強烈な個性
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「お前は馬鹿か!飲めもしないのに酒をロックで飲む奴がいるか!」
男達をバラし灸を据えた後、名無しさんを船まで抱えて帰って説教タイムだ。
「元はと言えばローのせいでしょ…。」
俺が処方してやった薬と水を飲ませたお陰か、少し酔いが覚めたらしい。
「俺が助けてやらなきゃどうなっていたか分かるか。」
ベッドに座った名無しさんは不機嫌そうに唇を尖らせる。
「何よ…私が全部悪いって言うの。誰も助けてくれなんて言ってないもん。」
口では強がっているが、目は潤んで涙を我慢している様にも見える。
向かい合わせに座っていた椅子から立ち上がると名無しさんの隣に腰を下ろした。
帽子を脱ぎ、息を一つ吐く。
それを溜め息だと思った名無しさんが感情を爆発させた。
堪えきれなくなった涙も頬を伝い流れる。
「面倒臭い女だと思ったんでしょ。」
「そんなこと思っちゃいねェ。今回の事は…あー、俺が悪かった。」
肩に手を回して体を抱き寄せる。
お前の肩、こんなに細かったのか。
しゃっくりしながら震える背中に手をおいて撫でてやる。
…こんな事するのはお前だけだからな。
「ローの事、好きでいるの辛いよ。別れて…。」
「別れたらその辛さは消えるのか?」
「…。」
「俺は絶対別れねェ。」
俺も遊びが過ぎたか。
お前の気持ちを確かめる様な真似をして。
「じゃあ、女の人を連れ込まないって約束してくれる?」
「あァ。」
「嘘。信じられない。」
速攻で否定される俺の答えも今までの自分の行いのせいなのだが…。
「今度ローが女の人と寝たら私だって考えがあるんだからね。」
「それは、脅しか?」
名無しさんの口から出てきた言葉。
男達に拐われそうになった時、俺が見つけていなければどうなっていた?
あのまま抵抗できない状態で、何処かに連れ込まれていたら。
俺じゃないどこの馬の骨かも分からねェ奴と。
考えるだけで怒りが込み上げてくる。
「脅しじゃないよ。本気だって…キャ?!」
名無しさんをベッドに押し倒し、首筋に唇を寄せて甘く歯を立てる。
「お前は俺だけ見てればいいんだよ。」
「…ロー?」
どうして俺がお前に手を出さなかったか。
他の女ばかり相手しているように見せていたのか。
分かるか?
「名無しさんだけを愛してるからだ。」
壊しちまいそうなくらい。
他の女なんて目じゃねェ。
本当はお前だけだ。
それで。
常にお前の気を引いていたかった。
自分の感情にコントロールが効かない事が恐かった。
「やだッ、ローったら急に何言って。」
途端に朱に染まる頬を隠す様に手で覆おうとする名無しさん。
「ほら、お前も言ってみろ。俺が好きなんだろ。」
下に組み敷いた名無しさんを見下ろす景色がいい。
こんなに血が沸き立ち、高揚感を得たことは今までに無い。
「そんなの今更!私の気持ち知ってるくせに。」
「何だ、照れてるのか。それこそ今更だろ。俺とお前の仲で恥ずかしがる事は無ェ。」
「いやっ、恥ずかしいったら。ロー!退いて!」
身を捩り、俺の視線からも抑圧からも抜け出そうとする名無しさんの顎を掴む。
「恥ずかしがる行為は男を刺激するだけだ。よく覚えておけ。」
そして、唇を重ねた。