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〜青学〜

乾貞治というクラスメイトがいるんですけど、たまにハッとした顔したり、ニヤニヤし始めたり、ブツブツなんか言ってたりするんですよね。私の中で彼は変わり者なんです。でも頭が良くて身長も高くてそんな嫌いな感じでは無いんですけどただ、変わり者だというのは変わりないんですよ。
あっ、あとアレ、乾汁。いや下ネタかよって感じなんですけどなんですか?アレなんなんですか?ちょっと、フフフ下ネタかよ、ウケるな。
そんな彼と今、本屋さんで偶然会いまして、私の事分かんないんだろうな〜ってシカトしてたら
「何か探しているのか?」
って声かけて来たんですよね。
「…え?」「…いや、何か探しているのかと」
「あぁ、まぁ、その漫画買いに来ただけだから…」「そうなのか」「……うん」
いやガッツリ見極めた上で話しかけられたわ侮ってたクラスメイト、マジでごめんな。
そんな乾は筋トレ系雑誌や料理系の雑誌を何冊か持っている、という事は乾汁の研究か…下ネタかよ〜!!ネーミングに引っ張られ過ぎる!!ダメだ私下ネタ弱いんだって!ダメダメ!
「……フフッ」「…何を笑っているんだ?」
「いや、ちょっと、そのごめんフフッ、ヤバイ」
「どうした?」「…いやあの怒らないで欲しいんだけど、乾汁ってあるんでしょ?下ネタかよっていつも1人でツッコんでたから思い出してめちゃくちゃ面白くなっちゃったゴメンね本当、ククク…フフッ」
いや乾お前何、なんだこいつみたいな目で見てんだよ私を!ネーミングどうにかしろよな?!
「君は下ネタが好きなのか」「いや好きというか弱いんだよ」
乾は持っていた雑誌を「ちょっと持っていてくれるか」と私に持たせて、自分のノートに何やら書き出した。アッ貴様〜データ取ってんな?!役に立たねえぞ!テニスはしねえからな!
「なに?データ?」「よく知っているな、そうだよ。」
「ふーん、私の?」「あぁ。」
「私テニスしないよ。」「知っているさ。」
乾はノートを鞄に入れると、私の手元から雑誌を受け取って「テニスのデータしか取らないわけじゃないよ。」と言った。
「テニス以外のデータって何取るわけ?」
「そうだな、気になっている女の子の事とか、かな。」「オッマジで?!乾、好きな女いんの?!凄いじゃん!誰?!」
まさかの乾の恋愛事情に触れて、あんまり仲良くもないのに大声で質問してしまった、しかもここ本屋さんな。アホか。
「君だよ。」「またまたぁ、ご冗談を!」
「いや、本気だよ。今日ここに来たのも君が漫画を買いに来る確率が高いからだしね。」
「え?」「君のデータを集めて、こうして親密になろうと努力しているんだよ。気になる存在だからね。」
乾は思ったよりスラスラ話すもんだから、どこか置いてけぼりでふーん…って思ってたけど、これは私にも遂にエエ感じのソレが来たな?!?!
「あ、えっとその〜なんと言えばいいのか」
「今は何も言わなくていいさ。君は普段通り過ごしてくれ。俺は君の気付かない内に近くにいるよ」「いやめちゃくちゃキモいな?いっそ一緒にどっか行く方が健全だし楽だろ。」
乾のこういう所本当変、変というか…変態?
「なるほど、本当に君は分かりやすく誘導に乗ってくれるな。では今度2人でどこかに行こうか。考えておくよ。またな。」
おいおいちょっと待てよ、誘導に乗るなってことは私のデータ集めた上で?わざと言ってきたって事?やっべえ〜分かりやすさ満点かよ私〜!もっとミステリアスに行きたいんだよ!無理か!無理だな!
乾か〜…そうか…悪くないよな〜…こういう風に始まるのもアリかな。
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