愛されマネージャー
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2023年は沢山のことがあった。
嬉しいことのほうが多かったような気がする。けれど、それと同時に全力を尽くす機会も2022年とは比べ物にならないくらい多くて、そんな中で、ゆみちゃんの卒業があったり、土生ちゃんの卒業、由依さんの卒業発表が続いて、正直メンタルだって安定しない1年やった。
2024年、年が変わったからといって全てが切り替わる訳もなく、黒く染った何かを抱えたまま今年に1歩を踏み出してしまった。
年が明けて、半休は取れるものの大きくまとまった休みはなく、疲労も取れないまま。
このままじゃ駄目になってしまうような気がして、でも、対処の仕方も分からなくて、今に向き合うしか無かった。
こんなことを考えてしまうのはきっと夜だから。太陽が登れば私は変われる、大丈夫、きっと、大丈夫。
ブーッ ブーッ
スマホが鳴って、画面にはhkrさんの名前が映し出される。
「もしもし、?」
『もしもし、夜遅くにごめんね。』
「いえ、大丈夫です、どうしました?」
『最近バタバタしてて全然話せてなかったからさ、色々気になっちゃって、ごめんね、』
「っ…、」
プロデューサーになってからのhkrさんは、今まで以上に忙しくなった。時間に追われているようにバタバタと動き回っていて、メンバー以上に休みが取れていないと思う。
きっと今だって僅かな休息時間を私に当ててくれているんだろうな。
『…凄く長い距離を走ってるみたいな感覚、』
「え?」
『持久走ってさ、長い距離を走るじゃん?何キロかごとに給水スペースがあって、そこでちょっと休憩できたりはするけど疲れなんか全然取れなくて、寧ろ止まっちゃったら余計走り出すのが辛くなってさ、』
「…はい、」
『ゴールに着くまで、ずっと苦しいまま。』
『…今のひかるちゃんは、そんな感じがする。』
「っ…、」
忙しいのに、色んな人を相手にしているのに、私のことをちゃんと見ててくれるhkrさんに胸が苦しくなって、何度も堪えてきた涙が頬を伝う。
『1人で走らせちゃってごめんね。』
『あのさ、明日と明後日、私に付き合ってくれないかな。』
「…でも、仕事が、」
『リスケした。ふふっ、私がひかるちゃんと過ごしたすぎて職権乱用しちゃった。』
「っ…、なんですか、それ、笑」
『ふふ、ちょっと遠出するから、遠出セット準備しといてね、明日のお昼頃迎えに行く。』
「はい…、楽しみにしてます、」
『ん、じゃあ、今日はゆっくりおやすみ。』
「おやすみなさい。」
スマホ越しに聞こえるhkrさんの声は、精神安定剤のようにスッと私の心を軽くしてくれる。
きっと、hkrさん不足やった。いつもhkrさんが取り除いてくれていたから色々頑張れていたんだと思う。
久々に明日が楽しみだった。
「飛行機??」
『そう、今から福岡に行きます。』
「福岡!?」
『ふふ、どうしても博多ラーメン食べたくなっちゃってさ〜、さ、乗るよ。』
遠出、とは言っていたけど、まさか福岡に行くなんて思っとらんかった。今年は帰省できてなかったし、ちょっとでも家族に会えたらいいな。
飛行機に乗り込んで、数時間空の上を飛んでいれば懐かしい空気が流れる地にたどり着いて、心が更に軽くなる感覚がした。
母「ひかる!!」
「っ…、お母さん、」
姉「ひかる〜〜。」
「お姉ちゃんっ…、」
嘘、なんでっ…、
『行っておいで。』
「っ…、」
久々に感じる家族の温もり。暖かくて、優しい、ずっと感じたかった温もり。
母「hkrさんがね、子供に戻れる時間を作って欲しいって。ほんっと良い人に巡れたね。」
「っ…ぐすっ、」
私達の後ろで嬉しそうに微笑んでいるhkrさんにはやっぱり誰も敵わない。誰よりも優しくて、暖かくて、私の好きな人。
『じゃあ、明日の夕方、ここで待ち合わせしよっか。』
「え…、hkrさんは、」
『福岡一人旅でもしてこようかな〜。』
『ひかるちゃんは、仕事の事忘れて、家族との時間楽しんできな。』
「っ…、ありがとう、ございます。」
「でも、hkrさんも一緒がいいです。」
いつもなら、思っていても、迷惑を掛けたくなくてこんなこと言えない。でも今の私は、いつもの私じゃなくて、子供の私やけ、我儘やって言いたくなっちゃう。
『ふふ、いいの?』
母「hkrさんの分のご飯も用意してますから〜!!是非〜!」
『え〜、ふふ、じゃあお邪魔させてください。』
まるで恋人の顔合わせのような気分に、心がギュゥと苦しくなった。苦しいくらい、幸せだった。
お家に帰って、お母さんのご飯を食べて、リビングでテレビを見て、仕事から帰ってきたお父さんに力いっぱい抱きしめられて、そんな光景をhkrさんは嬉しそうに眺めていて…、本当に幸せな時間で、気がつけば黒く染った何かは綺麗に無くなっていた。
『ひかるちゃんの家族、皆本当に良い人だね。』
「ふふっ、はいっ、」
高校2年生までを過ごした懐かしい部屋で、ベッドに腰をかけながらhkrさんとお話をする。
『ひかるちゃんのペースでいいんだよ。』
「え?」
『持久走なんて、自分のペースで走ればいい。何も気にしなくていいんだよ。疲れたら歩けばいい。ひかるちゃんは立ち止まらないから。』
ずっと、立ち止まってしまうことが怖かった。
そうなってしまうかもしれないと思うことが嫌だった。でも、hkrさんの言葉には、私なら大丈夫、立ち止まらない、とそう思える何かがあって、その何かを持ってるhkrさんがやっぱり好きやった。
「hkrさんは、私のヒーローですね。」
『ふふ、そんなに格好いいもんじゃないよ〜?』
「格好良いです。凄く、格好いいです。」
『あははっ、ありがとう。』
普段はあまり見れないオフのhkrさん。
2期生会から何度かその姿を見せてくれて、"ひかるちゃんだから、"なんて言ってくれる度に優越感に浸って、余計恋心が加速してしまう。
『…っと、ふふ、甘えん坊さんだ。』
この気持ちがほんの少しでも伝わるように、ぎゅっと強く抱きついて、hkrさんに私を残す。
ずっと、hkrさんの中に私が残ればいい。
「…私じゃなくても、同じことしてましたか?」
『ん?』
「悩んでたのが、保乃ちゃんでも、同じように大阪に帰ったり、してたのかなって、」
『ん〜、ふふ、保乃ちゃんだったらしてないかな。』
「…なんでですか、」
『ん〜、人に得意不得意があるようにさ、その人にあった休み方があると思うから。保乃ちゃんには保乃ちゃんにあった休み方を全力で考えるよ。』
「…さすが、愛されマネージャー、ですね。」
『ふふ、褒めてる?』
「さ〜あ〜。」
hkrさんが優しいのは私にだけやない。
分かっとるのに。嫉妬して、ばかみたい。
『…でも、こんなこと言っちゃダメだと思うけどさ、ひかるちゃんは特別なんだよ。』
「え?」
『勿論、皆んなのことが大好きだし、気に掛けてるけど、ひかるちゃんにはさ、ありのままの私で居れるから、うん、ふふ、私の中で特別。』
「っ…、」
そんなこと、笑顔で言わないでください。
私、簡単やけ、期待しちゃうから。
『さ、そろそろ寝ますか〜。』
「一緒に寝たい、です。」
『ふふ、かわいい。じゃあベッドお邪魔してもいい?』
「はいっ、」
『ん、お邪魔します、ふふ、おいで、ひかるちゃん。』
ベッドの中で、腕を広げて私を待ってるhkrさん。こんなの、幸せの致死量で死んじゃうかもしれん。
「お邪魔します、」
『ん〜、暖かいね、』
「…もう一個、我儘言ってもいいですか、」
『いいよ〜、なんでも言ってごらん、』
「ひかる、がいいです。」
『…ふふ、ひかる?』
「っ…はい、」
『じゃあ、私のこともhkrでいいよ、』
「えっ…、いや、それは、むりです、」
『え〜、じゃあhkrちゃんは〜〜??』
「むりむり!!hkrさんは、hkrさんです!」
『あははっ、そっか、じゃあ気が向いたらさん取ってね。』
「っ…、はい、」
『じゃあ、おやすみ、ひかる。』
「おやすみなさい、hkrさん。」
幸せの温かさに包まれたまま目を閉じた。
もう何も怖くない。
私はまた、頑張れる。
ありがとう、hkrさん。
大好きです。
-Fin-
嬉しいことのほうが多かったような気がする。けれど、それと同時に全力を尽くす機会も2022年とは比べ物にならないくらい多くて、そんな中で、ゆみちゃんの卒業があったり、土生ちゃんの卒業、由依さんの卒業発表が続いて、正直メンタルだって安定しない1年やった。
2024年、年が変わったからといって全てが切り替わる訳もなく、黒く染った何かを抱えたまま今年に1歩を踏み出してしまった。
年が明けて、半休は取れるものの大きくまとまった休みはなく、疲労も取れないまま。
このままじゃ駄目になってしまうような気がして、でも、対処の仕方も分からなくて、今に向き合うしか無かった。
こんなことを考えてしまうのはきっと夜だから。太陽が登れば私は変われる、大丈夫、きっと、大丈夫。
ブーッ ブーッ
スマホが鳴って、画面にはhkrさんの名前が映し出される。
「もしもし、?」
『もしもし、夜遅くにごめんね。』
「いえ、大丈夫です、どうしました?」
『最近バタバタしてて全然話せてなかったからさ、色々気になっちゃって、ごめんね、』
「っ…、」
プロデューサーになってからのhkrさんは、今まで以上に忙しくなった。時間に追われているようにバタバタと動き回っていて、メンバー以上に休みが取れていないと思う。
きっと今だって僅かな休息時間を私に当ててくれているんだろうな。
『…凄く長い距離を走ってるみたいな感覚、』
「え?」
『持久走ってさ、長い距離を走るじゃん?何キロかごとに給水スペースがあって、そこでちょっと休憩できたりはするけど疲れなんか全然取れなくて、寧ろ止まっちゃったら余計走り出すのが辛くなってさ、』
「…はい、」
『ゴールに着くまで、ずっと苦しいまま。』
『…今のひかるちゃんは、そんな感じがする。』
「っ…、」
忙しいのに、色んな人を相手にしているのに、私のことをちゃんと見ててくれるhkrさんに胸が苦しくなって、何度も堪えてきた涙が頬を伝う。
『1人で走らせちゃってごめんね。』
『あのさ、明日と明後日、私に付き合ってくれないかな。』
「…でも、仕事が、」
『リスケした。ふふっ、私がひかるちゃんと過ごしたすぎて職権乱用しちゃった。』
「っ…、なんですか、それ、笑」
『ふふ、ちょっと遠出するから、遠出セット準備しといてね、明日のお昼頃迎えに行く。』
「はい…、楽しみにしてます、」
『ん、じゃあ、今日はゆっくりおやすみ。』
「おやすみなさい。」
スマホ越しに聞こえるhkrさんの声は、精神安定剤のようにスッと私の心を軽くしてくれる。
きっと、hkrさん不足やった。いつもhkrさんが取り除いてくれていたから色々頑張れていたんだと思う。
久々に明日が楽しみだった。
「飛行機??」
『そう、今から福岡に行きます。』
「福岡!?」
『ふふ、どうしても博多ラーメン食べたくなっちゃってさ〜、さ、乗るよ。』
遠出、とは言っていたけど、まさか福岡に行くなんて思っとらんかった。今年は帰省できてなかったし、ちょっとでも家族に会えたらいいな。
飛行機に乗り込んで、数時間空の上を飛んでいれば懐かしい空気が流れる地にたどり着いて、心が更に軽くなる感覚がした。
母「ひかる!!」
「っ…、お母さん、」
姉「ひかる〜〜。」
「お姉ちゃんっ…、」
嘘、なんでっ…、
『行っておいで。』
「っ…、」
久々に感じる家族の温もり。暖かくて、優しい、ずっと感じたかった温もり。
母「hkrさんがね、子供に戻れる時間を作って欲しいって。ほんっと良い人に巡れたね。」
「っ…ぐすっ、」
私達の後ろで嬉しそうに微笑んでいるhkrさんにはやっぱり誰も敵わない。誰よりも優しくて、暖かくて、私の好きな人。
『じゃあ、明日の夕方、ここで待ち合わせしよっか。』
「え…、hkrさんは、」
『福岡一人旅でもしてこようかな〜。』
『ひかるちゃんは、仕事の事忘れて、家族との時間楽しんできな。』
「っ…、ありがとう、ございます。」
「でも、hkrさんも一緒がいいです。」
いつもなら、思っていても、迷惑を掛けたくなくてこんなこと言えない。でも今の私は、いつもの私じゃなくて、子供の私やけ、我儘やって言いたくなっちゃう。
『ふふ、いいの?』
母「hkrさんの分のご飯も用意してますから〜!!是非〜!」
『え〜、ふふ、じゃあお邪魔させてください。』
まるで恋人の顔合わせのような気分に、心がギュゥと苦しくなった。苦しいくらい、幸せだった。
お家に帰って、お母さんのご飯を食べて、リビングでテレビを見て、仕事から帰ってきたお父さんに力いっぱい抱きしめられて、そんな光景をhkrさんは嬉しそうに眺めていて…、本当に幸せな時間で、気がつけば黒く染った何かは綺麗に無くなっていた。
『ひかるちゃんの家族、皆本当に良い人だね。』
「ふふっ、はいっ、」
高校2年生までを過ごした懐かしい部屋で、ベッドに腰をかけながらhkrさんとお話をする。
『ひかるちゃんのペースでいいんだよ。』
「え?」
『持久走なんて、自分のペースで走ればいい。何も気にしなくていいんだよ。疲れたら歩けばいい。ひかるちゃんは立ち止まらないから。』
ずっと、立ち止まってしまうことが怖かった。
そうなってしまうかもしれないと思うことが嫌だった。でも、hkrさんの言葉には、私なら大丈夫、立ち止まらない、とそう思える何かがあって、その何かを持ってるhkrさんがやっぱり好きやった。
「hkrさんは、私のヒーローですね。」
『ふふ、そんなに格好いいもんじゃないよ〜?』
「格好良いです。凄く、格好いいです。」
『あははっ、ありがとう。』
普段はあまり見れないオフのhkrさん。
2期生会から何度かその姿を見せてくれて、"ひかるちゃんだから、"なんて言ってくれる度に優越感に浸って、余計恋心が加速してしまう。
『…っと、ふふ、甘えん坊さんだ。』
この気持ちがほんの少しでも伝わるように、ぎゅっと強く抱きついて、hkrさんに私を残す。
ずっと、hkrさんの中に私が残ればいい。
「…私じゃなくても、同じことしてましたか?」
『ん?』
「悩んでたのが、保乃ちゃんでも、同じように大阪に帰ったり、してたのかなって、」
『ん〜、ふふ、保乃ちゃんだったらしてないかな。』
「…なんでですか、」
『ん〜、人に得意不得意があるようにさ、その人にあった休み方があると思うから。保乃ちゃんには保乃ちゃんにあった休み方を全力で考えるよ。』
「…さすが、愛されマネージャー、ですね。」
『ふふ、褒めてる?』
「さ〜あ〜。」
hkrさんが優しいのは私にだけやない。
分かっとるのに。嫉妬して、ばかみたい。
『…でも、こんなこと言っちゃダメだと思うけどさ、ひかるちゃんは特別なんだよ。』
「え?」
『勿論、皆んなのことが大好きだし、気に掛けてるけど、ひかるちゃんにはさ、ありのままの私で居れるから、うん、ふふ、私の中で特別。』
「っ…、」
そんなこと、笑顔で言わないでください。
私、簡単やけ、期待しちゃうから。
『さ、そろそろ寝ますか〜。』
「一緒に寝たい、です。」
『ふふ、かわいい。じゃあベッドお邪魔してもいい?』
「はいっ、」
『ん、お邪魔します、ふふ、おいで、ひかるちゃん。』
ベッドの中で、腕を広げて私を待ってるhkrさん。こんなの、幸せの致死量で死んじゃうかもしれん。
「お邪魔します、」
『ん〜、暖かいね、』
「…もう一個、我儘言ってもいいですか、」
『いいよ〜、なんでも言ってごらん、』
「ひかる、がいいです。」
『…ふふ、ひかる?』
「っ…はい、」
『じゃあ、私のこともhkrでいいよ、』
「えっ…、いや、それは、むりです、」
『え〜、じゃあhkrちゃんは〜〜??』
「むりむり!!hkrさんは、hkrさんです!」
『あははっ、そっか、じゃあ気が向いたらさん取ってね。』
「っ…、はい、」
『じゃあ、おやすみ、ひかる。』
「おやすみなさい、hkrさん。」
幸せの温かさに包まれたまま目を閉じた。
もう何も怖くない。
私はまた、頑張れる。
ありがとう、hkrさん。
大好きです。
-Fin-