愛されマネージャー
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こばの卒コンが始まる。
寂しさと、こばらしいライブへの期待、全てを目に焼きつけるように瞬きすらも惜しんでいた。
小林「ね、ちょっと来て。」
『…ん?』
Overtureが掛かる中こばに手を引かれてステージ脇までやってくる。
小林「背中、叩いて欲しいんだけど。」
『…任せて。』
初期の頃、一番最初に背中を叩いて欲しいとお願いしてきたのはこばだった。あの頃はまだ、いつも不安の中にいるような表情を浮かべてたっけ。今じゃ、想像もつかないや。
バシンッと良い音が鳴り響く。
これで最後、だったんだ。
小林「はぁ、いったい。」
「ほら、hkrも背中向けて。」
『ふふ、私も?』
小林「何?文句ある?一応今日の主役ですけど、私。」
『いーえ、こばの仰せのままに。』
そう言うと同時にこばに背中を向けて、とんでもない痛みが来るのを想像しながら、待っていた。
『っ…、由依、?』
想像と違う感触、来たのは痛みでも強い衝撃でもなくて、ぎゅっと私を抱き締めたこばの温もり。
小林「8年半、本当にありがとう。」
「hkrが居たから、やってこれたし、楽しかった。今日は、今日だけはさ、余所見しないで私の事だけ見てて。」
『っ…、狡いよ。』
『由依の事だけ見てるよ。由依の姿を目に焼き付けるよ。』
小林「…じゃあ、行ってきます。」
『ん、行ってらっしゃい。』
こばが階段を上がってステージに立つ。
その後ろ姿を忘れないように、忘れてしまわないように、眺め続けた。
Hikaru side
由依さんの卒コンが始まった。
今までの卒コンとは違って、由依さんらしいパフォーマンスに重視を置いたライブ。
楽しくて、少しハードで、でもそれが由依さんからの期待なのかな、なんて思って、胸が熱くなる。
そんな私と正反対にhkrさんの表情はずっと泣きそうで、頑張って笑顔を浮かべようとしているように見えた。
「hkrさん、」
『ひかる、』
「…、」
なんで声を掛けるべきか、分からなかった。
だから、保乃ちゃんがよくやるように、ぎゅっと抱き締めて、柔らかな髪の毛を何度も撫で続けていれば、私の腰にhkrさんの腕がギュッと抱きついてくる。
『っ…、はぁっ、ぐすっ、だめだー、だめだめだ。』
「駄目じゃないです。」
『ごめんね、ありがとう。ひかる。』
出番が来てしまって、惜しみながらもhkrさんから離れれば、ありがとう、なんて寂しそうに笑って私に手を振ったhkrさん。
hkrさんがこんなに寂しそうにしてる卒コンは初めてで、保乃ちゃんも、夏鈴も皆心配そうにしよった。
Yui side
卒コンが終盤を迎えて、ドレスに腕を通していれば、何度も泣いたであろう目を真っ赤にしたhkrがヒョコっと顔を出した。
『…綺麗だね。』
「ふふ、卒業マジックもあるよ。」
『んーん、こばは綺麗だよ。』
「…、寂しい?」
『寂しいよ。』
「皆心配してたよ。hkrさん、大丈夫かな、って。」
『いやーー、今日は全然気持ち隠せなかった。』
「でも安心した。」
『え?』
「hkrが皆にいつものhkrじゃない部分を出せてて、安心しましたよ、私は。」
『…これからは、他の子達に頼ってかないとだもんね。』
「ふふ、そうだよ〜。頼んないとダメだよ〜。」
しーちゃんにするような猫撫で声で頭を撫でてあげれば嬉しそうに笑って猫じゃないよ、なんて言うhkr。
私が居なくても、笑顔で過ごしてよね。
なんて、思うのは我儘だろうか。
『…そろそろ、行こっか。』
「ん、行ってくるよ〜。」
天ちゃん、ひかる、保乃、皆とハイタッチ、ハグをしながらステージへ上がっていく。
ステージへ立って、メンバー、家族、スタッフの皆さん、Buddiesの皆へ想いを告げる。
楽しくて、幸せで、狂おしいほど愛おしかった8年半。大切で、大事な思い出。
ラスト1曲、もうこれでアイドル人生が幕を閉じる。長いようで、一瞬だったな。
松田「以上!櫻坂46でした!」
「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」
メンバーと頭を下げ、1人だけステージに残る。
桜色、また青と黄色に光り輝く客席を目に焼き付けてから階段を登った先でもう一度深く頭を下げた。
『こば、卒業おめでとう。』
『8年半、欅の時から努力を続けてきたこばの背中は誰よりも大きかったです。正直、明日からこばの居ない日々を乗り越えられるか不安も沢山あります、でも、ちゃんと乗り越えるよ。こばが居ない日々をちゃんと過ごすから、…だからっ、櫻坂の事は私に任せて…っ、ずっと、大好きだよっ…、卒業、おめでとう。』
ずっと耐えていたものがグワーッと押し寄せる。
駄目、まだ泣くな、私。ステージを下りるまでは、笑顔で…。
階段を一段一段降りていく。舞台裏でメンバーが、hkrが手を広げ待ってくれていた。
「…ふふ、皆超泣いてんじゃん。」
山﨑「由依さんだってーーっ、!!」
『ふふ、やっと泣いた。』
『今日まで8年半、本当にお疲れ様。世界で1番綺麗だったよ。』
ギュッと抱き締められた腕の中で、何度も感じてきた温もりを忘れないように強く強く抱き締め返す。
『さ、こば、行こう、皆待ってるよ。』
「行くって、どこに…、」
私の手を取って駆け出したhkr。
横にはドレスに引っかからないように、ドレスのスカートを持ってくれてる天ちゃんとひかるが居て、後ろにはそんな私達を笑顔で追いかけてくるメンバーがいて…、あー、なんか最後の青春を過ごしているような気分に陥る。
舞台裏を抜けて、廊下に出た瞬間、懐かしい人たちの声がした。
平手「こば!!!」
「「「「「こばー!!!!ゆいぽーん!!」」」」」
「っ…、平手〜、皆〜〜、」
タイムマシーンで時が戻ったような感覚。
あー、この感じ、1期生だ。
『改めて、こば!!!』
「ん?」
『「「「「「「「「「「「卒業おめでとう!」」」」」」」」」」」』
2期も、3期も、皆愛おしくて、大切で、大事な後輩。けれど、私の青春は悪戯げに笑うこの子達と過ごしてきた。楽しかった。
「あーーー、楽しかった!!!!!」
最高の8年半でした。
皆、ありがとう。
「大好きだよーーー!!!」
-fin-
寂しさと、こばらしいライブへの期待、全てを目に焼きつけるように瞬きすらも惜しんでいた。
小林「ね、ちょっと来て。」
『…ん?』
Overtureが掛かる中こばに手を引かれてステージ脇までやってくる。
小林「背中、叩いて欲しいんだけど。」
『…任せて。』
初期の頃、一番最初に背中を叩いて欲しいとお願いしてきたのはこばだった。あの頃はまだ、いつも不安の中にいるような表情を浮かべてたっけ。今じゃ、想像もつかないや。
バシンッと良い音が鳴り響く。
これで最後、だったんだ。
小林「はぁ、いったい。」
「ほら、hkrも背中向けて。」
『ふふ、私も?』
小林「何?文句ある?一応今日の主役ですけど、私。」
『いーえ、こばの仰せのままに。』
そう言うと同時にこばに背中を向けて、とんでもない痛みが来るのを想像しながら、待っていた。
『っ…、由依、?』
想像と違う感触、来たのは痛みでも強い衝撃でもなくて、ぎゅっと私を抱き締めたこばの温もり。
小林「8年半、本当にありがとう。」
「hkrが居たから、やってこれたし、楽しかった。今日は、今日だけはさ、余所見しないで私の事だけ見てて。」
『っ…、狡いよ。』
『由依の事だけ見てるよ。由依の姿を目に焼き付けるよ。』
小林「…じゃあ、行ってきます。」
『ん、行ってらっしゃい。』
こばが階段を上がってステージに立つ。
その後ろ姿を忘れないように、忘れてしまわないように、眺め続けた。
Hikaru side
由依さんの卒コンが始まった。
今までの卒コンとは違って、由依さんらしいパフォーマンスに重視を置いたライブ。
楽しくて、少しハードで、でもそれが由依さんからの期待なのかな、なんて思って、胸が熱くなる。
そんな私と正反対にhkrさんの表情はずっと泣きそうで、頑張って笑顔を浮かべようとしているように見えた。
「hkrさん、」
『ひかる、』
「…、」
なんで声を掛けるべきか、分からなかった。
だから、保乃ちゃんがよくやるように、ぎゅっと抱き締めて、柔らかな髪の毛を何度も撫で続けていれば、私の腰にhkrさんの腕がギュッと抱きついてくる。
『っ…、はぁっ、ぐすっ、だめだー、だめだめだ。』
「駄目じゃないです。」
『ごめんね、ありがとう。ひかる。』
出番が来てしまって、惜しみながらもhkrさんから離れれば、ありがとう、なんて寂しそうに笑って私に手を振ったhkrさん。
hkrさんがこんなに寂しそうにしてる卒コンは初めてで、保乃ちゃんも、夏鈴も皆心配そうにしよった。
Yui side
卒コンが終盤を迎えて、ドレスに腕を通していれば、何度も泣いたであろう目を真っ赤にしたhkrがヒョコっと顔を出した。
『…綺麗だね。』
「ふふ、卒業マジックもあるよ。」
『んーん、こばは綺麗だよ。』
「…、寂しい?」
『寂しいよ。』
「皆心配してたよ。hkrさん、大丈夫かな、って。」
『いやーー、今日は全然気持ち隠せなかった。』
「でも安心した。」
『え?』
「hkrが皆にいつものhkrじゃない部分を出せてて、安心しましたよ、私は。」
『…これからは、他の子達に頼ってかないとだもんね。』
「ふふ、そうだよ〜。頼んないとダメだよ〜。」
しーちゃんにするような猫撫で声で頭を撫でてあげれば嬉しそうに笑って猫じゃないよ、なんて言うhkr。
私が居なくても、笑顔で過ごしてよね。
なんて、思うのは我儘だろうか。
『…そろそろ、行こっか。』
「ん、行ってくるよ〜。」
天ちゃん、ひかる、保乃、皆とハイタッチ、ハグをしながらステージへ上がっていく。
ステージへ立って、メンバー、家族、スタッフの皆さん、Buddiesの皆へ想いを告げる。
楽しくて、幸せで、狂おしいほど愛おしかった8年半。大切で、大事な思い出。
ラスト1曲、もうこれでアイドル人生が幕を閉じる。長いようで、一瞬だったな。
松田「以上!櫻坂46でした!」
「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」
メンバーと頭を下げ、1人だけステージに残る。
桜色、また青と黄色に光り輝く客席を目に焼き付けてから階段を登った先でもう一度深く頭を下げた。
『こば、卒業おめでとう。』
『8年半、欅の時から努力を続けてきたこばの背中は誰よりも大きかったです。正直、明日からこばの居ない日々を乗り越えられるか不安も沢山あります、でも、ちゃんと乗り越えるよ。こばが居ない日々をちゃんと過ごすから、…だからっ、櫻坂の事は私に任せて…っ、ずっと、大好きだよっ…、卒業、おめでとう。』
ずっと耐えていたものがグワーッと押し寄せる。
駄目、まだ泣くな、私。ステージを下りるまでは、笑顔で…。
階段を一段一段降りていく。舞台裏でメンバーが、hkrが手を広げ待ってくれていた。
「…ふふ、皆超泣いてんじゃん。」
山﨑「由依さんだってーーっ、!!」
『ふふ、やっと泣いた。』
『今日まで8年半、本当にお疲れ様。世界で1番綺麗だったよ。』
ギュッと抱き締められた腕の中で、何度も感じてきた温もりを忘れないように強く強く抱き締め返す。
『さ、こば、行こう、皆待ってるよ。』
「行くって、どこに…、」
私の手を取って駆け出したhkr。
横にはドレスに引っかからないように、ドレスのスカートを持ってくれてる天ちゃんとひかるが居て、後ろにはそんな私達を笑顔で追いかけてくるメンバーがいて…、あー、なんか最後の青春を過ごしているような気分に陥る。
舞台裏を抜けて、廊下に出た瞬間、懐かしい人たちの声がした。
平手「こば!!!」
「「「「「こばー!!!!ゆいぽーん!!」」」」」
「っ…、平手〜、皆〜〜、」
タイムマシーンで時が戻ったような感覚。
あー、この感じ、1期生だ。
『改めて、こば!!!』
「ん?」
『「「「「「「「「「「「卒業おめでとう!」」」」」」」」」」」』
2期も、3期も、皆愛おしくて、大切で、大事な後輩。けれど、私の青春は悪戯げに笑うこの子達と過ごしてきた。楽しかった。
「あーーー、楽しかった!!!!!」
最高の8年半でした。
皆、ありがとう。
「大好きだよーーー!!!」
-fin-