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〜青学〜

手塚という男
「ねぇ手塚って笑う?」
そう聞くのにあんまり興味なさそうな菊丸。
「え、笑うけど」「マジ?表情筋あるの?」「存在を疑うんじゃねえよそりゃあるだろ」
うっそ〜!と言いながら伸びをする菊丸。
「まぁ確かにそんなに多くないけど笑うよ、菊丸とかモモとかその辺の顔芸が達者な人と比べたら負けるよ。」
「俺あんまり見た事ないかも〜!手塚の笑顔!」「じゃあ見に行こうよ」「完全に動物園のノリだけど大丈夫?」
行く気満々のニヤついた顔をしながらもお前上履きちゃんと履き直してんじゃねえよ、かかと踏むな菊丸。
「って事で見に来たよ。ねえ笑って。」
「モー娘。かよっ!」「……なんだ急に」
え、ネタ古すぎた?と思いながら菊丸を見るとペースを乱されて完全に主導権放棄顔。そういう所だぞ顔芸要員菊丸。
「いやあのね、菊丸が手塚の笑った顔ってあんまり見た事無いって言うからさ〜ちょっとノリで見に行こうって来ちゃったんだわ。」「そうか。」
いやそうかって何?!勝手に押しかけといて悪いけど笑って欲しい本当に。見てよ菊丸空気だもん。あの存在感を取り戻せ菊丸。
「…ん〜、俺用事思い出した〜じゃあね〜」
「一体何なんだ。」「いや、ごめん、ごめんね。なんかグダグダになったわ。」
急に押しかけて笑ってくれなんて誰ですか?言い出したの。本当手塚は忙しいんだからそういうのはやめた方が良いと思います。
「構わない。…俺は、そんなに笑っていないか?」
ほら〜!!見て〜!?手塚ちょっと落ち込んでんじゃん〜!そりゃあんなキャラ濃いテニス部の中に居たら無愛想に見えるかもしれないけど、ほら〜!!誰〜?!?!
「いやいや私はそう思わないよ、手塚は回数多くないけど笑うよって言ったし!私は!」
「そうか。お前にはそう見えるか。」
「うん。笑うもんね、手塚は案外。」
その時歴史が動いたーー
「お前と話していると楽しいからな。自然と笑みも溢れる。」
落ち着こうか。な。とりあえずちょっと落ち着こう。すみません、アイスコーヒー1つ。
ちょっと座ろう皆。よーし………
めちゃくちゃ良いな?!?!?!手塚めちゃくちゃ良いな?!?!?!
どうした?!どうした急にデレてくるじゃん!
なんだ?!え?!お前と話してると楽しい?!そりゃ私もでございますよありがとうございます!
「やだなぁ嬉しい事言ってくれちゃって!好きになっちゃうゾ!オイオイ!」
その時また歴史が動いたーー
「あぁ、そうなってくれると俺は嬉しい。」
そう言って手塚は今までで1番の笑顔を見せた。優しくてちょっと色っぽい感じの…なんというかその、手塚自体がエロいからなんというか、いやもうごめんなさい黙るわ私。
「…え〜、ちょっと、もう手塚ってば〜!全く〜フゥ〜⤴︎」
私はこんな風にうやむやにして逃げるしか出来なかったけど近い内にちゃんと向き合おうと思う、よ!
菊丸、また手塚の笑顔見損ねたね。
いやでも待ってよ、この笑顔は私と2人だからこそ見れる笑顔なんじゃないのか。そっか〜〜なるほどめちゃくちゃ好きだわ。
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