▶︎ 田村保乃
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田村「hkr、保乃な土生くんと付き合った。」
『え?』
田村「同じクラスの、土生くん、」
『そ、っか、おめでとう!!お姉ちゃん。』
田村「ありがとう、」
保乃ちゃんと姉妹になる努力を初めて半年、保乃ちゃんに彼氏が出来た。いつかは来るとわかっていたけど、こんなにも早く来るなんて、正直泣きそうだ。
『そっかぁ、土生先輩かぁ、うん、お似合いだよ、凄く。』
田村「ありがとう、だから、あの、明日からは朝…、」
『あぁ、うん、大丈夫。お姉ちゃんは土生先輩と行きな。』
田村「ありがとう。」
姉妹として毎日一緒に登校していた当たり前も、崩れてしまうんだ。あぁ、私、まだちゃんと保乃ちゃんのことが好きだったんだ。
『ごめん、ちょっとコンビニ行ってくる。』
田村「保乃も…、」
『1人で、行ってくる、』
田村「…行ってらっしゃい、」
『うん。』
『はぁぁぁぁ…、』
得意でもない炭酸水を喉に流し込んで、先程の現実を受け入れてみる。
保乃ちゃんはこれから土生先輩と色んなことを経験していく、その度にその話を聞くかもしれない。その度に、私はこの気持ちに捕われるのかもしれない。
小林「…hkrちゃん?」
『…?あ、由依先輩、』
小林「ふふ、こんばんは。」
『こん、ばんは。』
保乃ちゃんと同じクラスの由依先輩。
容姿性格ともに花丸満点で、私たち後輩からは高嶺の花なんて言われてる存在。
小林「何1人でしんみりしてんの。」
『あー、いや、』
小林「失恋?」
『…そんなとこ、ですかねぇ、』
小林「失恋ねぇ、羨ましい。」
『え?』
小林「hkrちゃんにそこまで思ってもらえる人が羨ましいよ。」
『いやいや、そんな、』
小林「…保乃じゃなくてさ、私の事見てよ。」
『え?』
小林「私に恋、してみなよ。」
『っ…、』
セーターを萌え袖にした由依先輩の手が頬を包む。サラサラな髪の毛が目に入って、気づけば、唇が重なっていた。
小林「…両想いに、なりたい。」
『っ…、』
小林「アタックしてもいい?」
『…私は、』
私は、このまま叶わぬ恋を続けるのだろうか。
結ばれることの無い片想いを引き摺るのだろうか。
それだったら、今目の前にいる人を幸せにする方がいいんじゃないか。
沢山の答えが頭を駆け巡った。
『由依先輩を、好きになりたい。』
小林「ふふ、なら明日からアタックするから。覚悟しといてね。」
『はい、』
『あ、お家まで送ってきます、』
小林「いいよ、私が送ってく。」
『いや、危ないし、』
小林「いーの。ほら、帰るよ。」
『…ありがとうございます、』
小林「ん、」
『そんな薄着で寒くないんですか?ブレザーとか、』
小林「ブレザー家に置いてきた。」
『ふふ、なんでですか笑笑』
小林「コンビニ行くだけの気だったし。」
『じゃあ、これ、着てってください。』
小林「…いいの?」
『風邪ひかれるのは困るので、』
小林「ふふ、ありがとう。」
私のパーカーを羽織った由依さんは少し顔を赤らめ可愛らしく笑った。
保乃ちゃんよりも低いところにある頭にほんの少しだけ揺らいだ心。
『…あ、ここです、』
小林「ん、じゃあまた明日ね?」
『はい、ありがとうございました、』
ガチャ
田村「hkr、って由依ちゃん!どうしたん!」
小林「おぉ、保乃。」
「たまたまコンビニで会って、ね?」
『はい、あ、じゃあ気をつけて、』
小林「ん、ありがとね。保乃もまたあした。」
田村「ん、また明日な〜〜!」
ガチャ
『…これ、お姉ちゃんの好きなアイス、』
田村「あぁ、ありがとう。」
「なぁ、由依ちゃんが着てたの、hkrのやんな?」
『うん、そうだけど、』
田村「…あれ、保乃がよく借りてたやつ。」
『あ、ごめん、着たかった?』
田村「ちゃうよ…、もうなんでもない。」
「保乃、土生くんと電話するから部屋行くな。」
『…ん、』
何故か不機嫌な保乃ちゃんはアイスを受け取ることも無く自室へ戻った。
『はぁ…、土生先輩か。』
田村「いってきまーす、」
『いってきます、』
ガチャ
土生「おはよう、保乃。」
田村「土生くん!おはよう!」
土生「hkrちゃんも、おはよう。」
『おはようございます、』
小林「hkr!!おはよ。」
『おぉ、由依先輩、』
小林「迎え来てみた。」
『…ありがとうございます。』
小林「あ、2人ともおはよう。」
田村「おはよう、」
土生「おはよう!じゃあ保乃行こっか。」
田村「うん、」
「じゃあまたな、」
『ん、』
小林「またねー。」
『私たちも行きますか。』
小林「うん。」
『ふふ、先輩なんで今日もパーカー着てるの。』
小林「ブレザー忘れた、から?」
『まぁ良いですけど、笑』
小林「あ、ねえ、連絡交換してないよね。」
『あー、してないですね。』
小林「しよ。色々不便。」
『はい。』
こうして私は由依先輩との距離がどんどんと縮まって行った。
森田「保乃先輩が土生先輩と付き合って1ヶ月か〜。」
『んー、』
藤吉「…大丈夫なん?hkrは、」
『きついかなぁ、でも、由依先輩がそばに居てくれてるから。』
森田「…由依先輩のこと、どう思ってるん?」
『…わかんない。けど、一緒にいると安心する。』
藤吉「このままそれが恋心になったらええな。」
森田「ね。」
田村「…hkr、いる?」
『…お姉ちゃん、どうしたの。』
田村「今日、一緒に帰らへん?」
『土生先輩は?』
田村「…今日は、hkrと帰りたいねん、」
『別にいいけど、』
田村「ありがとう。」
『ん、じゃあまた後で。』
田村「うん、またな。」
森田「……おーっと?」
藤吉「これは面白い展開になりそうやな。」
『人を恋愛ドラマみたいな目線で見ないでよ笑』
森田「ふふ、恋愛ドラマなら、ここで友達だと思ってた子からも告白されるんよね〜、例えば、私とか?」
『へ…?』
森田「ふふ、嘘。」
『ビビるわ。やめてよ!笑笑』
藤吉「ふふ、まぁ保乃先輩との話聞かせてな。」
森田「ね、楽しみ。」
『…夜連絡する。』
こうしてニヤニヤしたひかる達に放課後も送り出され1ヶ月ぶりに保乃ちゃんと帰っていた。
田村「なぁ、由依ちゃんと付き合ったん?」
『え?なんで?』
田村「…由依ちゃん毎日hkrのパーカー着てるし、毎日一緒に登下校してるやろ?」
『あー、パーカーは衣替えでブレザー必着になるまで貸すことにしたんだ。登下校一緒なのは由依先輩が誘ってくれるから。』
田村「…そっか。」
「なぁ、もうhkrは保乃のこと好きやない?」
『え?』
田村「前に言ってくれたやろ、保乃のことが好きやったって、今はもうその気持ちは由依ちゃんに向いちゃった?」
あぁ、この人は何処までも狡い人だ。
沼からやっと抜けれそうだったのに、意図も簡単にまたずっぷりとハマらせてしまう。
『…、どうだろうね。』
田村「保乃、やっぱ無理。」
『…?』
田村「hkrへの気持ち忘れるために土生くんと付き合った。それでもええって言ってくれて、優しい土生くんと一緒にいるようになって、もしかしたらちゃんと土生くんのこと好きになれるかもしれんって思ってた。」
『ちょ、ちょっと待って、』
田村「でも、無理やってん。」
「保乃が土生くんと過ごせば過ごすほどhkrは由依ちゃんと過ごしてて、保乃の知らないhkrが増えてって、嫌やった。苦しかった。」
『っ…、』
田村「保乃は、hkrが好き。諦められへん。お姉ちゃんになんて、なれへんねん、」
『そんな、そんなこと言われたら、』
小林「hkr!!!!」
『っ…由依先輩、』
小林「hkrが好き。私と付き合って。」
田村「っ…、hkr、」
『由依、先輩、』
『この1ヶ月間由依先輩がそばに居てくれて、ずっと楽しかった。このまま一緒に居れば由依先輩を好きになれるって思ってた。』
小林「…そっか、もう、大丈夫。大丈夫だよ。」
『…、由依先輩、』
小林「ごめん、保乃、最後だから。許して。」
田村「…、」
『っ…んっ、由依、先輩、』
小林「好き、だったよ。hkr。」
「これ、返す。ありがとう。楽しかった。」
『…、ありがとう、ございました。』
唇に残る由依先輩の温もりを感じながら、去っていく背中に寂しさを感じた。
田村「…、hkr、」
『保乃、ちゃん。』
『私は、今でも保乃ちゃんが好きです。土生先輩と付き合ってから、さらに自分の気持ちに気づいた。』
田村「っ…、」
『誰にも祝福されないかもしれない、終わりはすぐ来ちゃうかもしれない、それでも、私は保乃ちゃんが好きです。保乃ちゃんと付き合いたい。』
田村「…保乃も、hkrが好き。付き合いたい。」
『…付き合って、くれますか?』
田村「はい、」
『あれ、待って、土生先輩は、?』
田村「昨日お別れした。こんな気持ちで付き合ってても幸せにできひんし、」
『…そっか。』
私たちが結ばれることによって傷つく人が居ることを改めて感じる。
それでも、私は今目の前で笑っているこの人を幸せにしたいと思った。この人を幸せにすることが私の幸せだと、そう感じている。
『保乃ちゃん、好きだよ。』
田村「保乃も好き。」
『ふふ、帰ろう。』
田村「うんっ。」
ぎゅっと繋いだ手。伝わる温もり。
この温もりを失わないよう、毎日を大切にしよう。
森田「えぇえぇえ!!!!!?」
藤吉「つ、付き合った!!!?!?」
『…うん、昨日、付き合えた。』
森田「ふふ、良かったやん。」
「長年の片想いがこんな形で幕を閉じるとは〜。」
藤吉「そりゃ浮かれすぎて昨日夏鈴達に連絡来んわ〜。」
『へへ、ごめん。』
田村「hkr〜、」
『ん?どうした?』
田村「これ、お弁当!」
『あ!ありがとう!!』
『ねえ、お昼一緒に食べない?』
田村「食べる!!」
『じゃあ迎えいく。』
田村「ん!待ってるな!」
『うん、またね。』
田村「またな〜〜。」
森田「ふふ〜、幸せそうやね〜。」
藤吉「ほんまにな。」
『ふふ、幸せです。』
叶うはずのない恋だと誰もが思っていた。
叶ってはいけない恋だとみんなが分かっていた。
それでも、祝ってくれる人達がいることが嬉しかった。
交わることが出来ない線を歩いているとしても、今だけを見て、今を生きていこう。
保乃ちゃんと幸せな今を生きていこう。
-fin-
リクエスト 涙の理由は恋心の続き
『え?』
田村「同じクラスの、土生くん、」
『そ、っか、おめでとう!!お姉ちゃん。』
田村「ありがとう、」
保乃ちゃんと姉妹になる努力を初めて半年、保乃ちゃんに彼氏が出来た。いつかは来るとわかっていたけど、こんなにも早く来るなんて、正直泣きそうだ。
『そっかぁ、土生先輩かぁ、うん、お似合いだよ、凄く。』
田村「ありがとう、だから、あの、明日からは朝…、」
『あぁ、うん、大丈夫。お姉ちゃんは土生先輩と行きな。』
田村「ありがとう。」
姉妹として毎日一緒に登校していた当たり前も、崩れてしまうんだ。あぁ、私、まだちゃんと保乃ちゃんのことが好きだったんだ。
『ごめん、ちょっとコンビニ行ってくる。』
田村「保乃も…、」
『1人で、行ってくる、』
田村「…行ってらっしゃい、」
『うん。』
『はぁぁぁぁ…、』
得意でもない炭酸水を喉に流し込んで、先程の現実を受け入れてみる。
保乃ちゃんはこれから土生先輩と色んなことを経験していく、その度にその話を聞くかもしれない。その度に、私はこの気持ちに捕われるのかもしれない。
小林「…hkrちゃん?」
『…?あ、由依先輩、』
小林「ふふ、こんばんは。」
『こん、ばんは。』
保乃ちゃんと同じクラスの由依先輩。
容姿性格ともに花丸満点で、私たち後輩からは高嶺の花なんて言われてる存在。
小林「何1人でしんみりしてんの。」
『あー、いや、』
小林「失恋?」
『…そんなとこ、ですかねぇ、』
小林「失恋ねぇ、羨ましい。」
『え?』
小林「hkrちゃんにそこまで思ってもらえる人が羨ましいよ。」
『いやいや、そんな、』
小林「…保乃じゃなくてさ、私の事見てよ。」
『え?』
小林「私に恋、してみなよ。」
『っ…、』
セーターを萌え袖にした由依先輩の手が頬を包む。サラサラな髪の毛が目に入って、気づけば、唇が重なっていた。
小林「…両想いに、なりたい。」
『っ…、』
小林「アタックしてもいい?」
『…私は、』
私は、このまま叶わぬ恋を続けるのだろうか。
結ばれることの無い片想いを引き摺るのだろうか。
それだったら、今目の前にいる人を幸せにする方がいいんじゃないか。
沢山の答えが頭を駆け巡った。
『由依先輩を、好きになりたい。』
小林「ふふ、なら明日からアタックするから。覚悟しといてね。」
『はい、』
『あ、お家まで送ってきます、』
小林「いいよ、私が送ってく。」
『いや、危ないし、』
小林「いーの。ほら、帰るよ。」
『…ありがとうございます、』
小林「ん、」
『そんな薄着で寒くないんですか?ブレザーとか、』
小林「ブレザー家に置いてきた。」
『ふふ、なんでですか笑笑』
小林「コンビニ行くだけの気だったし。」
『じゃあ、これ、着てってください。』
小林「…いいの?」
『風邪ひかれるのは困るので、』
小林「ふふ、ありがとう。」
私のパーカーを羽織った由依さんは少し顔を赤らめ可愛らしく笑った。
保乃ちゃんよりも低いところにある頭にほんの少しだけ揺らいだ心。
『…あ、ここです、』
小林「ん、じゃあまた明日ね?」
『はい、ありがとうございました、』
ガチャ
田村「hkr、って由依ちゃん!どうしたん!」
小林「おぉ、保乃。」
「たまたまコンビニで会って、ね?」
『はい、あ、じゃあ気をつけて、』
小林「ん、ありがとね。保乃もまたあした。」
田村「ん、また明日な〜〜!」
ガチャ
『…これ、お姉ちゃんの好きなアイス、』
田村「あぁ、ありがとう。」
「なぁ、由依ちゃんが着てたの、hkrのやんな?」
『うん、そうだけど、』
田村「…あれ、保乃がよく借りてたやつ。」
『あ、ごめん、着たかった?』
田村「ちゃうよ…、もうなんでもない。」
「保乃、土生くんと電話するから部屋行くな。」
『…ん、』
何故か不機嫌な保乃ちゃんはアイスを受け取ることも無く自室へ戻った。
『はぁ…、土生先輩か。』
田村「いってきまーす、」
『いってきます、』
ガチャ
土生「おはよう、保乃。」
田村「土生くん!おはよう!」
土生「hkrちゃんも、おはよう。」
『おはようございます、』
小林「hkr!!おはよ。」
『おぉ、由依先輩、』
小林「迎え来てみた。」
『…ありがとうございます。』
小林「あ、2人ともおはよう。」
田村「おはよう、」
土生「おはよう!じゃあ保乃行こっか。」
田村「うん、」
「じゃあまたな、」
『ん、』
小林「またねー。」
『私たちも行きますか。』
小林「うん。」
『ふふ、先輩なんで今日もパーカー着てるの。』
小林「ブレザー忘れた、から?」
『まぁ良いですけど、笑』
小林「あ、ねえ、連絡交換してないよね。」
『あー、してないですね。』
小林「しよ。色々不便。」
『はい。』
こうして私は由依先輩との距離がどんどんと縮まって行った。
森田「保乃先輩が土生先輩と付き合って1ヶ月か〜。」
『んー、』
藤吉「…大丈夫なん?hkrは、」
『きついかなぁ、でも、由依先輩がそばに居てくれてるから。』
森田「…由依先輩のこと、どう思ってるん?」
『…わかんない。けど、一緒にいると安心する。』
藤吉「このままそれが恋心になったらええな。」
森田「ね。」
田村「…hkr、いる?」
『…お姉ちゃん、どうしたの。』
田村「今日、一緒に帰らへん?」
『土生先輩は?』
田村「…今日は、hkrと帰りたいねん、」
『別にいいけど、』
田村「ありがとう。」
『ん、じゃあまた後で。』
田村「うん、またな。」
森田「……おーっと?」
藤吉「これは面白い展開になりそうやな。」
『人を恋愛ドラマみたいな目線で見ないでよ笑』
森田「ふふ、恋愛ドラマなら、ここで友達だと思ってた子からも告白されるんよね〜、例えば、私とか?」
『へ…?』
森田「ふふ、嘘。」
『ビビるわ。やめてよ!笑笑』
藤吉「ふふ、まぁ保乃先輩との話聞かせてな。」
森田「ね、楽しみ。」
『…夜連絡する。』
こうしてニヤニヤしたひかる達に放課後も送り出され1ヶ月ぶりに保乃ちゃんと帰っていた。
田村「なぁ、由依ちゃんと付き合ったん?」
『え?なんで?』
田村「…由依ちゃん毎日hkrのパーカー着てるし、毎日一緒に登下校してるやろ?」
『あー、パーカーは衣替えでブレザー必着になるまで貸すことにしたんだ。登下校一緒なのは由依先輩が誘ってくれるから。』
田村「…そっか。」
「なぁ、もうhkrは保乃のこと好きやない?」
『え?』
田村「前に言ってくれたやろ、保乃のことが好きやったって、今はもうその気持ちは由依ちゃんに向いちゃった?」
あぁ、この人は何処までも狡い人だ。
沼からやっと抜けれそうだったのに、意図も簡単にまたずっぷりとハマらせてしまう。
『…、どうだろうね。』
田村「保乃、やっぱ無理。」
『…?』
田村「hkrへの気持ち忘れるために土生くんと付き合った。それでもええって言ってくれて、優しい土生くんと一緒にいるようになって、もしかしたらちゃんと土生くんのこと好きになれるかもしれんって思ってた。」
『ちょ、ちょっと待って、』
田村「でも、無理やってん。」
「保乃が土生くんと過ごせば過ごすほどhkrは由依ちゃんと過ごしてて、保乃の知らないhkrが増えてって、嫌やった。苦しかった。」
『っ…、』
田村「保乃は、hkrが好き。諦められへん。お姉ちゃんになんて、なれへんねん、」
『そんな、そんなこと言われたら、』
小林「hkr!!!!」
『っ…由依先輩、』
小林「hkrが好き。私と付き合って。」
田村「っ…、hkr、」
『由依、先輩、』
『この1ヶ月間由依先輩がそばに居てくれて、ずっと楽しかった。このまま一緒に居れば由依先輩を好きになれるって思ってた。』
小林「…そっか、もう、大丈夫。大丈夫だよ。」
『…、由依先輩、』
小林「ごめん、保乃、最後だから。許して。」
田村「…、」
『っ…んっ、由依、先輩、』
小林「好き、だったよ。hkr。」
「これ、返す。ありがとう。楽しかった。」
『…、ありがとう、ございました。』
唇に残る由依先輩の温もりを感じながら、去っていく背中に寂しさを感じた。
田村「…、hkr、」
『保乃、ちゃん。』
『私は、今でも保乃ちゃんが好きです。土生先輩と付き合ってから、さらに自分の気持ちに気づいた。』
田村「っ…、」
『誰にも祝福されないかもしれない、終わりはすぐ来ちゃうかもしれない、それでも、私は保乃ちゃんが好きです。保乃ちゃんと付き合いたい。』
田村「…保乃も、hkrが好き。付き合いたい。」
『…付き合って、くれますか?』
田村「はい、」
『あれ、待って、土生先輩は、?』
田村「昨日お別れした。こんな気持ちで付き合ってても幸せにできひんし、」
『…そっか。』
私たちが結ばれることによって傷つく人が居ることを改めて感じる。
それでも、私は今目の前で笑っているこの人を幸せにしたいと思った。この人を幸せにすることが私の幸せだと、そう感じている。
『保乃ちゃん、好きだよ。』
田村「保乃も好き。」
『ふふ、帰ろう。』
田村「うんっ。」
ぎゅっと繋いだ手。伝わる温もり。
この温もりを失わないよう、毎日を大切にしよう。
森田「えぇえぇえ!!!!!?」
藤吉「つ、付き合った!!!?!?」
『…うん、昨日、付き合えた。』
森田「ふふ、良かったやん。」
「長年の片想いがこんな形で幕を閉じるとは〜。」
藤吉「そりゃ浮かれすぎて昨日夏鈴達に連絡来んわ〜。」
『へへ、ごめん。』
田村「hkr〜、」
『ん?どうした?』
田村「これ、お弁当!」
『あ!ありがとう!!』
『ねえ、お昼一緒に食べない?』
田村「食べる!!」
『じゃあ迎えいく。』
田村「ん!待ってるな!」
『うん、またね。』
田村「またな〜〜。」
森田「ふふ〜、幸せそうやね〜。」
藤吉「ほんまにな。」
『ふふ、幸せです。』
叶うはずのない恋だと誰もが思っていた。
叶ってはいけない恋だとみんなが分かっていた。
それでも、祝ってくれる人達がいることが嬉しかった。
交わることが出来ない線を歩いているとしても、今だけを見て、今を生きていこう。
保乃ちゃんと幸せな今を生きていこう。
-fin-
リクエスト 涙の理由は恋心の続き