため学校に通った。
『おはよう、保乃ちゃん。』
田村「ん、hkr先輩、おはようございます。」
森田「あ、hkr先輩!おはようございます!!」
『おはよ、ひかるちゃん。』
朝、挨拶をするためだけに1年生の棟に通っていればそれなりに顔を覚えられるようになって、声を掛けてもらうことも増えた。
小林「hkr、いるー?あ、いたいた。」
『由依、おはよ。』
小林「おはよ。保乃ちゃんごめんねー、毎朝毎朝ー。」
田村「あ、いや、全然、保乃は嬉しいですよ笑笑」
『っ…、』
彼女が笑う度、私の世界に新しい色が加わっていく。ピンク、赤、オレンジ、黄色、どれも可愛らしくて暖かいもの。他の人と楽しく笑っている姿を見れば、青や、水色が加わって行くこともあった。
小林「ほら、教室戻るよ。また囲まれても知らないからね。」
森田「ふふ、1年生に凄い人気ですもんね、hkr先輩。」
小林「ね、見た目だけはいいからねー。」
『…、保乃ちゃん、』
田村「…?」
『私は、保乃ちゃんが好きだよ。』
田村「ふふ、はい、何回も聞きました。」
『何回も伝えたくなる。』
田村「あはは、ありがとうございます、笑」
「ほら、由依先輩困っちゃいますから教室戻りましょ?笑」
『…また会いに来てもいい?』
田村「ふふ、はい、待ってますね?」
『ん、戻ろ。』
小林「保乃ちゃんには従順だな。」
「じゃあまたね。」
森田「はーい!」
田村「また〜!」
こうして教室に戻っても、考えてしまうのは保乃ちゃんの事ばかりで、授業なんか頭に入りやしない。
そんな生活を続けて1ヶ月。
自分なりにアタックはしてきたつもりだし、ストレートに気持ちも伝えきた。
それでも好きな人の好きな人になるのは難しいことで、保乃ちゃんには全く響いていない様子。
どうしたら保乃ちゃんに意識してもらえるか、なんて思いながら登校していればやや先にナンパされてるであろう生徒がいた。
面倒事にはあまり首を突っ込むタイプでは無いけれど、こればっかしはスルーしていけば後味が悪い。
そう思い近づけば、その生徒が保乃ちゃんだということに気づく。
『…何してんの。』
駆け寄り、保乃ちゃんから男を離すように間に立てば震えた手で小指をぎゅっと握られた。
"あ、いや、ちょっと連絡先聞きたかっただけで"
『怖がってるけど。』
"いや、えーっと、"
『取り敢えず消えて。もう一生この子に近ずかないで。』
"っ…"
自分でも驚くくらい低い声が出て、初めて黒いインクが私の中に広がった。
『…大丈夫?』
田村「怖かっ、た、」
向きを変え覗き込むように保乃ちゃんに聞けば、今にも泣きそうな顔でそう言った。
そんな保乃ちゃんを見ていられなくなって、思わずぎゅっと抱き締める。
『…泣かないで、』
田村「っ…hkr先輩が来てくれて、なんか、安心しちゃって、」
そう言って私の首に顔を埋めた保乃ちゃんに今までで一番濃いピンクが広がった。
『ねえ保乃ちゃん?』
田村「…?」
『好きだよ、凄く凄く好き。』
田村「…もう、それ以上言わんとって、」
『っ…ごめん、迷惑だった、?』
田村「違う、そうやなくて、これ以上好きって言われたら、保乃本気にしちゃう、hkr先輩と違う好きを大きくしちゃう、」
『…?私は、恋愛的に保乃ちゃんが好きだよ?』
田村「え…?」
『え?』
田村「え、ほんまに保乃のこと好きやったんですか?」
『うん、一目惚れ。』
田村「嘘…、」
どうやら私の好きは伝えすぎにより保乃ちゃんに届いていなかったみたい。
『私は、保乃ちゃんが好き。ずっと好きだよ。』
田村「っ…保乃も、保乃もhkr先輩が好き、誰にも渡したくない、」
『か、わいい、』
今までは色んな色で滲んでいた世界が一瞬にしてクリアになる。
『私と、付き合って、』
田村「はいっ、」
目の前で可愛く笑う保乃ちゃんに暖かい色がどんどん広がって、さらに情景を深くする。
『好き、好きだよ。』
田村「へへ、保乃も好きです。」
色のない世界から救い出してくれた彼女を今度は私が暖かい色で包みこもう。
人生というキャンパスに描き出された私の物語。
いつか完成するそれを待ち望みながら保乃ちゃんの隣で過ごしていこう。
この温もりを失わないように。
-fin-
リクエスト 控えめな保乃ちゃんに恋した夢主がアタックして結ばれる話