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〜立海〜

私はジャッカルが好きだ。
人に優しくて、テニスも頑張っていて、あんなに自由奔放な丸井とも上手く関係を築けるコミュ力。あんなに頑張ってる人を見ると支えたくなる。これが母性か。なるほどな。
「お前そろそろジャッカルに告れよ〜めんどくせえな〜」
いつの間に私の元に来たのか。丸井はめちゃくちゃめんどくさそうな顔をしながら私にいつも告白を促す。なんだこいつ。
「るっせえな〜関係ねえだろボケ〜。」
「いつも視線がウザいんだっつーの。」
「誰もテメエの事なんか見てません〜!ジャッカルです〜!!!」
「いやそんな声量でジャッカルを見てるって宣言されてもな。」
いやね、私も思ってるんだよ。ジャッカルも多分私の事好きだろうって。なんでって、いやいや野暮な事聞くじゃないの、良いよ全然話すよ、あのね。
バレンタインにチョコあげたんだよね。去年だよ、去年なんだけど!うん、そう。
それでお返しをくれた時、人気のない放課後の廊下でさぁ。ジャッカルが「俺、お前の事…」まで言ったんだよね。もうここまで来たら好きだしか無いじゃん!そう思うでしょ!私も思う!
そしたら、クソッあの真田?とかいう老け顔の人がジャッカル呼びに来てパァですよ、それまでの雰囲気もパァ。なんですかあの人。顔面初老じゃないですか。
「またケンカしてんのか?お前ら。」
それから今日までずっと友達してんだよね。居心地は良いけど進展はしたいよね〜ほら、色々とね〜!ナニってそりゃあんた…色々とね〜!
「ケンカっていうか…ねえ?」「おう。いつものやつだよ、いつもの。」
「…ブン太、変な事言ってねえだろうな?」
ジャッカルが珍しくじっとりした目つきでブン太を睨んでる。珍しい…その顔も好きだ…。
「んー、多分な!それよりさ〜今日部活ねえじゃん?俺ちょっとやる事あっからジャッカル!こいつと一緒に帰ってやれよ!」
おおっと〜?!どうした丸井良いぞ良いぞ!こういう時だけは私だって女子になる!
「え、いや別にそんな大丈夫だよ〜⤴︎」
「良いからジャッカルに送って貰えって!な!」
丸井からのスペシャルサプライズでジャッカルと下校というスーパーイベント。ここで好感度爆上げしないと攻略出来ねぇぞ…
「お、おう。送ってく、んじゃ、行くか?」
私は慌ててカバンを取ってジャッカルと一緒に帰る事に。クゥ〜たまんねぇ〜!と思ってたんだけど、あの不完全告白から2人きりになる瞬間があまり無くて緊張。ヤバイ。盛り上げないと。でも緊張。
「…なあ、さっきブン太から変な事言われなかったか?」「え?あぁ、さっさとジャッカルに告れよって言われたわ」「は?!」「…やべ」
言ったよ〜!逝った!終わった!バカバカこの野郎おしゃべりなのも大概にしろっての!バカ!バカだよ私はクソ〜!!
「え、告白」
「…うん、そう。そうだよ告白。だってジャッカルは私の事好きだよね?間違ってたらマジごめんだけど私はそう感じてるし、私はジャッカルの事大好きなんだけど…そのなんていうか今日まで友達でいたのは、関係が進展したらまたその先にも進展があるじゃん?その〜、ね!なんというか色々やる事が…あるじゃん…私は、友達から恋人に進展したら恋人としか出来ない進展を望んでしまうし…でもジャッカルはそうじゃないかもしれないみたいな?!なんか!そういう考えがグルグルして、なんというか…ごめん」
私は今完全に欲にまみれた発言をしたな?したよな?バッカだなマジで本当終わったわ。
「あー、なんというかその〜」
見てよジャッカルの顔。恥ずかしいんだろうね、私が欲全開で告白したから困ってるわ本当ごめんだわ。
「き、奇遇だな!俺も同じ事考えてた!」「は?」「いや、だからその」「は?いやちょ、は?同じ事?」「お、同じ事…」
自分の体温が急上昇するのを感じた。そうか、こういう感覚が更に恋愛していると感じる瞬間か。
「だからさ、進展させようぜ。俺達の関係。」
どうせ進展させるなら最後まで進展させたい。
私はジャッカルが好きだ。
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