強烈な個性
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「うっうっ…。」
「何だ、また泣いてるのか。どうしたんだ?」
腕枕をした名無しさんは背を向けて体を震わしている。
「だって、ローとやっと一つになれたから幸せで…。」
「ふ、そんな事か。」
「ひっど。ローにとってはそんな事かも知れないけど私にとっては凄く大切な事なんだけど。」
首筋に付けた赤い華が名無しさんの髪の毛が揺れる度に見え隠れする。
俺のものだという証。
それを指先で辿り、背骨から下へと肌に滑らせる。
名無しさんの肩ががびくりと揺れて身を固くした。
「ロー、くすぐったいって。やめて。」
「くすぐったいのと快感は同じだ。名無しさん、感じてんだろ。」
頭の下の腕をそっと引き抜いて、後ろから覗き込む体勢で名無しさんの顔を見る。
「そんな顔してるお前を抱かねェわけにはいかねェな。」
「は…そんな顔ってなに!?大体、ローが変なこと言い出すから…!」
「俺がいつ変なこと言った?」
「もうっ、馬鹿ロー!」
俺の胸に枕を無理矢理押し付けてきて距離を置こうとする名無しさんの手首を取り、体を抱いた。
二人の間を別つ邪魔な枕は取り去り、ベッド下へと放り投げる。
「お前は温かいな。」
「…ローだって温かいよ。」
頭を引き寄せて胸元へ近付ける。
腕の中の確かな存在を確かめる様に。
愛しいものを決して離さない様に。
「ロー、大好きよ。」
「知ってる。」
「ロー、愛してる。」
「それも知ってる。」
外はすっかり日は落ちて濃紺の闇が広がっている。
帰るなり俺の部屋に近付くなと予め人払いはしてあるが、アイツらなりに気をつかっているんだろう。
物音一つしない静かな夜だ。
fin.